芥川賞受賞作品まとめ(4)-第61~80回-1969~1978年(説明文付)

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芥川賞全集でのまとめは以下もご覧ください。
第80回 1978年 下半期
なし
第79回 1978年 上半期
高橋三千綱 「九月の空」
剣道へのひたむきな想い。性への憧れと反発。家族への理由のない苛立ち。十五歳の少年勇の心は揺れ動きながらも、今、大きくはばたこうとしている…。 |
高橋揆一郎 「伸予」
五十歳近い未亡人の元教師が、かつて特別の思いを抱いていた教え子と再会した。彼女の一生にはこの恋しかなかったのか。抜群の語り口で芥川賞を受賞した表題作ほか二篇。 |
第78回 1977年 下半期
高城修三 「榧の木祭り」
宮本輝 「螢川」
父が脳溢血で倒れた。母は働きに出なければならず、14歳の竜夫は父の旧友に金を借りに行く。そんな竜夫の唯一の楽しみは、冬の長い年にだけ見られるという螢の大群を、ほのかに思いを寄せる英子と見に行くこと。ある日、父の容体が急変したという報せを受け、竜夫は病院へ駆けつけるが―。季節が移ろいゆく富山を舞台に、少年が螢の大群の中に見たものとは。 |
第77回 1977年 上半期
池田満寿夫 「エーゲ海に捧ぐ」
サンフランシスコのアトリエにいる彫刻家を責め立てる、日本の妻からの長い国際電話。彫刻家の前には二人の白人女性が…。卓越したシチュエーションと透明なサスペンスで第七十七回芥川賞に輝いた表題作ほか二篇を含む、衝撃の愛と性の作品集。 |
三田誠広 「僕って何」
田舎から上京し、学園紛争真っ只中の大学に入学した僕。何も知らない母親っ子の僕が、いつの間にかセクトの争いや内ゲバに巻き込まれ、年上のレイ子と暮らすことになる……。芥川賞受賞の永遠の青春小説。 |
第76回 1976年 下半期
なし
第75回 1976年 上半期
村上龍 「限りなく透明に近いブルー」
米軍基地の街・福生のハウスには、音楽に彩られながらドラッグとセックスと嬌声が満ちている。そんな退廃の日々の向こうには、空虚さを超えた希望がきらめく――。著者の原点であり、発表以来ベストセラーとして読み継がれてきた、永遠の文学の金字塔が新装版に! 〈群像新人賞、芥川賞受賞のデビュー作〉 |
第74回 1975年 下半期
岡松和夫 「志賀島」
終戦の年、十二歳の主人公は海洋訓練に加わって、軍隊の苛酷さをかいま見る。時代の重圧に耐える少年たちを描く芥川賞受賞作。「或る年の秋」「蓄音機」「碧空」「闘花」 |
中上健次 「岬」
第73回 1975年 上半期
林京子 「祭りの場」
如何なれば膝ありてわれを接しや―。長崎での原爆被爆の切実な体験を、叫ばず歌わず、強く抑制された内奥の祈りとして語り、痛切な衝撃と深甚な感銘をもたらす林京子の代表的作品。群像新人賞・芥川賞受賞の『祭りの場』、「空缶」を冒頭に置く連作『ギヤマンビードロ』を併録。 |
第72回 1974年 下半期
阪田寛夫 「土の器」
肩の骨を折りながらも礼拝のオルガンを弾き通した八十歳の母を支えていたのは何か。その魂のありかをたどる芥川賞受賞作と、心温かに家族を描く四つの作品。 |
日野啓三 「あの夕陽」
少年時代、敗戦によって夢が破れた経験をもち、それが元で人生の総てに投げやりになってしまった私。成人して新聞記者になり、なんでも唯々諾々と言いなりになる妻と坦々とした日々を過ごしている。私はソウル特派員時代に知り合った李という女性のことが忘れられない。虚無感を夕陽が照らすようにくっきりと描き出した秀逸な短編。芥川賞受賞作品。ほかに『野の果て』『無人地帯』『対岸』『遠い陸橋』を収録。 |
第71回 1974年 上半期
なし
第70回 1973年 下半期
森敦 「月山」
自らに沈黙と流浪の人生を課した不羈の魂が、40年の星霜を経て〈死の山〉月山の淵源に刻みあげた稀有の名篇。他に珠玉作「天沼」を併録する。 |
野呂邦暢 「草のつるぎ」
「言葉の風景画家」と称される著者が、硬質な透明感と静謐さの漂う筆致で描く青春の焦燥。生の実感を求め自衛隊に入隊した青年の、大地と草と照りつける太陽に溶け合う訓練の日々を淡々と綴った芥川賞受賞作「草のつるぎ」、除隊後ふるさとに帰り、友人と過ごすやるせない日常を追う「一滴の夏」―長崎・諫早の地に根を下ろし、四十二歳で急逝した野呂邦暢の、初期短篇を含む五篇を収録。 |
第69回 1973年 上半期
三木卓 「鶸」
「少年は疾走していた。木々の葉の間を縫って光は斜めに射し、放射する幕のなかで狂ったような霧が踊っていた」。敗戦で秩序の破壊された大陸で、無法と死に追われる少年の目に、飢えと疾病に晒された世界が焼きつく。芥川賞受賞作「鶸」をはじめ「砲撃のあとで」「曠野」「竪笛」「流れのほとり」など、戦争の生々しい傷あとを描く連鎖状作品を集める。表題作含む14編を収録。 |
第68回 1972年 下半期
郷静子 「れくいえむ」
山本道子 「ベティさんの庭」
第67回 1972年 上半期
宮原昭夫 「誰かが触った」
畑山博 「いつか汽笛を鳴らして」
二十五歳・工員の肉体的劣等感を正面にすえ、独特のスタイルで感動を呼んだ芥川賞受賞作。 |
第66回 1971年 下半期
東峰夫 「オキナワの少年」
沖縄の現実を少年の曇りない眼で捉えた芥川賞受賞作と、都市の底辺を彷徨うオキナワ少年を描く長篇二本。「オキナワの少年」「島でのさようなら」「ちゅらかあぎ」収録。 |
李恢成 「砧をうつ女」
第65回 1971年 上半期
なし
第64回 1970年 下半期
古井由吉 「杳子」
現代の青春を浮彫りにする芥川賞受賞作「杳子」。都会に住まう若い夫婦の日常の周辺にひろがる深淵を巧緻な筆に描く「妻隠」。卓抜な感性と濃密な筆致で生の深い感覚に分け入り、現代文学の新地平を切り拓いた著者の代表作二編を収録する。 |
第63回 1970年 上半期
古山高麗雄 「プレオー8の夜明け」
「生きていればこんなめにもあう」。理不尽なことも呑み込まなければ「普通の人間」は生きていかれない。22歳で召集、フィリピン、ビルマ、カンボジア等を転戦、ラオスの俘虜収容所に転属され敗戦となり戦犯容疑で拘留。著者の冷徹な眼が見た人間のありようは、苛烈な体験を核に清澄なユーモアと哀感で描かれた。 |
吉田知子 「無明長夜」
第62回 1969年 下半期
清岡卓行 「アカシヤの大連」
美しい港町、アカシヤ香る大連。そこに生れ育った彼は敗戦とともに故郷を喪失した。心に巣喰う癒し難い欠落感、平穏の日々の只中で埋めることのできない空洞。青春、憂鬱、愛、死。果てない郷愁を籠めて、青春の大連を清冽に描く。 |
第61回 1969年 上半期
田久保英夫 「深い河」
庄司薫 「赤頭巾ちゃん気をつけて」
学生運動の煽りを受け、東大入試が中止になるという災難に見舞われた日比谷高校三年の薫くん。そのうえ愛犬が死に、幼馴染の由美と絶交し、踏んだり蹴ったりの一日がスタートするが―。真の知性とは何か。戦後民主主義はどこまで到達できるのか。青年の眼で、現代日本に通底する価値観の揺らぎを直視し、今なお斬新な文体による青春小説の最高傑作。 |
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