谷崎潤一郎賞とは?第1~30回 1965~1994年・受賞作品のすべて

第31回(1995年)~現在までの受賞作品は以下をご覧ください。

谷崎潤一郎賞・第31(1995年)~現在までの受賞作品のすべて
谷崎潤一郎賞とは 発表:8~9月 中央公論社が1965年の創業80周年を機に、作家谷崎潤一郎にちなんで設けた文学賞である。中央公論新人賞(1956年開始)を発展解消させる形で開始された(なお、中央公論新人賞は1975年に復活し20年間続いた...

 


 

目次

谷崎潤一郎賞とは

発表:8~9月

中央公論社が1965年の創業80周年を機に、作家谷崎潤一郎にちなんで設けた文学賞である。中央公論新人賞(1956年開始)を発展解消させる形で開始された(なお、中央公論新人賞は1975年に復活し20年間続いた)。

時代を代表する優れた小説・戯曲を対象とし、発表は年1回、受賞作発表と選評の掲載は『中央公論』誌上で行われる。受賞は選考委員の合議によって決定される。 (ウィキペディアより)

主催:中央公論社

谷崎潤一郎(ウィキペディア)
生年月日:1886年7月24日
活動期間:1910年 – 1965年(79歳没)

 

出典:ウィキペディア中央公論社

 

第30回(1994年)

辻井喬/虹の岬

トップの座を目前に住友を去った著名な経済人にして一代の歌人川田順と、短歌の弟子である若き京大教授夫人の灼熱の恋…。戦後の日本を背景に、二人の恋の道程を、繊細に、端正に、香り高く描く、昭和を代表する愛の物語。第三十回谷崎潤一郎賞受賞作。
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第29回(1993年)

池澤夏樹/マシアス・ギリの失脚

のどかな南洋の島国の独裁者を、島人たちの噂でも巫女の霊力でもない不思議な力が包み込む。物語に浸る楽しみに満ちた傑作長編。
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第28回(1992年)

瀬戸内寂聴/花に問え

絶対の孤独と漂泊に生きた“捨聖”(すてひじり)一遍上人と、彼に終生つき従った尼僧の超一――『一遍聖絵』に描かれた彼らの姿と内なる対話を繰り返しながら、無限の自由を求めてさまよう、京都の老舗旅館の女将・美緒の心の旅。谷崎潤一郎賞受賞作。
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第27回(1991年)

井上ひさし/シャンハイムーン(戯曲)

日本を心底憎みながら、日本人を心から愛した魯迅。これは蒋介石の国民党に狙われた魯迅とその妻と、彼の臨終に立ち合った4人の日本人の滑稽な、しかしなかなか感動的な物語。第27回谷崎潤一郎賞受賞作。
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第26回(1990年)

林 京子/やすらかに今はねむり給え

昭和二十年、長崎の兵器工場動員で奪われた女学生達の青春。やがて作られた報告書には「不明」の文字がならんでいた。消えてしまった「生」の記録を日記・資料を基に綿密に綴った事実の被爆体験。無数の嘆きと理不尽さ。その年の五月から原爆投下の八月九日までの日々を、忘れないように、繰り返さないように、という鎮魂の願い。林京子の原点でもある谷崎潤一郎賞受賞作。他「道」を収録。
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第25回(1989年)

なし

 

第24回(1988年)

なし

 

第23回(1987年)

筒井康隆/夢の木坂分岐点

サラリーマンか作家か? 夢と虚構と現実を自在に流転し、一人の人間に与えられた、ありうべき幾つもの生を重層的に描いた話題作。
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第22回(1986年)

日野啓三/砂丘が動くように

海沿いの砂丘のある町にやってきたルポライターの男が、少年に誘われ迷い込んでゆく奇妙な町の夜と昼の光景。超能力を持つ少年と盲目のその姉。女装する美しい若者。夜の闇に異常発生する正体不明の無数の小動物キンチ。刻々に変化して砂防林にも拘らず死滅へと向かう砂丘。現代人の意識の変容を砂丘の物質のイメージに托しつつ未来宇宙への甦りを象徴させる。
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第21回(1985年)

村上春樹/世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

高い壁に囲まれ、外界との接触がまるでない街で、そこに住む一角獣たちの頭骨から夢を読んで暮らす〈僕〉の物語、〔世界の終り〕。老科学者により意識の核に或る思考回路を組み込まれた〈私〉が、その回路に隠された秘密を巡って活躍する〔ハードボイルド・ワンダーランド〕。静寂な幻想世界と波瀾万丈の冒険活劇の二つの物語が同時進行して織りなす、村上春樹の不思議の国。
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第20回(1984年)

黒井千次/群棲

向う三軒両隣ならぬ“向う二軒片隣”の四軒の家を舞台とし、現代の近郊の都市居住者の流れ出した日常を鋭く鮮かに描き出す。著者の最高傑作と評され、谷崎潤一郎賞も受賞した“現代文学”の秀作。
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高井有一/この国の空

戦争末期の東京―空襲に怯え、明日をもしれぬ不安な日々を過ごす十九歳の里子。母と伯母と杉並の家に暮らす彼女の前に、妻子を疎開させた隣人・市毛が現れる。切迫する時代の空の下、身の回りの世話をするうち、里子と市毛はやがて密やかに結ばれるが…。戦時を生きる市井の人々の日常と一人の女性の成長を、端正な筆致で描き上げた長編文学作品。谷崎潤一郎賞受賞作。
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第19回(1983年)

古井由吉/槿(あさがお)

男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子(よしこ)。20年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う(たゆたう)國子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。
濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。
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第18回(1982年)

大庭みな子/寂兮寥兮(かたちもなく)

夢と現実、太古と現代の境いを超えて、幽冥の宇宙をただよいさ迷う女と男…。寄る返ない悲しみを抱えながら、いまを生きる女の半生の性を「古事記」「老子」の世界を通して、生きとし生けるものの根源的な寂寥に重ね映す著者の代表作。
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第17回(1981年)

深沢七郎/みちのくの人形たち

お産が近づくと屏風を借りにくる村人たち、両腕のない仏さまと人形―奇習と宿業の中に生の暗闇を描いて世評高い表題作をはじめ名作七篇を収録する。
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後藤明生/吉野大夫

二百年前の遊女・吉野大夫の伝説にひかれて墓をさがす「わたし」…。信濃追分の風土を背景に絶妙な語りの世界を構築する本格的実験小説。
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第16回(1980年)

河野多惠子/一年の牧歌

特異な病気のために異性との交渉を禁じられた独身女性の牧歌的日常を描く
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第15回(1979年)

田中小実昌/ポロポロ

父の開いていた祈祷会では、みんなポロポロという言葉にならない祈りをさけんだり、つぶやいたりしていた??表題作「ポロポロ」の他、中国戦線での過酷な体験を描いた連作。
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第14回(1978年)

中村真一郎/夏

『四季』に続く連作の第2作目。(「四季」四部作=四季、夏、秋、冬)
1985年の「冬」では日本文学大賞受賞。
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第13回(1977年)

島尾敏雄/日の移ろい

心塞ぐ思いの日々。人びとをどこか拒否する心。ながく「私」にはりついていて、決して離れようとはしない、執拗な鬱。日記という形式で日常を追いながら、日日の出来事とそれを感受する心の戦き、あらがいのさまを微細に観察し、記録することで、最上の文学に熟成させた名作。
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第12回(1976年)

藤枝静男/田紳有楽

あくまで私小説に徹し、自己の真実を徹底して表現し、事実の奥底にある非現実の世界にまで探索を深め、人間の内面・外界の全域を含み込む、新境地を拓いた、“私”の求道者・藤枝静男の「私小説」を超えた独自世界。芸術選奨『空気頭』、谷崎賞『田紳有楽』両受賞作を収録。
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第11回(1975年)

水上勉/一休

権力に抗し、教団を捨て、地獄の地平で痛憤の詩をうたい、盲目の森女との愛に惑溺してはばからなかった一休のその破戒無慙な生涯と禅境を追跡した谷崎賞受賞に輝く伝記文学の最高峰。
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第10回(1974年)

臼井吉見/安曇野

新宿・中村屋の創立者、相馬愛蔵・黒光夫妻、木下尚江、荻原守衛、井口喜源治ら信州安曇野に結ばれた若い群像を中心に、明治から現代までの激動する社会、文化、思想をダイナミックに描く本格大河小説、5部作。第1部は、“新しい女”黒光と夫愛蔵らの溌刺とした動きを追いつつ、新文化創造の鋭気みなぎる明治30年代を活写する。著者年来の理想と情熱を傾注して成った代表作。激動の明治から昭和を描く本格的大河小説。

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第9回(1973年)

加賀乙彦/帰らざる夏

省治は、時代の要請や陸軍将校の従兄への憧れなどから100人に1人の難関を突破し陸軍幼年学校へ入学する。日々繰返される過酷な修練に耐え、皇国の不滅を信じ、鉄壁の軍国思想を培うが、敗戦。〈聖戦〉を信じた心は引裂かれ玉音放送を否定、大混乱の只中で〈義〉に殉じ自決。戦時下の特異な青春の苦悩を鮮烈に描いた力作長篇。
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第8回(1972年)

丸谷才一/たった一人の反乱

出向を拒否して通産省をとび出し、民間会社に就職した馬淵英介は、若いモデルと再婚する。殺人の刑期を終えた妻の祖母が同居し始めたことから、新家庭はとめどなく奇妙な方向へ傾き、ついに周囲の登場人物がそれぞれ勝手な「反乱」を企てるに到る。――現代的な都会の風俗を背景に、市民社会と個人の関係を知的ユーモアたっぷりに描いた、現代の名作。
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第7回(1971年)

野間宏/青年の環

舞台は日中戦争下の大阪.市役所に勤め部落更生事業に打ちこみつつ左翼運動に関係する矢花正行と,政治運動から脱落した友人大道出泉を対極の主人公として,政治関係や社会関係,友人・女性・家族関係等が細緻に描かれてゆく.全体小説をめざし,二十三年の歳月をかけて完成した八千枚の長篇.
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第6回(1970年)

埴谷雄高/闇のなかの黒い馬

夢についての九つの短篇。

ここに扱われているのは、私の古くからの主題である「存在」である。…この領域の模索は甚だ困難であるけれども、ひとたびのめりこめば、そこは汲めども尽きぬ興味の驚くべき深さをもっている広大な世界であって…。(あとがきより)
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吉行淳之介/暗室

屋根裏部屋に隠されて暮す兄妹、腹を上にして池の底に横たわる150匹のメダカ――脈絡なく繋げられた不気味な挿話から、作家中田と女たちとの危うい日常生活が鮮明に浮かび上る。性の様々な構図と官能の世界を描いて、性の本質を解剖し、深層の孤独を抽出した吉行文学の真骨頂。「暗い部屋」の扉の向こうに在るものは……。
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第5回(1969年)

円地文子/朱を奪うもの 他

朱を奪うもの、傷ある翼、虹と修羅 で三部作

朱の色を侵蝕する紫にも似た、女の成熟の秘密……。性のめざめから、冒険的恋愛の嵐たる青春をへて、見合い結婚の初夜にいたるひと筋の道程で、女の中に着実に形成されてゆく、妖しい美しさや恐ろしさを、あたかも肌に感じさせるかのように、明確な筆にとらえてゆく。冷然と凝視し、大胆で香り高い自伝的長編小説であり、発表されるや、ひときわ当時の文壇の注目を集めた作品。
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“生きて、飛ぶことを願った”ひとりの女の物語。

戦争にのめり込んでゆく時代を舞台に、一子の母となった主人公・宗像滋子の打算的な結婚生活の不幸――粗野な夫への憎悪と軽蔑、先輩作家との逢瀬を続けながらも、離婚にも踏み切れない理性と情念の相剋を描く。夫婦とは、家庭とは、愛とは、性とは何かを追求し、「傷のある翼をもった鳥のように生きて、飛ぶことを願った」円地文学の内奥に迫る力作。

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戦争を時代背景に青春期から女の自立を目指し、結婚、出産を経た主人公・宗像滋子の人生は子宮癌の発症とともに新たな局面を迎え、死への漠然たる恐怖が幼年期に抱えていた性欲と対をなすものと知るのであった。そして娘との確執が彼女をさらなる混乱へ―。
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第4回(1968年)

なし

 

第3回(1967年)

安部公房/友達 (戯曲)

平凡な男の部屋に闖入して来た9人の家族。善意に満ちた笑顔で隣人愛を唱え続ける彼らの真意とは? どす黒い笑いの中から他者との関係を暴き出す傑作「友達」〈改訂版〉(谷崎潤一郎賞受賞)。日常に潜む底知れぬ裂け目を三つの奇妙なエピソードで構成した「棒になった男」。激動の幕末を生きた人物の歴史的評価に新たな光を当てた「榎本武揚」。
斬新な感性で“現代”を鋭く照射する、著者の代表的戯曲3編を収録。
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大江健三郎/万延元年のフットボール

友人の死に導かれ夜明けの穴にうずくまる僕。地獄を所有し、安保闘争で傷ついた鷹四。障害児を出産した菜採子。苦渋に満ちた登場人物たちが、四国の谷間の村をさして軽快に出発した。万延元年の村の一揆をなぞるように、神話の森に暴動が起る。幕末から現代につなぐ民衆の心をみごとに形象化し、戦後世代の切実な体験と希求を結実させた画期的長篇。
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第2回(1966年)

遠藤周作/沈黙

島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制の厳しい日本に潜入したポルトガル人司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日本の思想的断絶など、キリスト信仰の根源的な問題を衝き、〈神の沈黙〉という永遠の主題に切実な問いを投げかける長編。
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第1回(1965年)

小島信夫/抱擁家族

妻の情事をきっかけに、家庭の崩壊は始まった。たて直しを計る健気な夫は、なす術もなく悲喜劇を繰り返し、次第に自己を喪失する。不気味に音もなく解けていく家族の絆。現実に潜む危うさの暗示。時代を超え現代に迫る問題作、「抱擁家族」とは何か。
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綾糸: 綾糸 主婦 1990年代、汎用機時代のエンジニア 趣味で長くやっていたweb制作は、未だにエディタでの手コーティング 現在は自宅でゆるりとweb制作やライターをしています