直木賞受賞作品まとめ(1)-第1~40回-1935~1958年(説明文付)

2019-03-27文学賞直木賞

直木賞受賞作品まとめ(1)-第1~40回-1935~1958年(説明文付)

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全作品一覧は以下をご覧ください。

 

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 第40回 1958年 下半期

多岐川恭 「落ちる」
自己破壊衝動に苛まれる男の物語「落ちる」、万年平行員のささやかな逆襲「ある脅迫」、完全犯罪かと思われた事件の皮肉な露顕「笑う男」――第四十回直木賞を受けた三編など、多彩な趣向に満ちた初期秀作十編を収める。収録作品 落ちる/猫/ヒーローの死/ある脅迫/笑う男/私は死んでいる/かわいい女/みかん山/黒い木の葉/二夜の女

 

城山三郎 「総会屋錦城」
株主総会の席上やその裏面で、命がけで暗躍する、財界の影武者ともいえる総会屋の老ボスを描く評判作。ほかに交通事故の時だけタクシー会社の重役の身代りで見舞いや弔問にゆく五十男の悲しみを描いた「事故専務」をはじめ、資本主義社会のからくり、陰謀などを、入念な考証に基づき、迫力あるスピード感と構成力で描く本格的な社会小説7編を収める。

 

第39回 1958年 上半期

榛葉英治 「赤い雪」

 

第39回 1958年 上半期

山崎豊子 「花のれん」
大阪の街中へわての花のれんを幾つも幾つも仕掛けたいのや――細腕一本でみごとな寄席を作りあげた浪花女のど根性の生涯を描く。

 

第38回 1957年 下半期

なし

第37回 1957年 上半期

江崎誠致 「ルソンの谷間」

 

第36回 1956年 下半期

今東光 「お吟さま」
千利休の娘・お吟の胸には、堺の豪商・万代屋宗安に嫁いだ後も、初恋のキリシタン大名・高山右近の俤(おもかげ)がひそかに生きつづけていた。やがて離婚したお吟の美貌は、最高権力者・秀吉の関心をひき、その軋轢が、お吟と利休を苛酷な運命の袋小路に引きずりこむ……。戦国の世を生きた薄幸の美女を描き第36回直木賞を受けた名作に、平家滅亡に生涯を賭した僧の生きざまを綴る『弱法師』を加えた本格歴史小説集。

 

穂積驚 「勝烏」

 

第35回 1956年 上半期

南條範夫 「燈台鬼」
遣唐副使として唐に渡ったまま行方不明となった父・石根(いわね)を求め、道麻呂(みちまろ)はかの地へ赴いた。二十数年の歳月を経て、ようやく出会った父は、あまりにもおぞましい姿に変わり果て……。 直木賞受賞の表題作のほか、オール新人杯第一回受賞作「子守りの殿」、異色作「水妖記」など初期の作品六編を収録。直木賞受賞までの歴史小説をすべて網羅した、巨匠の原点!

 

今官一 「壁の花」

 

第34回 1955年 下半期

新田次郎 「強力伝」
五十貫もの巨石を背負って白馬岳山頂に挑む山男を描いた処女作「強力伝」。富士山頂観測所の建設に生涯を捧げた一技師の物語「凍傷」。太平洋上の離島で孤独に耐えながら気象観測に励む人びとを描く「孤島」。明治35年1月、青森歩兵第五連隊の210名の兵が遭難した悲劇的雪中行軍を描く「八甲田山」。ほかに「おとし穴」「山犬物語」。“山"を知り“雪"を“風"を知っている著者の傑作短編集。

 

邱永漢 「香港」
「香港」では、生きのびるためには考えることよりも逃げ足の速いことがまず第一、というヤミ屋や密輸人たちの明日を怖れぬしたたかな生き方をきざみつける人生を、――「濁水渓」では、けわしい戦後台湾の動乱渦中に帰国した学生の生き方を問う。 永遠に流浪する青春の二記念碑。

 

第33回 1955年 上半期

なし

第32回 1954年 下半期

戸川幸夫 「高安犬物語」
動物というものは、かわいいものです。もし、この世の中から、動物たちがいなくなったら、わたしたちの人生は、どんなにあじけないものになってしまうでしょう。動物たちは、人生をうるおす、きれいな流れであり、いこいの木陰をつくってくれるしげみであり、ほほえみをあたえてくれる花園であります。そういう動物たちを主題とした小説が動物文学です。

 

梅崎春生 「ボロ家の春秋」
「桜島」「日の果て」などの戦争小説の秀作をのこした梅崎春生のもう1つの作品系列、市井の日常を扱った作品群の中から、「蜆」「庭の眺め」「黄色い日日」「Sの背中」「ボロ家の春秋」「記憶」「凡人凡語」の計7篇を収録。諷刺、戯画、ユーモアをまじえた筆致で日常の根本をゆさぶる独特の作品世界。

 

第31回 1954年 上半期

有馬頼義 「終身未決囚」

 

第30回 1953年 下半期

なし

第29回 1953年 上半期

なし

第28回 1952年 下半期

立野信之 「叛乱」
昭和十一年二月二十六日朝まだき、降りしきる雪の中、首相はじめ政府要人が次々に襲撃・殺害された。憂国の陸軍青年将校らが「尊皇討奸」を掲げ、ついに行動したのだ。しかし、正義の決起は徐々に逆賊・叛乱の名を被せられ、主要メンバーは極刑に処される。皮肉な運命を克明に追い、維新に身を投ぜんとする若者たちの情熱や不安、困惑を鮮やかに浮き彫りにした、二・二六事件のドキュメント・ノベル。

 

第27回 1952年 上半期

藤原審爾 「罪な女・その他」
夫と子供の不在の一夜、強盗に踏みこまれた、一人の平凡な主婦と強盗との接点を、誰にでも日常的に起こり得る恐怖と描く心理サスペンス「赤い殺意」。貧しく不幸に生まれ、ただ一筋に男に尽くすしかない可愛い女を浮き彫りにする直木賞受賞「罪な女」。精細な心理描写の丹念な積み重ねと、定評のある女の情感描写の双方が響き合って、人間の哀しさと人間愛へと収斂されていく長短編の代表作を収録。

 

第26回 1951年 下半期

久生十蘭 「鈴木主水」

 

柴田錬三郎 「イエスの裔」

 

第25回 1951年 上半期

源氏鶏太 「英語屋さん・その他」
入社10年の風間京太は、気難しい社長の出張に随行を命じられた。お眼鏡に適えば、大出世。機嫌を損ねたら、お先真っ暗。社長は現地にいる元愛人との逢瀬を企んでいるが、夫人からは二人の密会を阻止せよ、と厳命されており……。風間の選択は!?(「随行さん」)ほか、サラリーマンの哀歓を描く全10編。不条理な職場や理不尽な上司に喘ぐ、若い読者こそ必読。働き方のヒントは、昭和の名作にあった!

 

第24回 1950年 下半期

檀一雄 「真説石川五右衛門・長恨歌」
世は戦国も末。怪童の名は五郎市五右衛門。顔の造作、手足のすべてが世間並の倍、眸は世にも稀な双瞳・車輪眼。ひとり、天狗のように野を駆けて獣を追い、河童のように水を潜って魚を獲る。経文を諳んじ、老荘に親しむ。だが身裡に滾る激情の正体はいったい何か!?鎮める術を知らず。「富も権勢も、神の名を借りた“愛”も、人の世の虚飾を剥ぎ盗ってみせる!」大盗五右衛門の生涯を活写する時代長篇。

 

第23回 1950年 上半期

小山いと子 「執行猶予」

 

今日出海 「天皇の帽子」

 

第22回 1949年 下半期

山田克郎 「海の廃園」

 

第21回 1949年 上半期

富田常雄 「面・刺青」
アメリカでのボクシング対柔道の試合。日本の名誉を賭けて戦うが勝算はあるのか「転がり試合」。かつての伯爵で元勲だった老人が若い女を囲っていたが彼女には恋人があった「面」。若い女の刺青に魅せられた男が夢中になったのは……「刺青」。短編三本を収録

 

 第20回 1944年 下半期

なし

第19回 1944年 上半期

岡田誠三 「ニューギニヤ山岳戦」

 

第18回 1943年 下半期

森荘已池 「山畠・蛾と笹舟」

 

第17回 1943年 上半期

なし

 

第16回 1942年 下半期

神崎武雄 「寛容・その他」
英領下にあるインド人が、自らの日本観を新たにする経緯を書く。インド独立を夢見るドミイは、日本で商い、家庭を構え、根付きながらも「笑ふ人種」の日本人を軽んじている。「不良英人」として国外退去処分になっても、さしたるショックはなかった。
しかし、日中戦争の勃発を機にドミイは、日本人がいざとなればひどく勇猛であること、自分の侮ってきた日本人の甘さが、実は日本の「寛容」であったことを知る。表紙絵の人物はおそらくドミイなのだろう。当時イメージされた「南」の人の典型的な表象だ。ドミイは初め着物を嫌っていた。しかし「日本が恋しくて堪らな」くなった彼は、身の丈に合わない着物をまとい、日の丸を手にする。

 

田岡典夫 「強情いちご・その他」

 

第15回 1942年 上半期

なし

 

第14回 1941年 下半期

なし

 

第13回 1941年 上半期

木村荘十 「雲南守備兵」

 

第12回 1940年 下半期

村上元三 「上総風土記・その他」

 

第11回 1940年 上半期

河内仙介 「軍事郵便」
戦争中における、戦場から家族のもとへ日本人兵士が送った手紙。

 

第11回 1940年 上半期

堤千代 「小指・その他」
とある理由で両腕を切断してしまう軍人の元へ慰問に訪れた芸者。「自分の両腕を切ってしまう前に一度でいい、生れて初めて、そして最後にこの手で女の人の手にさわって見たい」と言われ…。

 

第10回 1939年 下半期

なし

第9回 1939年 上半期

なし

第8回 1938年 下半期

大池唯雄 「兜首・秋田口の兄弟」

 

第7回 1938年 上半期

橘外男 「ナリン殿下への回想」

 

第6回 1937年 下半期

井伏鱒二 「ジョン萬次郎漂流記・その他」
都を落ちのびて瀬戸内海を転戦する平家一門の衰亡を、戦陣にあって心身ともに成長して行くなま若い公達の日記形式で描出した「さざなみ軍記」。土佐沖で遭難後、異人船に救助され、アメリカ本土で新知識を身につけて幕末の日米交渉に活躍する少年漁夫の数奇な生涯「ジョン万次郎漂流記」。他にSFタイムスリップ小説の先駆とも言うべき「二つの話」を収める著者会心の歴史名作集。

 

第5回 1937年 上半期

なし

第4回 1936年 下半期

木々高太郎 「人生の阿呆」
比良カシウにはいっていたと思われるストリキニーネのために死者が出、比良家は家宅捜査を受けた。その時、物置小屋から無産党の弁護士の射殺体が発見される。そして、殺害時と目される日に、社長の息子良吉は、モスクワへ向けて旅立っていた……。直木賞を受賞し、著者の作家的地位を確立した作品を、初版の体裁を復元して愛好家に贈る。

 

第3回 1936年 上半期

海音寺潮五郎 「天正女合戦・武道傳來記」

 

第2回 1935年 下半期

鷲尾雨工 「吉野朝太平記」
「美しゅうなったの」と会釈をすませた敷妙に虎夜叉(楠正儀)は言った。「そなたの苦労は察しておる…」正儀の愛人・敷妙は足利尊氏の庶子・直冬の愛妾となり、高師直と対立させ足利方の乱れを誘う。楠正成亡き後、南朝の中心となり戦う兄・正行とは性格を異にする正儀は変節漢で謎に包まれた人物。その正儀を中心に動乱にうずまく南北朝を豊かな構想のもとに描いた歴史大作。

 

第1回 1935年 上半期

川口松太郎 「鶴八鶴次郎・風流深川唄 その他」
鶴賀鶴八と鶴次郎は女の三味線弾きに男の太夫と珍しい組み合わせの新内語り。若手ながらイキの合った芸で名人と言われる。内心では愛し合う二人だが、一徹な性格故に喧嘩が多く、晴れて結ばれる直前に別れてしまう。裕福な会席料理屋に嫁いだ鶴八と、人気を失い転落する鶴次郎。三年後再会した二人の行く末を描く表題作に、『風流深川唄』など三編収録の傑作集。

 

過去の受賞作

過去の直木賞

過去の芥川賞

 

過去の新井賞



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Posted by 綾糸