直木賞受賞作品まとめ(6)-第121~140回-1999~2008年(説明文付)

2019-03-28文学賞直木賞

直木賞受賞作品まとめ(6)-第121~140回-1999~2008年(説明文付)

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全作品一覧は以下をご覧ください。

 

第140回 2008年 下半期

山本兼一 「利休にたずねよ」
女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭に昇り詰めていく。刀の抜き身のごとき鋭さを持つ利休は、秀吉の参謀としても、その力を如何なく発揮し、秀吉の天下取りを後押し。しかしその鋭さゆえに秀吉に疎まれ、理不尽な罪状を突きつけられて切腹を命ぜられる。利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出したものとは何だったのか。また、利休の「茶の道」を異界へと導いた、若き日の恋とは…。「侘び茶」を完成させ、「茶聖」と崇められている千利休。その伝説のベールを、思いがけない手法で剥がしていく長編歴史小説。

 

天童荒太 「悼む人」
全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。彼を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられる

 

第139回 2008年 上半期

井上荒野 「切羽(きりは)へ」
かつて炭鉱で栄えた離島で、小学校の養護教諭であるセイは、画家の夫と暮らしている。奔放な同僚の女教師、島の主のような老婆、無邪気な子供たち。平穏で満ち足りた日々。ある日新任教師として赴任してきた石和の存在が、セイの心を揺さぶる。彼に惹かれていく──夫を愛しているのに。もうその先がない「切羽」へ向かって。直木賞を受賞した繊細で官能的な大人のための恋愛長編。

 

第138回 2007年 下半期

桜庭一樹 「私の男」
落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった10歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から2人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた親子が超えた禁忌を圧倒的な筆力で描く。
浅野忠信、二階堂ふみ主演で映画化。

 

第137回 2007年 上半期

松井今朝子 「吉原手引草」
廓遊びを知り尽くしたお大尽を相手に一歩も引かず、本気にさせた若き花魁葛城。十年に一度、五丁町一を謳われ全盛を誇ったそのとき、葛城の姿が忽然と消えた。一体何が起こったのか?失踪事件の謎を追いながら、吉原そのものを鮮やかに描き出した時代ミステリーの傑作。

 

第136回 2006年 下半期

なし

第135回 2006年 上半期

森絵都 「風に舞いあがるビニールシート」
自分だけの価値観を守って、お金よりも大事な何かのために懸命に努力し、近づこうと頑張って生きる人たちの1日を描いた短篇集

 

三浦しをん 「まほろ駅前多田便利軒」
まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦が転がり込み、二人は様々な依頼に精を出す。ペット預かりに塾の送迎、納屋の整理……ありふれた依頼のはずが、このコンビにかかると何故かきな臭い状況に。
予言する曽根田のばあちゃん、駅裏で夜の仕事をするルルとハイシー、小学生の由良、バスを監視する岡老人……個性的な依頼人たちが登場し、抱腹絶倒かつ心温まるストーリーを展開。そんな中、多田と行天の過去が次第に明らかになり、二人の抱えるものと生き方が、読者の心に突き刺さる!

 

第134回 2005年 下半期

東野圭吾 「容疑者Xの献身」
運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。 東野圭吾作品読者人気ランキング第1位。累計220万部突破の大ベストセラー。
天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘の美里と暮らす隣人の花岡靖子に秘かな想いを寄せていた。 ある日、靖子の前夫・富樫が母娘の居場所を突き止めて訪ねてきた。金を無心し、暴力をふるう富樫を、靖子と美里は殺してしまう。 呆然とする二人を救うために、石神は完全犯罪を企てる。 だが皮肉にも、石神と帝都大学の同期であり、親友である物理学者の湯川学がその謎に挑むことになる。
ガリレオシリーズ初の長編。第134回直木賞受賞作。第6回本格ミステリ大賞受賞。2005年度の国内の主要ミステリランキング「本格ミステリ・ベスト10」「このミステリーがすごい! 」「週刊文春ミステリベスト10」すべてにおいて1位獲得、エドガー賞(MWA主催)候補作にもなった。日本では福山雅治主演で映画化、韓国、中国でも映画化。舞台化もされた。

 

第133回 2005年 上半期

朱川湊人 「花まんま」
大事にしてきたたった一人の可愛い妹が、突然誰かの生まれ変わりと言い出す表題作のほか、5篇を含む。

 

第132回 2004年 下半期

角田光代 「対岸の彼女」
結婚する女、しない女。子供を持つ女、持たない女。それだけのことで、どうして女どうし、わかりあえなくなるんだろう。ベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めた専業主婦の小夜子。二人の出会いと友情は、些細なことから亀裂を生じていくが……。多様化した現代を生きる女性の姿を描く感動の傑作長篇。第132回直木賞受賞作。 夏川結衣、財前直見が主演、堺雅人、根岸季衣、木村多江、香川照之、国分佐智子、多部未華子の豪華スタッフが共演したWOWOWのドラマは、平成18年度芸術祭テレビ部門(ドラマの部)優秀賞を受賞した。

 

第131回 2004年 上半期

熊谷達也 「邂逅の森」
秋田の貧農の家に生まれた冨治。マタギとなり獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。直木賞の感動巨篇!

 

奥田英朗 「空中ブランコ」
伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が…。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?
直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。

 

第130回 2003年 下半期

京極夏彦 「後巷説百物語」
御行の又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平ら小悪党たちの暗躍を描いた人気シリーズの第3弾。幕末を舞台とした先の2作とは異なり、時代は明治へと移り変わっている。年老いた主人公、山岡百介が、数十年前に又市らによって仕組まれた事件を振り返るという趣向だ。奇怪なしきたりに縛られた孤島、死人が放つ怪火、不死の蛇、人へと変化する青鷺など、著者が得意とする妖怪を題材にした6編が収録されている。

 

江國香織 「号泣する準備はできていた」
私はたぶん泣きだすべきだったのだ。身も心もみちたりていた恋が終わり、淋しさのあまりねじ切れてしまいそうだったのだから――。濃密な恋がそこなわれていく悲しみを描く表題作のほか、17歳のほろ苦い初デートの思い出を綴った「じゃこじゃこのビスケット」など全12篇。号泣するほどの悲しみが不意におとずれても、きっと大丈夫、切り抜けられる……。そう囁いてくれる直木賞受賞短篇集。

 

第129回 2003年 上半期

村山由佳 「星々の舟」
家族だからさびしい。他人だからせつない──禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末っ子、居場所を探す団塊世代の長兄と、いじめの過去から脱却できないその娘。厳格な父は戦争の傷痕を抱いて──平凡な家庭像を保ちながらも、突然訪れる残酷な破綻。性別、世代、価値観のちがう人間同士が、夜空の星々のようにそれぞれ瞬き、輝きながら「家」というひとつの舟に乗り、時の海を渡っていく。愛とは、家族とはなにか。03年直木賞受賞の、心ふるえる感動の物語。

 

石田衣良 「4TEEN フォーティーン」
東京湾に浮かぶ月島。ぼくらは今日も自転車で、風よりも早くこの街を駆け抜ける。ナオト、ダイ、ジュン、テツロー、中学2年の同級生4人組。それぞれ悩みはあるけれど、一緒ならどこまでも行ける、もしかしたら空だって飛べるかもしれない――。友情、恋、性、暴力、病気、死。出会ったすべてを精一杯に受けとめて成長してゆく14歳の少年達を描いた爽快青春ストーリー。

 

第128回 2002年 下半期

なし

第127回 2002年 上半期

乙川優三郎 「生きる」
亡き藩主への忠誠を示す「追腹」を禁じられ、生き続けざるを得ない初老の武士・又右衛門。周囲の冷たい視線、嫁いだ娘からの義絶、そして息子の決意の行動ーー。惑乱と懊悩の果て、失意の底から立ち上がる人間の強さを格調高く描いて感動を呼んだ「生きる」
生涯でもっとも幸せだった親子で川岸で過ごした記憶。どんな境遇にあっても人としての誇りを忘れなかった、深川の女の遺志を受け継いだ童女の言葉にかつての無頼青年・織之助が感じた衝撃。涙を禁じえない「安穏河原」
隠居暮らしの喜蔵が、若い頃出世のために捨てた女が果たして幸せでいるか案じ、再会する「早梅記」。」
人が「生きる」ことの意味を問いかける珠玉の中篇集。

 

第126回 2001年 下半期

唯川恵 「肩ごしの恋人」
等身大の女性を描く、第126回直木賞受賞作。
女であることを最大の武器に生きる「るり子」と、恋にのめりこむことが怖い「萌」。対照的なふたりの生き方を通して模索する女の幸せ探し、新しい家族のあり方を描く。(解説・江國香織)

 

山本一力 「あかね空」
希望を胸に身一つで上方から江戸へ下った豆腐職人の永吉。己の技量一筋に生きる永吉を支えるおふみ。やがて夫婦となった二人は、京と江戸との味覚の違いに悩みながらもやっと表通りに店を構える。明るく気丈なおふみの支えで、様々な困難を乗り越えながら、なんとか光が差してきた。やがて、ふたりは三人の子に恵まれる。あるときから、おふみはなぜか長男の栄太郎ばかりを可愛がるようになる。そして、一家にやがて暗い影が・・・。親子二代にわたって人情の機微を描ききった、第126回直木賞受賞の傑作時代小説。2007年、浜本正機監督で映画化。主演で永吉役の内野聖陽は後半、物語の鍵を握る傳蔵役も演じる一人二役。おふみ役は中谷美紀。

 

第125回 2001年 上半期

藤田宜永 「愛の領分」
妻に先立たれ、一人息子を育てながら静かに仕立て屋を営む中年の男。28年ぶりに突然現れた、かつての親友。その妻で、むかし男が恋焦がれた女。そして35年ぶりに訪れた故郷で出会い、男が年齢差を超えて魅かれる絵描きの女。度重なる再会が、互いのあやうい過去を明らかにしていく。許したいけど許せない、忘れたくても忘れられないことが4人には多すぎた……。大人の男女の愛憎、心の陰影を妖しく描いた直木賞受賞作。母親への想いを綴った、自伝エッセイも収録。

 

第124回 2000年 下半期

山本文緒 「プラナリア」
どうして私はこんなにひねくれているんだろう―。乳がんの手術以来、何もかも面倒くさく「社会復帰」に興味が持てない25歳の春香。恋人の神経を逆撫でし、親に八つ当たりをし、バイトを無断欠勤する自分に疲れ果てるが、出口は見えない。現代の“無職”をめぐる心模様を描いて共感を呼んだベストセラー短編集。

 

重松清 「ビタミンF」
38歳、いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学一年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、「離婚してもいいけど」、妻が最近そう呟いた……。一時の輝きを失い、人生の“中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。「また、がんばってみるか——」、心の内で、こっそり呟きたくなる短編七編。

 

第123回 2000年 上半期

船戸与一 「虹の谷の五月」
トシオ・マナハン、13歳。フィリピン、セブ島のガルソボンガ地区に祖父と住み、闘鶏用の軍鶏を育てる日々だった。奥地の「虹の谷」には元新人民軍のゲリラ、ホセ・マンガハスがひとり住みついて闘い続けている。そこへ行く道はトシオしか知らない。日本から戻ってきたクイーンを谷に案内したことから、トシオはゲリラたちの内紛に巻きこまれていく。直木賞受賞の壮大な少年の成長物語。

 

金城一紀 「GO」
僕はアッケなく恋に落ちた。彼女はムチャクチャ可愛らしい日本人だった。Non‐Stop、既視感Zero、新時代の扉をケリとばす革命的“在日”ポップ・ノベルの大傑作。サビついた神話は過去のもの。瑞々しいエッジで「いま」を切り開く新鋭、爽快にデビュー!

 

第122回 1999年 下半期

なかにし礼 「長崎ぶらぶら節」
長崎・丸山遊里の芸者愛八が初めて本当の恋をしたのは、長崎学の確立を目指す研究者・古賀十二郎だった。「な、おいと一緒に、長崎の古か歌ば探して歩かんね」。古賀の破産を契機に長崎の古い歌を求めて苦難の道を歩み始める二人と、忘れられた名曲「長崎ぶらぶら節」との出会い。そして、父親のいない貧しい少女・お雪をはじめ人々に捧げた愛八の無償の愛を描いた、第122回直木賞受賞作。

 

第121回 1999年 上半期

桐野夏生 「柔らかな頬」
私は子供を捨ててもいいと思ったことがある。
5歳の娘が失踪した。夫も愛人も私を救えない。
絶望すら求める地獄をどう生き抜くか。「現代の神隠し」と言われた謎の別荘地幼児失踪事件。
姦通。
誰にも言えない罪が初めにあった。娘の失踪は母親への罰なのか。4年後、ガン宣告を受けた元刑事が再捜査を申し出る。
34歳、余命半年。死ぬまでに、男の想像力は真実に到達できるか。

 

佐藤賢一 「王妃の離婚」
1498年フランス。時の王ルイ12世が王妃ジャンヌに対して起こした離婚訴訟は、王の思惑通りに進むかと思われた。が、零落した中年弁護士フランソワは裁判のあまりの不正に憤り、ついに窮地の王妃の弁護に立ち上がる。かつてパリ大学法学部にその人ありと謳われた青春を取り戻すために。正義と誇りと、そして愛のために。手に汗握る中世版法廷サスペンス。第121回直木賞受賞の傑作西洋歴史小説。

 

 

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Posted by 綾糸