直木賞受賞作品まとめ(5)-第101~120回-1989~1998年(説明文付)

2019-03-28文学賞直木賞

直木賞受賞作品まとめ(5)-第101~120回-1989~1998年(説明文付)

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全作品一覧は以下をご覧ください。

 

第120回 1998年 下半期

宮部みゆき 「理由」
東京都荒川区の超高層マンションで起きた凄惨な殺人事件。殺されたのは「誰」で「誰」が殺人者だったのか。そもそも事件はなぜ起こったのか。事件の前には何があり、後には何が残ったのか。ノンフィクションの手法を使って心の闇を抉る宮部みゆきの最高傑作がついに文庫化。

 

第119回 1998年 上半期

車谷長吉 「赤目四十八瀧心中未遂」
アパートの一室で、「私」は来る日も来る日も、モツを串に刺し続けた。尼ヶ崎のはずれにある、吹き溜まりの町。向いの部屋に住む女「アヤちゃん」の背中一面には、迦陵頻伽の刺青があった。ある日、女は私の部屋の戸を開けた。「うちを連れて逃げてッ」―ー。二人の逃避行が始まる。
救いのない人間の業と情念。圧倒的な小説作りの巧みさと見事な文章で、底辺に住む人々の姿を描き切った傑作。異色の私小説作家・車谷長吉の代表作。

 

第118回 1997年 下半期

なし

第117回 1997年 上半期

浅田次郎 「鉄道員(ぽっぽや)」
娘を亡くした日も、妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた―。心を揺さぶる“やさしい奇蹟”の物語…表題作はじめ、「ラブ・レター」「角筈にて」など8編収録。

 

篠田節子 「女たちのジハード」
保険会社に勤める異なるタイプの女性たち。結婚、仕事、生き方に迷い、挫折を経験しながらも、たくましく幸せを求めてゆく。現代OL道を生き生きと描く。

 

第116回 1996年 下半期

坂東眞砂子 「山妣」
業深き男と女に荒れ狂う魔物。山妣伝説の扉が開かれた-。明治末期、越後の豪雪地帯を舞台に、旅芸人、遊女、又鬼、瞽女、山師らが織りなす凄絶な愛憎劇を濃密に描いた書き下ろし長編。

 

第115回 1996年 上半期

乃南アサ 「凍える牙」
深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した! 遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか? 野獣との対決の時が次第に近づいていた――。女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めた直木賞受賞の超ベストセラー。

 

第114回 1995年 下半期

藤原伊織 「テロリストのパラソル」
新宿に店を構えるバーテンの島村。ある日、島村の目の前で犠牲者19人の爆弾テロが起こる。現場から逃げ出した島村だったが、その時置き忘れてきたウイスキー瓶には、彼の指紋がくっきりと残されていた……。

 

小池真理子 「恋」
1972年冬。全国を震撼させた浅間山荘事件の蔭で、一人の女が引き起こした発砲事件。当時学生だった布美子は、大学助教授・片瀬と妻の雛子との奔放な結びつきに惹かれ、倒錯した関係に陥っていく。が、一人の青年の出現によって生じた軋みが三人の微妙な均衡に悲劇をもたらした……。全編を覆う官能と虚無感。その奥底に漂う静謐な熱情を綴り、小池文学の頂点を極めた直木賞受賞作。

 

第113回 1995年 上半期

赤瀬川隼 「白球残映」
四国の球場で目撃したのは突如、球界を去った名投手。元記者は謎を追って……。野球と女性への限りない憧憬を描く直木賞受賞作

 

第112回 1994年 下半期

なし

第111回 1994年 上半期

中村彰彦 「二つの山河」
かれらも祖国のために戦ったのだから―。
大正初め、第一次大戦でドイツに宣戦布告した日本は、中国大陸で多数のドイツ人を俘虜とし、日本に送った。多くの収容所は過密で環境は劣悪だった。そんな中、徳島の板東収容所では例のない寛容な処遇がなされた。ドイツ人俘虜によるオーケストラを結成。日本人将兵・市民とドイツ人俘虜との交歓を実現した。板東収容所の所長、真のサムライと讃えられた会津人・松江豊寿。なぜ彼は陸軍の上層部に逆らっても信念を貫いたのか。そこには、国のために戦ったにもかかわらず明治にあって辛苦をなめた会津出身者としての思いがあった。

 

海老沢泰久 「帰郷」
故郷の町の自動車エンジン工場からF1チームのメンバーに選ばれた男の充実した人生、そして三年間の出向を終えて帰郷後の脱力感を描く、第百十一回直木賞受賞作。(田辺聖子)

 

第110回 1993年 下半期

佐藤雅美 「恵比寿屋喜兵衛手控え」
争いは世の常、人の常。江戸の世で、その争いの相談所が恵比寿屋のような公事宿だ。ある日、若者が恵比寿屋を訪れ、兄が知らぬ男に金を返せと訴えられたと相談した。喜兵衛は怪しい臭いを感じとる。事件の真相は如何に? 江戸の街に生きる市井の人々を、愛情込めて描く長編時代小説。

 

大沢在昌 「新宿鮫 無間人形」
手軽でお洒落。若者たちの間で流行っている薬「アイスキャンディ」の正体は覚せい剤だった。密売ルートを追う鮫島は、藤野組の角を炙り出す。さらに麻薬取締官の塔下から、地方財閥・香川家の関わりを知らされる。薬の独占を狙う角、香川昇・進兄弟の野望…。薬の利権を巡る争いは、鮫島の恋人・晶まで巻き込んだ。鮫島は晶を救えるか!?直木賞受賞の感動巨編!長編刑事小説。

 

第109回 1993年 上半期

北原亞以子 「恋忘れ草」
女浄瑠璃、手習いの師匠、料理屋の女将など江戸の町を彩るキャリアウーマンたちの心模様を描く直木賞受賞作。「恋風」「男の八分」「後姿」「恋知らず」「恋忘れ草」他一篇収録。(藤田昌司)

 

高村薫 「マークスの山」
「俺は今日からマークスだ! マークス!いい名前だろう!」――
精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークス。南アルプスで播かれた犯罪の種子は16年後発芽し、東京で連続殺人事件として開花した。被害者たちにつながりはあるのか?
姿なき殺人犯を警視庁捜査第1課第7係の合田雄一郎刑事が追う。

 

第108回 1992年 下半期

出久根達郎 「佃島ふたり書房」
佃の渡しが消えた東京五輪の年、男は佃島の古書店「ふたり書房」を立ち去った―大逆事件の明治末から高度成長で大変貌をとげる昭和39年まで移ろいゆく東京の下町を背景に庶民の哀歓を描く感動長篇。生年月日がまったく同じ二人の少年が奉公先で知り合い、男の友情を育んでいく。

 

第107回 1992年 上半期

伊集院静 「受け月」
人が他人のために祈る時、どうすれば通じるのだろうか。表題作ほか、選考委員の激賞を受けた「切子皿」など大人のための小説七篇

 

第106回 1991年 下半期

高橋義夫 「狼奉行」
出羽の雪深き山里に赴任した青年は深い失意の日々を送るが、策略をかわし苦難に耐え、逞しい武士に変貌を遂げていく。感動と共感の直木賞作品。「厦門心中」「小姓町の噂」併録。(赤木駿介)

 

高橋克彦 「緋い記憶」
思い出の家が見つからない。同窓会のため久しぶりに郷里を訪ねた主人公の隠された過去とは……。表題作等、もつれた記憶の糸が紡ぎ出す幻想の世界、七篇。

 

第105回 1991年 上半期

宮城谷昌光 「夏姫春秋」
鄭の美しい公女への、乱世の英雄たちの愛執。
中原の小国鄭(てい)は、超大国晋と楚の間で、絶えず翻弄されていた。鄭宮室の絶世の美少女夏姫は、兄の妖艶な恋人であったが、孤立を恐れた鄭公によって、陳の公族に嫁がされた。「力」が全てを制した争乱の世、妖しい美女夏姫を渇望した男たちは次々と……。壮大なスケールの中国ロマン、直木賞受賞作。全2巻。

 

芦原すなお 「青春デンデケデケデケ」
1965年の春休み、ラジオから流れるベンチャーズのギターがぼくを変えた。“やーっぱりロックでなけらいかん”―。四国の田舎町の高校生たちがくりひろげる抱腹絶倒、元気印の、ロックと友情と恋の物語。青春バンド小説決定版。

 

第104回 1990年 下半期

古川薫 「漂泊者のアリア」
下関の琵琶芸者とスコットランド人貿易商の混血児としての愛と真実。“歌に生き恋に生き”た世界的なオペラ歌手藤原義江の波瀾の生涯。

 

第103回 1990年 上半期

泡坂妻夫 「蔭桔梗」
紋章上絵師の章次のもとに、かつて心を寄せあっていた女性から、二十年前と同じ蔭桔梗の紋入れの依頼があった。その時は事情があって下職に回してしまったのだが、それは彼女が密かな願いをかけて託した紋入れだった…。微妙な愛のすれ違いを描き直木賞受賞作となった表題作「蔭桔梗」。下町の職人世界と大人の男女の機微をしっとりと描いた11編の作品を収録した珠玉の短編集。

 

第102回 1989年 下半期

星川清司 「小伝抄」
おとこ狂いの浄瑠璃語りにかなわぬ想いをよせる醜い船頭の哀切な物語。江戸情緒ゆたかな驚異の語り口で直木賞を受賞した表題作と、世話物語の佳品「憂世まんだら」を収める話題作!

 

原 尞 「私が殺した少女」
まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。私立探偵沢崎の事務所に電話をしてきた依頼人は、面会場所に目白の自宅を指定していた。沢崎はブルーバードを走らせ、依頼人の邸宅へ向かう。だが、そこで彼は、自分が思いもかけぬ誘拐事件に巻き込まれていることを知る…緻密なストーリー展開と強烈なサスペンスで独自のハードボイルド世界を確立し、日本の読書界を瞠目させた直木賞・ファルコン賞受賞作。

 

第101回 1989年 上半期

ねじめ正一 「高円寺純情商店街」
高円寺駅北口「純情商店街」。魚屋や呉服屋、金物店などが軒を並べる賑やかな通りである。正一少年は商店街の中でも「削りがつをと言えば江州屋」と評判をとる乾物屋の一人息子だった――感受性豊かな一人の少年の瞳に映った父や母、商店街に暮らす人々のあり様を丹念に描き「かつてあったかもしれない東京」の佇まいを浮かび上がらせたハートウォーミングな物語。

 

笹倉明 「遠い国からの殺人者」
「男の人が倒れている」一一〇番通報の女の声には妙ななまりがあった――。裁判を通じて明らかにされる経済大国の底辺に生きる女たちの真摯な姿。感動の直木賞受賞作。(石和鷹)

 

過去の受賞作

過去の直木賞

過去の芥川賞

 

過去の新井賞



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Posted by 綾糸