春馬くん自身が企画して実現した貴重なドラマ。重いテーマながら役作りの為にたくさんの努力をした渾身の作品である「僕のいた時間」の詳細です。
2013年の連ドラ「ラスト・シンデレラ」(民放の連続ドラマ史上記録的ヒット)と合わせて、第51回ギャラクシー賞 個人賞 受賞。
僕のいた時間
概要
放送日:2014/01~2014/03
フジテレビの連続ドラマ
“命の大切さ”とは?“生きる”とは?主演・三浦春馬が難病に立ち向かい、現代に生きる若者の気持ちをリアルに映しだす!!視聴者と共に考える等身大のドラマ『僕のいた時間』。
“笑って”“泣いて”“自分らしく”生きていく…漠然と生きていた若者が命のリミットを意識し、前向きに生きていく姿をハートウォーミングに描くヒューマンストーリー。生きる目的を漠然としか考えていなかった若者の澤田拓人が、自分の余命がわずかだと知り、残された人生を模索していく物語だ。今を生きる若者が難病に侵され、命のリミットを初めて意識した時、恋人とはどう向き合うのか?家族とはどう向き合うのか?未来ある主人公・澤田拓人は、自分の病気とどう向き合っていくのか?
以下から動画配信サービスでも見られます。
DVD・Blue-Ray
発売日 : 2014/7/9 出演 : 三浦春馬, 多部未華子, 斎藤工, 風間俊介, 山本美月 Amazonで探す |
スタッフ・主題歌
脚本:橋部敦子
音楽 – 出羽良彰、やまだ豊
演出:葉山裕記、城宝秀則、八十島美也子
主題歌:Rihwa「春風」
応援ソング:ゆず「よろこびのうた」
挿入歌:ゆず「素顔のままで」
キャスト
澤田 拓人:三浦春馬
本郷 恵(拓人の彼女):多部未華子
向井 繁之(拓人の先輩):斎藤工
水島 守(拓人の親友):風間俊介
村山 陽菜(恵の親友):山本美月
澤田 陸人(拓人の弟):野村周平
澤田 昭夫(拓人の父):小市慢太郎
澤田 佐和子(拓人の母):原田美枝子
本郷 翔子(恵の母):浅田美代子
谷本 和志(拓人の主治医):吹越満
ネタバレ詳細
第1話-2014/01/08
「難病と闘い今を生きる青年の物語!!あなたは全力で生きてますか?」
- 序章 -
雨の中、車いすで人込みを行く澤田拓人(三浦春馬)。
<ナレーション(医者の声)>
今の医学ではまた治療法は見つかっていないので、長くこの病気とつき合っていくことになります。
全身の筋肉が弱くなっていって、しゃべりにくくなったり、食べ物を飲み込めなくなったり、呼吸障害が起こります。
生きていく為に、人工呼吸器を装着する必要があります。
発症後、多くは3年から5年で呼吸器麻痺になり亡くなります。
診断名はALS。筋萎縮性側索硬化症。
澤田拓人。実家は山梨。父親は総合病院を経営。
両親からは医者になることを期待されていたが、いつからかその期待は4歳下の弟・陸人(野村周平)に向けられるようになっていた。
拓人(大学3年・冬)就職活動中。
親友の水島守(風間俊介)と説明会に。会場には本郷恵(多部未華子)とその友人村山陽菜(山本美月)も来ている。
拓人(大学4年・春)
ある日の面接中、携帯電話が鳴りだす。拓人の隣に座っている本郷恵のものだが、無視してやり過ごそうとしている。
面接官「出なくていいんですか?他社からの内定連絡かもしれませんよ」
隣の拓人も気づいていて、恵は気まずそうにしている中、目が合う。
結局、電話には出ず、空気の悪くなった会場。恵がたまらず何かを言いかけるよりも先に、拓人が立ち上がり、
「すみませんでした。電話の電源を切り忘れていました。」と謝り、「中断させて申し訳ありませんでした」と頭を下げる。
面接終了後、拓人を追いかけて、なぜかばってくれたのかと聞く恵に対し、「別にかばった訳じゃないから。ピンチの時も冷静に対処できるという自分のアピール」だと言う拓人。
拓人(大学4年・秋)
拓人と守は、それぞれ、何社もの面接を受けているが内定がもらえず焦っている。
拓人と守。学内カフェでお互いに内定がない事を愚痴っていると、守に内定連絡の電話が入る。
拓人は笑顔で「内定、おめでとう!」と言いながら、複雑な心境。
学内を歩く恵と陽菜。
恵はファミレスでアルバイトをしながら、どうしても正社員として会社に入りたいと思っている。
陽菜は就職がダメなら結婚でもと脳天気に王子様を待っているなどと話している。「恵にも現れるかもよ」と言う陽菜に「王子様なんていないって!」と恵。
そこに前から、拓人が歩いてくる。
面接の時に同じ学校・学部であると知っていた拓人は「やっと会えた!」と笑顔。何も知らなかった恵は「なんでここに?」
拓人も例の商社の面接で落ちたと知った恵は、自分のせいだと拓人に謝る。拓人は、そんな恵に、落ちた理由を直接聞きに行こうと言い出す。当たり障りのない回答をされて商社から追い返された二人は、1日だけ現実逃避をしようと決め、海へ行く事に。
恵は、同じ学校、学部なのに なんで今まで会わなかったんだろう、卒業まで会わない人もいっぱいいるんだろうな、もったいないと言うと、
「会わなきゃいけない人には、絶対会えるんじゃない?」と拓人。
シャンパンを飲み、楽しい時間を過ごす。
3年後の自分に向けた手紙を書き、空のボトルに詰めて砂浜に埋める事に。
拓人は、大学生になった時から、父親名義の3LDKマンションに一人暮らししているが、弟が医学部受験の準備で一緒に住む事に。
母親から、拓人が今 使っている部屋が一番落ち着くから陸人に譲れと言われ、笑顔で了承するが、少し複雑な表情の拓人。
父親は「名前も知らないような会社に入るより、うちの病院で事務をした方がマシ」と言う。
ある日の面接で一緒になった、同じ大学の同級生:坂下柊二(夕輝壽太)との会話。
坂下に「何社目?」と聞かれ、拓人は48社目だと答えると、彼は「79社目」だと言う。
拓人は、サークルの先輩で大学院生の向井繁之(斎藤工)に気晴らしにフットサルをしていると、急に足がつり、転倒。
フットサルの後、繁先輩と一緒に恵がバイトするファミレスへ。繁之は、拓人に紹介された恵の事が気になるようになる・・。
恵は拓人が気になっている。2人でいる時、拓人に「寒い?」と聞かれ「寒い」と答えると、「じゃ 帰ろっか」とあっさり言われる事が少し不満。もう少し一緒にいたいと思っている恵。
拓人(大学4年・冬)
面接で一緒になった際、「79社目だ」と言っていた同級生の坂下が就活に疲れ果て絶望し、自殺してしまう。
100社受けたが内定が取れなかったらしい。
お通夜で恵と会い、その帰り道に拓人は恵に「キスしていい?」
恵は、なんで今なのか、何を考えてるのか、最低だと言い残し帰ってしまう。
家具会社の面接で、また恵と一緒になる拓人。
恵は言い淀んだり、詰まったりしながらのアピールに終わる。
拓人は練習してきたアピールコメントをスラスラと話し出すが、途中でやめ、自分のこれまでの挫折や葛藤を、今の自分の言葉で話す。
その後、拓人はこの「宮前家具」から採用通知をもらう。入社前の健康診断へ向かった際に「なぜ受かったのか」を聞いてみると
「本当の自分を少しみせてくれた。一緒に働いてみたいと思った」と言われる。
(恵は不合格)
拓人は早速、就職が決まった事を実家に知らせようと思っているところへ母親から電話がかかり、「陸人(弟)が第一志望に受かった」と弾んだ声。就職の事を言いかけた拓人を遮り、そっちへ行くと一方的に言い、電話を切る。
恵と会い、拓人はお通夜の日の事を謝り、2人で亡くなった坂下の話をする。
拓人「死ぬとき、、怖くなかったのかな」
また、いつものように寒くないかと聞かれた恵は、やせ我慢しながら「寒くない」と答える。
そんな恵に自分のマフラーを巻いてあげる拓人。
メグ「こういうのは彼女にしかしちゃいけないんだよ」
拓人「なんでかな、守りたくなる」
帰り際、左手が動かず自転車を倒してしまう拓人。
第2話-2014/01/15
「キスで結ばれた二人に忍びよる病魔!!」
拓人(社会人1年目)
左手が痺れ動かない事があったり、シャワーを浴びていると左腕が上がりにくい、、、などの異変。
拓人は、宮前家具で正社員として働き始める。年上のアルバイト店員から仕事を教えられるが、
ミスをした拓人に「使えないなー、余計な仕事増やしてくれて、、社員さんは」などと小ばかにしたような態度をとるアルバイト。
覚えなければならないことも多く、家でも懸命に勉強する拓人。
就職活動に失敗した恵は、卒業後もファミリーレストランでアルバイトをしながら、正社員採用を目指して就活を続けている。
ある日、拓人は恵を食事に誘う。久しぶりの再会を果たしたふたりは、お互いの近況を報告しあう。
帰り道で、今度は守や陽菜も誘って拓人の家で食事をしようと約束。
食事会の日、陽菜とともに拓人のマンションを訪れた恵は、拓人の弟・陸人(野村周平)と初めて顔を合わせる。拓人はまだ仕事から戻っていなかったが、すでに守が来ていた。
そこで恵は、守から拓人たちの父親が開業医で、医大に通う陸人がその後を継ぐ予定であると聞く。
しばらくして拓人が帰宅すると、守と陽菜は、拓人と恵を二人だけにしようとすぐに帰って行く。食事を終えた拓人と恵は、一緒に後片付けをする。
恵は新入社員の教育係を押し付けられたことへの不満を口にして拓人とぶつかる。
拓人は会社で新入社員として傷つきながら頑張っているが、それを知らない恵は、「ファミレスのバイトで社員に教えるのが大変で、仕事を増やすだけなので、来てくれない方がマシ」などと言い、拓人を傷つけてしまう。
「お客さんにとってはバイトも社員も関係ないんだし、仲良くした方がいい」と言う拓人に、「拓人は社員になれたからだ、私の気持ちなんてわからない」と言い放ち、帰ってしまう恵。
拓人「そっちだって俺の気持ちわからなくない?」
自宅で家具の勉強をしていた拓人は、ペットボトルのふたを開けようとした際に、左手に力が入らないことに不安を抱き、ネットで調べてみる。
すると、足がつりやすくなったり、手足に力が入らない、腕が上がりにくいなど、「ALS」の初期症状に似ている事に気づく。
「まさかな」
恵は「拓人と喧嘩をしてしまった」と陽菜に相談。「仲直りは早い方がいい」と言い、拓人の働く家具店へ恵を引っ張って行く陽菜。
バイトに嫌な事を言われながら、笑顔で頑張っている拓人。
それを見た恵は、拓人を傷つけてしまった事に気づき、自己嫌悪からお酒を飲みすぎてしまう。その帰り道、陽菜に電話しているつもりの恵から、拓人に電話が入り、酔っ払いながら「拓人を傷つけちゃった、どうしよう」と言う。
電話を受けた拓人が酔って勘違いもしている恵に呼び出される。
恵は「自分が卑屈になっていて拓人を傷つけてごめんなさい」と謝る。
バスが来るが、乗らずにやり過ごす恵。
その後、拓人は自分の事を少し話し、二人は初めてキスをする。
<翌朝>
陸人が「蛍光灯が切れた」と拓人の部屋を開けると、ベッドには拓人と恵。
仕事では、接客などでやりがいを感じ始める。
家具屋だし、、と、家でも模様替えをしていると、また左手に力が入らずソファを動かすのに苦労している。
シャワーの際、左腕が上がりにくく、力も入らず、またALSの不安がよぎる。
母親の手伝いで、ボランティアに参加する恵。この後、介護や福祉に興味を持つ。
第3話-2014/01/22
「どうして、僕が・・・!?お母さん、助けて!」
突然左腕が動かせなくなった拓人は、整形外科を訪ねる。診察をした医師は、若いし頚椎症だと思うがしばらく様子をみようと言う。
一方、介護施設でアロママッサージのボランティアを始めた恵は、施設の職員から、これからはアルバイトとして来てほしいと誘われる。
ある日、拓人は恵の家に行き、恵の母・翔子(浅田美代子)に会う事に。恵の母は、拓人のことを気に入った様子。
相変わらず左腕が上がりにくい拓人は、仕事中、腕に力が入らず、商品を落として傷をつけてしまい、再び整形外科へ。
医師は、拓人に大学病院の神経内科を紹介。神経内科医の谷本和志(吹越満)に診察を受ける。検査の結果、谷本は今後の治療方針を相談するために家族と一緒に病院に来てほしいと拓人に伝えた。
だが拓人は、家族はいないとウソをつき、自分ひとりで話を聞く事に。
告げられた病名は、難病のひとつに指定されているALS=筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)だった。
ALSのこれからの症状の詳細を説明される。まだ治療法のない難病。
一睡もできずに朝を迎えた拓人は、そのまま仕事に出かける。
職場では、ただ腕を上げにくいだけで大したことはないと言うが、家具の移動などは無理な為、配送手配の仕事へ。
更に左手に力が入らず、ペットボトルの蓋を開けるのに苦労する。家に帰ると大量のペットボトルを開ける拓人に驚く陸人。
その夜、拓人は総合病院の院長を務める父・昭夫(小市慢太郎)に電話し、「誤診をした事はあるか」と聞く。
拓人「確率にすると何パーセント? 0.1?」
父「ないよ。0%だ」
自身がALSである事をまだ受け止めきれない拓人、医者が誤診する可能性は0%だと言われ、打ちのめされる。
フットサルをしている拓人、足が思うように動かず、明らかに様子がおかしい事を不審に思う繁先輩。拓人はその後、倒れて病院に運ばれるが、点滴のみで帰っていいと言われるが、帰りにALSで入院している患者の病室を覗き、人工呼吸器をつけ、文字盤を使って意思表示している姿にショックを受ける。
拓人は恵を誘って温泉に行く事に。
恵は介護の仕事にやりがいを感じ、これが自分のやりたい仕事だと言い、就活をやめる事にしたと言う。
幸せそうに帰る恵。
一方、拓人は帰りに主治医の元により、「死刑を待つ死刑囚のような気持ちで、いつ何が起こるかわからない不安」を訴え、
「誤診はないのか」と詰め寄るが、谷本医師はALS患者をたくさん診てきた専門医なので、誤診はないと丁寧に説明する。
人工呼吸器の患者を見た話をする拓人。
「自分で体を動かせない、食べられない、しゃべれない、機械で息をしている、何も出来ないのに意識だけはハッキリしている、それで生きてるって言えるのか」
第4話-2014/01/29
「好きだからこそ・・・。涙の決断!!」
恵は介護のアルバイトをしながら資格を取るための勉強を始めることに。
左手に力が入らない拓人を見ている陸人は拓人がALSだとは知らず、ズケズケとものを言い、拓人とちょっとした言い合いに。
(陸人はいつも、人の気持ちや相手の立場を考える事なく発言し、まわりの人を傷つける。)
母から拓人への電話は、陸人の心配ばかり。イライラした拓人は「本人に聞けば」と切ってしまう。
谷本医師は、医療費負担軽減の為の手続きもした方がいいし、そのためにも早く家族に話すように、友達や職場の人にもわかってもらわないといけないと言う。
今の気持ちを受け止めてもらえる相手はいないか、と尋ねられた拓人は、メグを思い浮かべる。
「大切な人ほど早く話さなければいけないことはわかっている」
ある日、拓人の家で、恵に「左手のリハビリにもいいかもしれないし、ピアノ弾いて」と言われ「いい」と言う拓人。「なんでよ、弾いてみてよ」と言う恵に「いいって!!」と強く言ってしまう。
恵「怒ってるの?なんで?言ってくれないとわからないよ」
気まずくなり帰ると言う恵を引き留め、
拓人「いてよ、お願い」と恵を抱きしめる。
(両親は自分より弟の事ばかり心配している、自分には、病気の事をすべて話して受け止めてもらえる家族もいない。大切なメグにはそばに居てほしい拓人。)
恵に話そうとするが、やっぱり言えず「左手がなかなか治らずイライラしただけだ」と言う。
メグが左手をやってくれるならピアノを弾いてみる事に。楽しそうに「猫ふんじゃった」を弾く二人。
拓人は、病気のことは告げずに、「もしこのまま左手がずっと動かなくなったらどうする? 」と恵に尋ねる。
恵「どうもしないよ。ずっと拓人のそばにいるだけ」
拓人「ずっと?」
恵「ずーーーっと一緒にいたい。このまま時間止まってくれないかな」
恵との電話の際に、偶然、恵の母親が父親を自宅で看病していた話を聞いていた拓人は、恵の母親の弁当屋を訪ね、家に行く事に。
メグのいない家で、拓人は恵の母に父親の事、「病気の事を初めて知った時にどう思ったか、看病、介護は大変だったか」を尋ねる。
母は「なんでもない時に急に涙が出てきたり、、、大変だった、自分の時間が欲しいと思った事もあった」と答える。
拓人「じゃ、出会わなければよかったって思った事は?」
母「ない。それは1回もない。病気だって悪い事ばっかりじゃないし、幸せな事もあったし」
拓人は話があるから会おうと恵を呼び出す。
そこで拓人は突然、
拓人「メグ、あのさ。今日で最後。もう会えない。」と別れを告げる。意味が分からない恵は理由を教えてと問い詰める。
拓人「もう一緒にいてもしょうがない。メグとの将来とか考えられない。メグとはやっていけない。ごめん。じゃあね」と行ってしまう。
恵は繁先輩に相談に行く。「拓人はいつもあんな風なのか」と。
その夜、繁は拓人を呼び出し、「恵ちゃんが気になる。やたらにかわいく思える」と言う。
拓人は「俺は関係ないですから。実は別れたんで。俺の事は気にしないでください」と言い、帰ろうとするが、転んでしまう。
その際、拓人のリュックから飛び出した書類に気づく繁。
繁「ALSなのか?だから恵ちゃんと別れたのか?恵ちゃんは知ってるのか?」
拓人「メグにかまってる暇ないんで。余計な事メグに言わないでくださいよ。負担かけるんで」
繁「俺になんかできることないか?」
拓人「別に何も。シゲ先輩とならメグ、幸せになれるんじゃないかな」
自暴自棄気味の拓人はぶっきらぼうに言い、その場を去る。
第5話-2014/02/05
「前を向き生きる覚悟 僕は負けない!」
拓人の左手を気にかけている親友:守に、拓人は病気のことを打ち明けた。メグちゃんに話したかという守。拓人は、彼女には絶対に知られたくない、という。
父親は医者だが治せる病気でもないし、親にもまだ言っていない拓人。
メグはシゲ先輩(斎藤工)からのアピールを受けるが、まだ拓人の事で気持ちの整理ができていない。シゲ先輩はメグの朝のウォーキングに合わせて毎朝現れるようになる。
ある日「つき合ってくれ」と言われるが「ちょっと時間を下さい」とメグ。
介護の仕事ではALS患者を受け持つ事になり、苦労しながら成長していく。
拓人は会社で自分は「ALS」であると打ち明け、社員たちにこれから出来なくなっていく事が増える事を説明し、ALSについての資料を配り、理解を得る。
その後、社内ではみんなが気を使ってくれるようになり、難しい事は手伝ったり変わってくれたりするように。
親友の守(風間俊介)とは、相変わらず仲良く鍋をしたり、いろいろな話をしている拓人。
帰り際に「ゴミ出しとくね」と言う守に、メグが買ってきたお揃いのマグカップも「これも一緒に捨てといて」と拓人。
拓人が大学生の頃から家庭教師をしていた隣に住む女子中学生が、話を聞いてほしそうにやってくる。
「いつも自分の事、全然見てないくせに、テストの点だけは見て怒る」と不満を言う彼女に、「さみしい?さみしいよな」と拓人。
でも絶対嫌いになれなくて、いつかちゃんと見てくれるんじゃないかって期待しちゃって・・・と自分と重ねて答える。
ある日、家に帰ると母・佐和子(原田美枝子)が来ていた。
陸人はどこに行ったの、ちゃんと見てくれてない などと拓人を責める母。自分の事はまったく気にもかけていない。
陸人はしばらく大学へ行ってないらしい。
母親は相変わらず弟:陸人の事ばかりで、拓人の異変には気づかない。
主治医に、会社では病気の事を打ち明けたが家族にはまだだと話す。
「病気の事を知ってもらうのは大切。これからは周りの人と一緒に生きていく事になる」と医者
その夜、肩が凝っている様子の母を見て「肩をもんであげる」拓人。
急にどうしたのと驚く母に「今なら出来るから・・・」
そして、病気の事を打ち明ける。段々とあちこちの筋肉が動かなくなり、顔の筋肉も動かなくなり、しゃべれなくなり、呼吸もできなくなる病気だと。
取り乱し、父に連絡しようとする母に
「ごめんね、母さん。俺、将来の事は考えられない。・・でもちゃんと生きるから」
メグはシゲ先輩に返事をし、つき合う事に。
拓人と砂浜に埋めたタイムカプセルを探しに行くメグだが、そこには埋めたはずの瓶がない。拓人に電話をかけるメグ。
拓人はちょうどその少し前に掘り起こし、すぐ近くでメグの様子を見ていたが、そのことは告げず、元気そうに応じる。その電話でメグは「ちゃんと終わらせたかったから。ありがとう。これで前に進める」と言う。
家に帰り、瓶の中から2人の書いたメモを取り出す拓人。実は拓人はあの時、何も書いてはいなかったが、改めて自分の分を書いて瓶に入れる。
第6話-2014/02/12
「今、僕にできること 一歩、踏み出す勇気」
メグと別れてから1年半以上が経ち、病状が進行した拓人は、電動車椅子を使って生活をしていた。親友の守が、度々訪れては介助の手伝いをしたり、一緒に散歩したりしている。家には母もおり、ヘルパーも頼んでいる。
メグは介護施設の正社員となり、ALS患者の訪問介護を行っており、どんどんと病状の進む中、明るく生きている患者に寄りっている。
拓人は、勤務先の家具屋で病状に合わせた仕事を用意してもらい、指先を動かすことが難しくなった現在は、パソコンのマウス操作で出来るレイアウトの仕事をしている。
拓人の父・昭夫(小市慢太郎)は、ALSの治療について海外の論文なども調べ、拓人の主治医である谷本(吹越満)を訪ねる。谷本は、拓人に会えずにいる昭夫に、拓人が周囲の理解を得ながら自分に出来ることに懸命に取り組んでいることを伝える。
そんなある日、守は、拓人と陸人を誘って電動車椅子サッカーの練習を見学に行く。チームのメンバーから手ほどきを受けながら練習に参加する拓人。その姿を見ていた陸人は、ふいになぜ兄と付き合っているのか、なぜ兄は楽しそうなのか、と守に問いかける。
陸人は人の気持ちがわからず、小さい時から不用意な発言をして周りは遠ざかる。大学になりその事で孤独に。更に医学部の講義に興味が持てないと言う。陸人は悩み、壊れそう。
拓人のフォローや注意、優しさで陸人も前を向き始める。
拓人も動かなくなっていく体と向き合いながら、出来る事をやり頑張っている。
拓人「目標を見つける事が目標みたいだ」
メグはシゲ先輩がメグの実家近くの家を見つけ、そこで一緒に暮らそうとプロポーズを受ける。
繁は拓人にも結婚が決まったことを報告する。拓人は笑顔で「おめでとうございます!」
拓人は電動車椅子サッカーを始める。ALSの患者同士、メールのやり取りをしていた保は、メグの介助患者。
ある日、保に連れられ、電動車椅子サッカーを見に来るメグ。保が紹介したい知り合いはなんと拓人だった!
車椅子に乗る拓人を初めて見たメグ。驚く拓人。メグは拓人の病気を知ることに。拓人はメグと別れてから病気がわかったと説明するが・・。
新居で引っ越し前の掃除をしながら、泣いているメグ。
拓人は自宅で、まだなんとか動く右手でノートに文字を書いている・・。
第7話-2014/02/19
「動き出す二人の時間 抱きしめたい!!」
拓人(三浦春馬)は電動車椅子サッカーの練習中に、恵(多部未華子)と偶然再会した。ある日、恵は、陽菜(山本美月)から電話をもらう。近ごろ守(風間俊介)の様子がおかしいから尾行したいという。
つき合わされた恵は、こっそり守の後をつけた。守が向かった先は、拓人が待つ公園だった。恵の手をとって拓人たちの元へと向かう陽菜。拓人は、慌てる守に、サッカーの練習中に恵と会ったことを伝え、せっかくだから4人で食事をしようと提案する。
拓人のマンションを訪れた恵たちは、陸人(野村周平)も交えて一緒に食事をするが、陽菜は、拓人と恵を2人っきりにさせようと、守と陸人を誘って買い物に出かける。
拓人とふたりきりになった恵。前はいつでも会えたから、返すのはいつでもいいと拓人も言い、メグもそう思っていたが、急に別れてしまいそのままになってしまった拓人のマフラーを返し忘れていたことを謝る。
日曜日、拓人たちの両親が訪れ、陸人は大学も辞めたい、医者にも向いていないと言うと、すぐに辞めなくてもいいが実家へ戻ろう、拓人も一緒に帰ろうと母。
拓人は、仕事もあるからここに残りたい、介護ヘルパーの利用時間を増やしてほしいと頼み、陸人だけが一旦実家へ戻る事に。
父「諦めるな、治療方法は日々進化している。お前を絶対に死なせない」
拓人は会社で広告デザインの仕事を任されるようになり、やりがいを感じながら一人暮らしに。家には介護ヘルパーが訪れるが新人ヘルパーは、家事もイマイチ、要領も悪いが拓人は文句ひとつ言わない。それを見ていた守はイライラし、シゲ先輩とメグを呼び出しメグに手伝ってくれないかと相談する。繁之は不機嫌そうな顔をするが「いいんじゃない?」と応じ、メグはマフラーを返すから都合のいい日を教えてと拓人にメールし、拓人の家を訪れた際、マフラー借りっぱなしだったお礼にと掃除や夕飯の支度をする。
ある日、ふとしたはずみで家で転び起き上がれなくなった拓人。そこへ偶然、恵がやって来て助けた事から、また家事などを手伝う事に。
昔、二人で埋めたシャンペンボトルのタイムカプセル、拓人が掘って持っている事がわかり、メグが見たいと言うので2人で見る事に。
繁之がメグを迎えに来る。メグが来た時、拓人が倒れていた事を知り、出来る時は手伝いに来てあげろとメグに言うシゲ先輩。
2人でいる時は楽しく過ごし、シゲ先輩と結婚する事を話題にして笑顔でいる拓人だが、メグが帰るとつらそうな拓人。
メグがシゲ先輩と暮らす家に引っ越しをする日。
メグは拓人を誘って、瓶を埋めた海へ。
今日が引っ越しだと拓人に言い、拓人も「会うのは最後にしよう」と言う。
メグ「拓人、今 なにがしたい?」
拓人「俺にはできない事だから・・」
メグ「じゃ、あたしがしたい事 してもいい?」
と、拓人を抱きしめる。
第8話-2014/02/26
「俺のこと認めてよ、本当は叫んでたんだ!お母さん!」
引っ越しの日、メグは繁之に「やっぱり一緒には暮らせない」と切り出す。繁之は一緒に住むのを延期して待つと言い、恵は実家へ戻る。
主治医の谷本を訪ねた拓人は、広告の仕事で一定の成果を上げたことを報告する。拓人自身は、できるだけ長くいまの職場で働くことを望んでいたが、マウスを動かすことができなくなったら出来る仕事がないし、会社を辞めて山梨の実家に帰ることも考えている。
拓人が家に戻ると、陸人が来ていた。実家にいても大学に戻れとしか言われないため、出てきてしまったのだという。
そんな折、拓人のもとに恵の母:翔子がやってくる。そこで翔子は、恵が「繁之とは一緒に暮らせない」と言い出したことを拓人に打ち明ける。拓人は、「会って話がしたい」と恵にメールを送った。
恵に会った拓人は、「早く繁之と一緒に暮らした方が良いのではないか」と助言するが、メグはなぜ別れる前に言ってくれなかったのかと拓人に尋ねる。
「病気だと知っても別れなかったのに、あたしは拓人じゃなきゃダメだから」と言う恵。
メグ「拓人の気持ちはどうなの?」
拓人「生きているだけで精一杯なんだ。生きる為に生きてる。それしかないんだ。誰かの役に立てなくなり、誰かのために何もしてあげられない」
メグ「一緒にいてくれるだけでいい」
拓人「そんなの綺麗ごとだよ」
メグ「拓人だってそうじゃん。気持ちは拓人のものでしょ?ホントの気持ち隠して、言いたい事も言わないで、それで今を生きてるって言える?」
メグを思う拓人、拓人を思うメグ。拓人は素直になれずぶつかり、「二度と来るな!帰れ!」と言ってしまう。
会社では広告の仕事がひと段落し、出来る事もほとんど無くなっている拓人は退職するつもりだったが、社員たちが「広告デザインなら家でも出来る」と言い出し、上司も納得。拓人は家で仕事をすることになる。
メグは、ALS患者の訪問介護を行いながら実家で過ごしている。
拓人は介助なしにはトイレも行けず、ヘルパーが居ないときには陸人に頼もうとするが、陸人がおらず、母に初めて頼む。
陸人が帰って来て、母親に「自分の事は自分で決める。母さん、お願いだから僕の人生から出て行って下さい」と宣言する。
母は、陸人の好物だと思い、いつも作っていた唐揚げは、拓人の好きなもので、実は陸人は母を気遣い、好きなフリをしていたんだよ と拓人が言う。医学目指したのも母さんに褒めてもらえるからだと。
自分も褒めてほしかったな・・・俺はずっと母さんに認めてもらいたかった・・・なんで気づいてくれなかった、なんでちゃんと見てくれなかった、などと拓人もこれまでの母への思いを打ち明ける。
母は、総合病院を経営する父の家に嫁ぎ、息子に跡を継がせなければならないというプレッシャーがあり、母なりに必死だったと言う。
そっと母の腕をとる拓人。泣き崩れる母。
翌朝、陸人の一番好きな食べ物を聞き、「青椒肉絲」だと知る母。楽しそうに唐揚げと青椒肉絲を作る母を見て笑顔の拓人。母子3人はやっと分かり合えそう。
メグは、固形物を食べられなくなっている担当のALS患者に、ミキサーにかけた離乳食のような食事を出し、何を食べてるかわからないと言われ、ハンバーグを作ってみると、患者は嬉しそうに食べてくれた。
ある日の帰り道、拓人が。
拓人「メグを待ってた。あのさ、こないだ会社で漏らしちゃってさ・・。そんなんだけど、ほんとに俺でいい?」
メグ「拓人がいい!」
拓人「メグ・・俺の隣に居て下さい」
メグ「はい」
第9話-2014/03/05
「お父さん、お母さんありがとう!そして」
メグと生きる事に決めた拓人は、母親に紹介し、家の鍵を渡しておいて手伝ってもらったり、泊ってもらう事もあると説明する。
メグの母:翔子にも2人で挨拶に行くが、翔子は繁之と結婚すると思っていたのに、敢えて大変な相手を選んだ娘に反対している。
拓人はシゲ先輩にも報告に。
繁之「今一番会いたくないの、誰かわかってる?」
拓人「俺が全部悪いんで。メグのこと、許してやってください」
繁之は拓人を殴り、殴った後、起こすのを手伝い、もう二度とお前たちに会う事はない と去って行く。
主治医にも、恵を「大切な人です」と紹介し、恵と一緒に呼吸筋が弱くなって来た際、人工呼吸器をつける事になる、つけた場合は二度と外す事は出来ないという説明を受ける。
別の日、拓人のマンションに、恵、守、陽菜が集まり、一緒に食事をすることになった。守は、以前、拓人から捨てるよう頼まれていたペアのマグカップを捨てられずに持っていたと言って拓人に返す。嬉しそうな2人。
守は陽菜にプロポーズしOKをもらう。
ある日、拓人たちの元に、両親がやってくる。陸人が人間関係への不安などから食欲不振に陥っていることを知った父・昭夫は、ただの甘えだと非難した。拓人は、家族だからこそ、陸人の苦しみを理解してやるべきだと父に告げる。
拓人「俺たちが陸人の苦しみをわかってやれなくて、何のための家族なの?」
父は聞く耳を持たず、どうしても医者になれと言い帰って行くが、母は「お父さんの事はなんとかするから、陸ちゃんは好きなことをしなさい」と言い、父の後を追って帰る。
その夜、拓人の元に、ALS患者の今井保(河原健二)からメールが届く。病状が進み、しゃべることもできなくなり、呼吸もつらくなっているらしい。そして、人工呼吸器は着けないという生き方を選択したと書かれている・・。
拓人にとっても、近い将来に訪れ、決断をしなければならない大事な選択。
仕事もそろそろ出来なくなりそうで、今やっている広告が最後の作業だという拓人。
それを仕上げに会社へ。
みんなに助けられ支えられ、仕事ができ、生きがいを持てたと挨拶して退職。
帰ると母がおり、「お仕事お疲れ様。よく頑張ったわね。」と褒めてくれた。
退職し、次の目標を探している拓人。陸人の医学書を興味深げに読んでいる。
メグも来て、お風呂にはメグが介助。母はメグの事を心配し、メグの母親に挨拶に行きたいと恵に言い、別の日に恵の家へ。
恵の母:翔子は、恵には結婚相手がおり、拓人のそばに居る事は賛成出来ないと告げる。
恵が帰宅し、母は反対である事、そう拓人の母にも言った事を話す。拓人の母も、帰宅し拓人にその事を話す。
そこへ恵に連絡が入り、担当していたALS患者の今井保が亡くなった事を知る。
人工呼吸器をつけない選択をし、あまりにもあっけなく死んでしまった今井の事を思いながら、、
拓人も今井と同じ選択をするつもりだったが・・・。
メグ「拓人。出来るだけ長く一緒にいたい。1分1秒でも長く」
拓人「うん、いよう。一緒に」
拓人「次の目標、見つけたよ」
陸人は両親に医者になる事をやめ、大学を辞め、一番好きな事である恐竜について学べる学校へ入りなおしたいと言う。
拓人も「医学部に行きたい、勉強したいんだ」と話す。
医学部に入っても実習はできないし卒業できるかわからないし、受験は最短で1年後、その時の状態はどんなものかわからないが、自分の気持ちだけはALSに奪われたくない。
それを聞いた父は
拓人、自分の力で未来を切り開いて生きてほしい。そう願いを込めて拓人という名前をつけた。
陸人、大地に根を張り信念を持って生きてほしい、そう願いを込めた。自分に出来る事はもう、学費を出してやる事くらい と理解を示す。
そこへ拓人と陸人から、結婚記念日を迎えた両親へのビデオメッセージのプレゼントが。
両親2人が出会い、結婚、そして拓人が生まれ、陸人が生まれた。家族4人の幸せな時間が映っているのを嬉しそうにみる4人。
(子供の頃の写真には本人の昔の写真が加工されている)
第10話-2014/03/12
「最後の日記」
拓人は、母・佐和子に、恵と一緒に暮らしたいと話す。佐和子は、恵の母・翔子のことを気づかいながらも、ふたりの気持ちを尊重する。恵の母:翔子には、二度とこの家に戻らない覚悟があるなら行きなさい、と言われるが、2人は一緒に暮らし始める。
一方、医学部を目指して勉強を始めた拓人は、恵や弟・陸人に支えられながら、充実した日々を送る。“メグとたくさん笑った”などと、拓人のノートには、恵と一緒にしたことがいくつもつづられるようになっていた。
ある日、拓人たちのもとに守と陽菜がやってくる。拓人と恵は、結婚する守たちに手作りのアロマキャンドルをプレゼントした。そこで拓人は、医学部を受験することを守たちにも打ち明ける。
陸人は、生まれて初めてアルバイトを始める事に。人と接する仕事は不安があるため、なるべく人と関わらずに済むようにとホームセンターの商品管理。
守は、シゲ先輩に会いに行き、メグと拓人がよりを戻してしまうキッカケを作ったのは自分だったからと謝る。
繁之は、拓人の彼女だから興味を持った、拓人にいつも勝てなかったが、病気を知った時も、これで拓人に勝てると思った。自分に自信がない などと本音を語り、
あの2人は守が何もしなくたって一緒になった、運命だった、余計なのは俺だけだ と自戒。
守と陽菜の結婚式。拓人とともに出席した恵は、陽菜が投げたブーケを受け取る。
拓人の両親は、恵の母:翔子をたずね挨拶。話し合い、翔子も理解し、「恵のこと、よろしくお願いします」
拓人に翔子から手紙が届く。拓人に出会って恵が笑顔が増え、拓人に再会し恵は強くなった、二人の幸せを祈っているという内容。
拓人のノートには
メグのお母さんが手紙をくれた
メグが隣にいる
幸せが続きますように
拓人の隣で寝ているメグは、拓人が睡眠中に呼吸が止まる事があるのに気づき(睡眠時無呼吸症候群)医者にも相談すると、呼吸筋が弱くなってきているので、そのまま亡くなってしまう危険もあるし、そろそろ人工呼吸器を考えようと言う。
ある日、拓人の実家がある山梨へメグと行ってみる。拓人が通った学校や、懐かしい路地を散歩。駄菓子屋で買ったシャボン玉で遊ぶ2人。
文字を書くのも難しくなってきた拓人。呼吸筋の麻痺も始まっている。
守は次は拓人が結婚する番だ、ALSでも人工呼吸器をつければ20年、30年生きられる、結婚して子供を持っている人もいると言うが、拓人は「簡単に言うな、他人事だからそんなこと言えるんだ、簡単じゃないんだよ。そんな事言うなら代わってくれよ!」と言い放つ。
守「死なないでよ・・・頼むから。拓人、死なないでよ・・」
両親も人工呼吸器をつけろと言う。陸人も兄さんが居てくれれば心強い、母は拓人だけの命じゃないと。メグは黙って拓人の横に。
拓人「怖い、、、怖いよ メグ」
メグ「大丈夫、あたしがいる。ずっと一緒にいる」
拓人はしゃべれなくなり、顔の筋肉が一部でも動けばセンサーでかろうじて意思表示が出来るが、それも出来なくなったら?そうなっても一度付けた呼吸器は二度と外せない事を恐れている。
拓人「死にたい訳じゃない、生きるのが怖いんだ」
メグ「あたしがいる。あたしの声はずっと聞こえるでしょ?抱きしめれば、温もりだって感じる事が出来るでしょ?」
(ALSは筋肉すべてが動かなくなっても、皮膚感覚や嗅覚や聴覚は残る)
それでも、痛みを感じても伝える事も出来ず耐えるしかない、何もできないで生きてると言えるのかと不安でいっぱいの拓人。
拓人「生きる覚悟なんてできない」
メグ「あたしの為に生きて 今を生きるって言ったじゃない」
決断の時が迫り不安定な拓人に寄り添う為、仕事を休む事にしたメグ。帰ってみると拓人がいない・・。
守に連絡、守はシゲ先輩にも連絡し、みんなで探すが見つからない・・。
雨が降り出し、車いすで一人、人込みをさまよう拓人。メグと一緒に3年後の自分への手紙を書いたボトルを持っている。
工事現場のポールに引っかかり倒れてしまう・・。
第11話-2014/03/19
「命の選択」
救急車で運ばれる拓人。
「たすけて・・・・死にたくない・・・」
病院へかけつける恵、守、弟の陸人、母の佐和子、父の昭夫。
軽い脳震盪はあったが、もう問題ないと医師。
恵は医師や家族に拓人の今の不安を伝える。
主治医「今は、拓人さんが周りの人たちと一緒に生きている幸せを実感できるよう、1日、1日を積み重ねていくことに専念しましょう」
退院すると、拓人が大学生の頃、家庭教師をしていた隣人の中学生が、身体を助けるロボットもあるとパンフレットを見せ、自分は大学は工学部に行こうと思う、拓人は周りに勇気を与える、うちの学校に講義に来てくれ と頼む。
守は、また文字が書けるようにと腕を吊って固定できる器具を取り付けてくれた。
「また受験勉強できるな」と言う守。拓人は中学校への講義を受ける事を決める。
陸人はバイトの休憩中、ふとしたキッカケで恐竜の話で盛り上がり、1人友人が出来る。上機嫌で「友達ができたよ!」と赤飯を買って帰宅。
好きな事をやる為に受験する大学でも友達が出来るかもと希望を膨らませ勉強に励む。
父は、難病とそれと闘う家族を支える運動などを行っている。
自分が街をさまよっていた時、シゲ先輩も探してくれていた事を知った拓人は、繁之に会いに行き、心配をかけたことを謝罪。
「中学校でみんなの前で話をするんで、よかったら来てください」とチラシを渡す。
繁之は笑顔で「行くよ!」
楽しい夢でも見ているのか?拓人の表情、寝ながら笑顔が浮かぶ。
恵は医師に「前向きに過ごせているが、人工呼吸器をどう考えているかはまだわからない」と説明。
中学校での講演の日。
陸人と両親、恵の母、守、陽菜、シゲ先輩もかけつけてくれた。
「誰もが一度は考えた事があると思います。自分は何のために生まれてきたんだろうって」
ALSが発症した事、この病気について、
筋肉がどこも動かなくなったら、自分の意志も伝えられず、生きている実感を持てるのか?人工呼吸器をつけると二度と外せない。
病状の進行に伴い、何度も何度も覚悟をしなければならず、どんどんと病気に奪われていく。目標を見つけては失う繰り返し。
それでも気持ちだけは病気には奪えない、今後すべての目標を失ったとしても、目標に向かって頑張った事実は奪われない。
周りは生きてさえいてくれればと言いますが、僕が生きているだけで手がかかる。
生きる意味とは?
周りの人たちは(家族や友人)僕が生きているだけで、生きがいを感じてくれるんじゃないか。
僕が生きているだけで、生きる意味を社会に問いかける事が出来るんじゃないか。
じゃ、生きているだけで、僕が僕であり続けるためにはどうすればいいか。
そうなった時に僕を支えてくれるのは、
それまで生きた時間、「僕のいた時間」なんじゃないか。
恋人、友人、家族・・・大切な人たちの思いの中で、遂に拓人は選択し、生きる覚悟を決める。
父「拓人は私たち家族の誇りだ」
人工呼吸器をつける事にした拓人は、その後はパソコンやセンサーによって意思表示をすることになる。
キーを押すと声が出るソフトは、あらかじめ本人の声を録音しておけば自分の声で出力できる。よく使う言葉や名前は登録も出来ると医師から説明を受ける。
食事も一人ではできなくなり、
固形物が食べられなくなり、
発声もうまくできなくなり、
その時は近づいてくる・・。
そんな中、またあの海へ行こうと拓人。今度は3年後のお互いに向けた手紙を入れて埋めよう。
<三年後>
メグは介護の現場で新人教育なども行っている。
人工呼吸器をつけた拓人は、僅かに動く左目の下の筋肉で、センサーを使って文字を追い、録音してあった拓人の声で読み上げられている。
拓人の表情は動かないが、拓人の声で笑ったり冗談を言ったりしている。
時々、講演をしている様子の拓人。部屋にはチラシが。
結婚式の写真もある。
3年前に埋めた瓶を掘りに海へ。
メグが拓人宛てに描いたメッセージが先に出てきた。
続いて拓人からメグへ。
!! 同じ!! と驚くメグ
THE END
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