芥川賞受賞作品まとめ(4)-第61~80回-1969~1978年(説明文付)

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芥川賞全集でのまとめは以下もご覧ください。
- 1. 第80回 1978年 下半期
- 2. 第79回 1978年 上半期
- 3. 第79回 1978年 上半期
- 4. 第78回 1977年 下半期
- 5. 第78回 1977年 下半期
- 6. 第77回 1977年 上半期
- 7. 第77回 1977年 上半期
- 8. 第76回 1976年 下半期
- 9. 第75回 1976年 上半期
- 10. 第74回 1975年 下半期
- 11. 第74回 1975年 下半期
- 12. 第73回 1975年 上半期
- 13. 第72回 1974年 下半期
- 14. 第72回 1974年 下半期
- 15. 第71回 1974年 上半期
- 16. 第70回 1973年 下半期
- 17. 第70回 1973年 下半期
- 18. 第69回 1973年 上半期
- 19. 第68回 1972年 下半期
- 20. 第68回 1972年 下半期
- 21. 第67回 1972年 上半期
- 22. 第67回 1972年 上半期
- 23. 第66回 1971年 下半期
- 24. 第66回 1971年 下半期
- 25. 第65回 1971年 上半期
- 26. 第64回 1970年 下半期
- 27. 第63回 1970年 上半期
- 28. 第63回 1970年 上半期
- 29. 第62回 1969年 下半期
- 30. 第61回 1969年 上半期
- 31. 第61回 1969年 上半期
第80回 1978年 下半期
なし
第79回 1978年 上半期
高橋三千綱 「九月の空」
掲載誌:文藝
剣道へのひたむきな想い。性への憧れと反発。家族への理由のない苛立ち。十五歳の少年勇の心は揺れ動きながらも、今、大きくはばたこうとしている…。
第79回 1978年 上半期
高橋揆一郎 「伸予」
掲載誌:文藝
五十歳近い未亡人の元教師が、かつて特別の思いを抱いていた教え子と再会した。彼女の一生にはこの恋しかなかったのか。抜群の語り口で芥川賞を受賞した表題作ほか二篇。
第78回 1977年 下半期
高城修三 「榧の木祭り」
掲載誌:新潮
第78回 1977年 下半期
宮本輝 「螢川」
掲載誌:文芸展望
父が脳溢血で倒れた。母は働きに出なければならず、14歳の竜夫は父の旧友に金を借りに行く。そんな竜夫の唯一の楽しみは、冬の長い年にだけ見られるという螢の大群を、ほのかに思いを寄せる英子と見に行くこと。ある日、父の容体が急変したという報せを受け、竜夫は病院へ駆けつけるが―。季節が移ろいゆく富山を舞台に、少年が螢の大群の中に見たものとは。
第77回 1977年 上半期
池田満寿夫 「エーゲ海に捧ぐ」
掲載誌:野性時代
サンフランシスコのアトリエにいる彫刻家を責め立てる、日本の妻からの長い国際電話。彫刻家の前には二人の白人女性が…。卓越したシチュエーションと透明なサスペンスで第七十七回芥川賞に輝いた表題作ほか二篇を含む、衝撃の愛と性の作品集。
第77回 1977年 上半期
三田誠広 「僕って何」
掲載誌:文藝
田舎から上京し、学園紛争真っ只中の大学に入学した僕。何も知らない母親っ子の僕が、いつの間にかセクトの争いや内ゲバに巻き込まれ、年上のレイ子と暮らすことになる……。芥川賞受賞の永遠の青春小説。
第76回 1976年 下半期
なし
第75回 1976年 上半期
村上龍 「限りなく透明に近いブルー」
掲載誌:群像
米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく――。著者の原点であり、発表以来ベストセラーとして読み継がれてきた、永遠の文学の金字塔が新装版に! 〈群像新人賞、芥川賞受賞のデビュー作〉
第74回 1975年 下半期
岡松和夫 「志賀島」
掲載誌:文學界
第74回 1975年 下半期
中上健次 「岬」
掲載誌:文學界
この小説は、著者独自の哀切な旋律を始めて文学として定着させた記念碑的作品とされ、広く感動を呼んだ。この作品では多くの登場人物が出てくるが、その多くは血縁関係のある人物であり、複雑に混ざり合った男女の性交の結果である。主人公はその複雑な血縁関係を恨み、父親を恨み、報復してやるのだと向かったのは妹の元であった。その憎たらしい父親の血は確かに自分の中に塊として存在していた・・・。表題作のほか、「火宅」「浄徳寺ツアー」など初期の力作三篇も収めている。
第73回 1975年 上半期
林京子 「祭りの場」
掲載誌:群像
如何なれば膝ありてわれを接しや―。長崎での原爆被爆の切実な体験を、叫ばず歌わず、強く抑制された内奥の祈りとして語り、痛切な衝撃と深甚な感銘をもたらす林京子の代表的作品。群像新人賞・芥川賞受賞の『祭りの場』、「空缶」を冒頭に置く連作『ギヤマンビードロ』を併録。
第72回 1974年 下半期
阪田寛夫 「土の器」
掲載誌:文學界
肩の骨を折りながらも礼拝のオルガンを弾き通した八十歳の母を支えていたのは何か。その魂のありかをたどる芥川賞受賞作と、心温かに家族を描く四つの作品。
第72回 1974年 下半期
日野啓三 「あの夕陽」
掲載誌:新潮
少年時代、敗戦によって夢が破れた経験をもち、それが元で人生の総てに投げやりになってしまった私。成人して新聞記者になり、なんでも唯々諾々と言いなりになる妻と坦々とした日々を過ごしている。私はソウル特派員時代に知り合った李という女性のことが忘れられない。虚無感を夕陽が照らすようにくっきりと描き出した秀逸な短編。芥川賞受賞作品。ほかに『野の果て』『無人地帯』『対岸』『遠い陸橋』を収録。
第71回 1974年 上半期
なし
第70回 1973年 下半期
森敦 「月山」
掲載誌:季刊芸術
自らに沈黙と流浪の人生を課した不羈の魂が、40年の星霜を経て〈死の山〉月山の淵源に刻みあげた稀有の名篇。他に珠玉作「天沼」を併録する。
第70回 1973年 下半期
野呂邦暢 「草のつるぎ」
掲載誌:文學界
「言葉の風景画家」と称される著者が、硬質な透明感と静謐さの漂う筆致で描く青春の焦燥。生の実感を求め自衛隊に入隊した青年の、大地と草と照りつける太陽に溶け合う訓練の日々を淡々と綴った芥川賞受賞作「草のつるぎ」、除隊後ふるさとに帰り、友人と過ごすやるせない日常を追う「一滴の夏」―長崎・諫早の地に根を下ろし、四十二歳で急逝した野呂邦暢の、初期短篇を含む五篇を収録。
第69回 1973年 上半期
三木卓 「鶸」
掲載誌:すばる
第68回 1972年 下半期
郷静子 「れくいえむ」
掲載誌:文學界
死への道はあまりにも近く、生への道はあまりにも遠い……あの太平洋戦争のさなか、ひたすら“立派な軍国少女”になろうと努めた女学生の青春がここにある。激しい空襲をうけ、次々にかけがえのない肉親や友人を失いながら、なお「お国のため、戦争に勝つため」に生きた主人公、大泉節子。彼女の努力の行きつく先は、結局愛をも美をも滅ぼしつくすことでしかない。そのひたむきな純粋さ、無残さが読者の心を深くとらえた芥川賞受賞作。
第68回 1972年 下半期
山本道子 「ベティさんの庭」
掲載誌:新潮
「樹も草も鳥も風も空も、みんなみんな、わたしのものではない。どこを見廻してもわたしの肌にぴったり寄りそってくるものはない」……。異国に嫁いで二十年、日本の戦争花嫁〈ベティさん〉の切々たる望郷の念を描く芥川賞受賞の表題作をはじめ、『魔法』『わがままな幽霊』など、華麗なイメージと静謐なタッチで、独自の文学空間を築く話題の女流作家の傑作短編、ほかに『魔法』『雨の椅子』『老人の鴨』『わがままな幽霊』の4編を収録する。
第67回 1972年 上半期
宮原昭夫 「誰かが触った」
掲載誌:文藝
第67回 1972年 上半期
畑山博 「いつか汽笛を鳴らして」
掲載誌:文學界
二十五歳・工員の肉体的劣等感を正面にすえ、独特のスタイルで感動を呼んだ芥川賞受賞作。
第66回 1971年 下半期
東峰夫 「オキナワの少年」
掲載誌:文學界
沖縄の現実を少年の曇りない眼で捉えた芥川賞受賞作と、都市の底辺を彷徨うオキナワ少年を描く長篇二本。「オキナワの少年」「島でのさようなら」「ちゅらかあぎ」収録。
第66回 1971年 下半期
李恢成 「砧をうつ女」
掲載誌:季刊芸術
和服にパラソルをさして、日本から母は帰って来た。貧しいなかをおおらかに生きた母の生涯を清冽な文体で描く鎮魂の譜。ひろく共感を呼んだ芥川賞受賞作品。この表題作と表裏をなす「人面の大岩」は、喜怒哀楽ははげしかったがきわめて平凡な人生を送った父の肖像を感動的に綴った。ほか、在日朝鮮人の哀切な魂の唄を歌い上げ、著者の文学的基点を示す珠玉の短篇「半チョッパリ」「長寿島」「奇蹟の日」「水汲む幼児」の四篇を収録する名品集である。
第65回 1971年 上半期
なし
第64回 1970年 下半期
古井由吉 「杳子」
掲載誌:文藝
第63回 1970年 上半期
古山高麗雄 「プレオー8の夜明け」
掲載誌:文藝
「生きていればこんなめにもあう」。理不尽なことも呑み込まなければ「普通の人間」は生きていかれない。22歳で召集、フィリピン、ビルマ、カンボジア等を転戦、ラオスの俘虜収容所に転属され敗戦となり戦犯容疑で拘留。著者の冷徹な眼が見た人間のありようは、苛烈な体験を核に清澄なユーモアと哀感で描かれた。
第63回 1970年 上半期
吉田知子 「無明長夜」
掲載誌:新潮
“御本山”の黒い森をみつめて、白い闇の道を歩いた女の20年……。一種底の知れない、暗く混沌とした世界の中で、病める魂の咆哮を聞く芥川賞受賞作『無明長夜』。“捨てる”ことを根源に、自らの道を開こうとした著者の、戦後の出発を語る『豊原』。ほかに『寓話』『終りのない夜』など、新しい世代の世界とイメージを持って、多様な才能を遺憾なく発揮した作品群。ほか『静かな夏』『生きものたち』『わたしの恋の物語』全7編を収める。
第62回 1969年 下半期
清岡卓行 「アカシヤの大連」
掲載誌:群像
美しい港町、アカシヤ香る大連。そこに生れ育った彼は敗戦とともに故郷を喪失した。心に巣喰う癒し難い欠落感、平穏の日々の只中で埋めることのできない空洞。青春、憂鬱、愛、死。果てない郷愁を籠めて、青春の大連を清冽に描く。
第61回 1969年 上半期
田久保英夫 「深い河」
掲載誌:新潮
朝鮮戦争のまっただ中、学生の僕は、夏期休暇の間、雲仙の米軍キャンプで、《馬丁》としてアルバイトしていた。病気の馬の検査をするために街へ下りて行った獣医が帰ってこず、馬と一緒に置き去りにされた僕がとった行動は……? 平和な日本の中に潜む戦争の暗影とその殺戮の強烈な臭気とを、青春の悪夢のような体験を通して描き、注目をあつめて話題となった芥川賞受賞作。ほかに『遠い夏から』『水いらず』『樹蔭』の3編を収録。
第61回 1969年 上半期
庄司薫 「赤頭巾ちゃん気をつけて」
掲載誌:中央公論
学生運動の煽りを受け、東大入試が中止になるという災難に見舞われた日比谷高校三年の薫くん。そのうえ愛犬が死に、幼馴染の由美と絶交し、踏んだり蹴ったりの一日がスタートするが―。真の知性とは何か。戦後民主主義はどこまで到達できるのか。青年の眼で、現代日本に通底する価値観の揺らぎを直視し、今なお斬新な文体による青春小説の最高傑作。
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