三浦春馬-2014年「真夜中の五分前」画像付きネタバレ完全解説!

2014年の映画「真夜中の五分前」の詳細です。

三浦春馬、24歳。

上海を舞台にしたミステリアスなラブストーリーで、セリフはすべて中国語(日本語字幕)。優しさと切なさがあふれる作品です。

 


 

真夜中の五分前

概要

2014年12月27日公開

以下から動画配信サービスでも見られます。

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東映

監督:行定勲
原作:本多孝好『真夜中の五分前 five minutes to tomorrow(side-A・side-B)』(新潮文庫刊)
脚本:堀泉杏

音楽:半野喜弘 

 

予告動画

インタビュー記事

【インタビュー】三浦春馬が想う「愛すること」 行定勲・監督作『真夜中の五分前』
三浦春馬「愛という形」を問う!『真夜中の五分前』トークショー
俳優 三浦春馬 『真夜中の五分前』単独インタビュー(非公式)
俳優 三浦春馬 前編 『真夜中の五分前』単独インタビュー
俳優 三浦春馬 後編『真夜中の五分前』単独インタビュー

DVD

時間 : 2 時間 9 分
発売日 : 2015/7/8
出演 : 三浦春馬, 劉詩詩, 張孝全
言語 : 中国語 (Dolby Digital 5.1)
販売元 : アミューズソフト
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キャスト

三浦春馬(役名:リョウ)

リウ・シーシー(2役:双子・ルオラン、ルーメイ)
チャン・シャオチュアン(ルーメイの婚約者:ティエルン)

 

 

ネタバレ詳細

序章

一卵性双生児である姉のルオランは、幼い頃から妹ルーメイと体験を共にし、時々、着ている洋服を取り換えては親にも気づかれずに入れ替わっていたが、時には濡れ衣を着せられ損な役回りの姉ルオラン。

 

上海の古い時計店で、修理工として住み込みで働いているリョウ(三浦春馬)。歳をとった店主と2人、静かな暮らしをしている。

 

 

ある日、リョウはジムのプールで美しく泳ぐ女性(リウ・シーシー)を見かける。

プールを出て、ジムの出口で休んでいると、さっきの女性が現れ話しかけてくる。

彼女は時間があれば、今から買い物に付き合ってほしいと言う。彼女はルオラン(リウ・シーシー)。彼女には、女優をしているルーメイ(リウ・シーシー/二役)という一卵性双生児の妹がおり、婚約したのでお祝いのプレゼントを渡したいが、自分が思いつかないような物を送りたいので、選んでほしいらしい。

戸惑いながらも買い物に付き合うが、これと言うものを決められず、自分の働く店へ彼女を連れて行き、”古いがとてもいい時計”だと、自分が修理した時計を見せるリョウ。

15分ごとに音が鳴る置時計。彼女はこれにすると決める。

バイクで彼女を大通りまで送り「また、プールで」と別れる。


時計店にて

修理をしているリョウの横で、ロッキングチェアで居眠りをし、読んでいた本を落とした店主。リョウはその本を拾い上げ読んでみた。

”美には何の意味もない”

”ならばなぜ”

”私は事物を美しいと言うのか”

”そうなのだ”

”ただ生きているだけの私でさえ・・”

音読していたリョウに気づき起きてきた店主は「ペソアといポルトガルの詩人の本」で、良い本だと薦める。

日本人のリョウには少し難しい。

 


別の日、ジムへでかけたリョウは、プールの後、またジムの出口に座っていると、彼女が現れこないだの礼を言い、一緒に食事に行く事に。

「時計、とても喜んでいた」と彼女。

トイレへ行き戻って来た彼女がクスクスと笑う。

「わからないのか、鈍感だ」と言われ、もう1人、同じ顔の彼女が現れる。

最初、一緒にいたのは妹(ルーメイ)で、入れ替わったのが姉(ルオラン)。一卵性の双子だと言う。

「時計、ありがとう」と妹のルーメイ。だが、中国では人に時計は送らないらしい。発音が同じ言葉に「死を看取る」という意味があるからだと言う。

女優志望だと言う妹ルーメイは、用事があると先に店を出る。

リョウは妹が一人いるが、双子に憧れた事があると話し、ルオランとルーメイ、性格も似ているのか、双子は何かテレパシーのように特別な何かがあり、お互いの事がわかるものなのかと聞くと、

ルオランは「近いような事はある」と言い、同じものを選び、同じものを好きになる、別々に買ったのに、同じ服や同じ靴がたくさんあるらしい。

だから、プレゼントを他人に選んでもらったのだと言う。

街角で、女優のルーメイの巨大写真があり、それを見たルオラン。

「同じ顔なのに、私たちは全然違う」

 

 

ある日、ルオランから、ルーメイとその婚約者の4人でゴルフに行こうと誘われる。

ルオランの婚約者ティエルン(チャン・シャオチュアン)は映画プロデューサー。父親は有名俳優。

ルオランはフリーライターをしており、映画の取材で映画プロデューサーであるティエルンと出会い、ルーメイに紹介。

 

ゴルフ後、どこかの部屋で飲んでいる4人。

自分たちは入れ替わっても誰にもわからない・・とルーメイ。

(今でも時々、入れ替わっているのか??)

ティエルンは、思い出話をすればわかると言うが、ルーメイは姉とお互い理解し合い、共有しているから無理だと言う。

ティエルン「じゃ、俺やリョウも共有しなきゃな」

ルーメイ「そうね」

ルオラン「悪いジョークだわ」

ミステリアスな双子。

ルオランのどこが気に入ったのかとルーメイに聞かれたリョウは「泳いでる姿が魚みたいに綺麗だった」と言うと、「私たちカナヅチだったのに」と驚くルーメイ。

もうお開きにしようと言うティエルンを制し、ルーメイはムーディな音楽をかけて踊り出す。ティエルンと踊った後、強引にリョウを誘い踊るルーメイ。

自分は勝手気ままに見えるが、心の自由を持っているのはルオランで、器用で人を惹きつける魅力もあり、女優にもルオランの方が向いている。姉がうらやましい。でも時々入れ替われば人生を2倍楽しめる。

それを聞いたルオランは怒って部屋を出て行ってしまう。追いかけるリョウ。

 

ルオランが話し始める。

子供のころ、よくブランコで遊んでいた2人。ある日、ルーメイが強く押し、怖くなった自分は飛び降りようとしたら高く飛び、頭を地面に打ち付けてたくさんの血が出たが、大人になってその話をすると、ルーメイは飛び降りたのは自分だと言うのだが、飛び降りたのは自分だし、その時の傷跡もある。

自分が選ぶ人生はいつも妹に奪われる。その度に自分は自分でなくなっていく。演技に興味を持ったのも、ティエルンと出会ったのも、自分が先なのに。

時々、彼女が消えてほしいと思ってしまう自分が嫌だ。私が消えればいい?

そう言って泣くルオランは、ティエルンの事を愛しているようだ。

優しく受け止め、抱きしめるリョウ。

「ダメだ、消えないで」

 


ルオランを心配したリョウは、ティエルンの車に乗り、リョウの部屋へ一緒に帰る事に。

彼女にベッドを貸し、ソファで眠るリョウ。

翌朝、早く目覚めたルオランは、階段を下りて店に行ってみる。

そこにあった大きな掛け時計の音に耳を澄ますルオラン。

 

店主も起きており、ルオランと2人で朝食を作っていると、リョウも起き出してくる。静かで平穏な3人での朝食。

 

時計が5分遅れている事に気づいていたルオランが、リョウに何故なのかと尋ねると、「ちょっと得した気分になる」とリョウ。

ルオランに「欲張りなのね」と言われたリョウは、自分じゃなく、つき合っていた彼女なのだが、亡くなってしまったのだと話す。

”世界に追いつく程度の5分”を彼女は楽しんでいた。だからバチが当たった。僕だけが残された。

 

「上海と東京の時差は1時間あるので、彼女は上海で55分早く生きている事になる」とルオラン。

リョウ「そっか、、、でもこのままでいい」と5分遅れの時計を直さない。

 

 

路上映画を見に行った2人は、初めて手をつなぐ。

 

デートしたり、一緒に過ごす2人。

 

 

 

リョウは、自分で作った腕時計をルオランにプレゼントする。

「君のために作った」

時間は5分遅れている。


ある日、映画に出かけたが、上映時間が合わず次の回にしようと言って、リョウが飲み物を買いに行った間に、ルオランは、ルーメイと間違われ、街の人たちに騒がれてしまう。

そこへ通りかかったティエルンが、ルオランを助け、手を引き車に乗せて連れ去る。(リョウが戻った時にはルオランは居なかった・・。)

「有名になったな。大丈夫?」と気づかうティエルンは、ルオランの事をルーメイだと思っている様子だが、ルオランは敢えて訂正せず、ティエルンからのプレゼントの洋服を受け取る。

 


突然、妹ルーメイとモーリシャスへ旅行に行く事になったと言うルオラン。ティエルンにもらった洋服を着ている・・。

 

店で時計の修理をしているリョウ。ラジオからモーリシャス沖でクルーザーが事故を起こしたニュースが流れる。

 

モーリシャスはルオランが、ルーメイと一緒に旅行中の土地。そこでの事故で、中国人女性1人が遭難・・。

 

<1年後>

(モーリシャスでの事故で、ルオラン(姉)は亡くなり、ルーメイ(妹)だけが生き残り、ティエルンと結婚して女優を続けている)

 

映画の撮影をしているルーメイ。

映画監督は、ルーメイは事故以来、自由を得た別人のように変わったと言う。大きな事故にあい、死に直面し見える世界が変わったんだろうと。

それを少し怪訝な表情で聞いているティエルン。

 


リョウは、その後もジムに通ってプールで泳ぎ、時計店で修理工として過ごしている。

そこへティエルンから電話がかかり、ティエルンは、生き残ったのは実はルーメイではなく、ルオランなのではないかと疑っている事を知る。会って確かめてほしいと言われ、ルーメイに会いに行くリョウ。

 

ルーメイは、事故の直前、ルオランが自分にくれたというロザリオ(十字架のネックレス)を見せる。ルオランがどうしてこれを持っていたのかはわからないが、泳げない自分(ルーメイ)にお守りにくれたのではないかと思っていて、生き残ったのはルオランのおかげだと話す。

 

ティエルンに自分はルーメイではなく、ルオランじゃないかと疑われているというルーメイ。彼に言われて、会いに来たリョウに、悲しげに笑う彼女。

毎日、疑いの目で見られているうちに、本当に自分はルオランなんじゃないかと思えてくると言う。

自分はルーメイの事も、ルオランの事も、全部知っているのだから・・。

リョウは不安げに聞いている。

そこへリョウが選んだ、ルーメイへの婚約祝いの時計が鳴りだす。近づいて時間を確認してみる。

彼女はルーメイなのか、ルオランなのか。

部屋を出るとティエルンが待っていて、どうだったかと聞く。

リョウ「彼女はルーメイですよ、ルオランではない」

それでもティエルンは疑いが晴れず、日ごろからルオランの話をしていて「私」と言ったりすると言う。

リョウ「なぜ入れ替わる必要があるのか、別の人間なんだから入れ替わるなんて不可能だ」

ティエルン「本当にそうか!?」

リョウ「じゃあなぜ、ルオランではなくルーメイを選んだんですか!」

モーリシャスの病院で目覚めた彼女はあなたの手を握った。それがすべて。彼女はルーメイ。

立ち尽くすティエルン。立ち去るリョウ。

ルオランが深い悩みを抱えていた事、ティエルンを愛していた事、ルーメイが消えればいいと思っていた事などを知っているリョウは、どちらであったとしても、、、ルオランであったとしても、彼女が生きてティエルンを選んだという事実を受け入れようとしているのか。

 


<1年前・病院にて>

ティエルンの手をとった彼女を見て、リョウは立ち去った。


 

旅先のルオランから来た手紙を見返すリョウ。そっと引き出しにしまう。


家で洋服を選ぶルーメイ。夫のティエルンが「それがいい」と言った服は、ルーメイだと勘違いしたままルオランにプレゼントした服。

「気に入ってないのか? 俺が買ったろ? 覚えてない?」

忘れている様子のルーメイ。

 

ルーメイの両親とティエルンとの食事。両親が「今度のティエルンの映画良かった」と話すが、ルーメイは「まだ観てない」と返事。

ティエルン「何言ってるんだ、一緒に試写会で見たじゃないか」

モーリシャスに行く前に見た筈の映画を覚えていないルーメイを見て、「やっぱりな」と言い席を立つティエルン。

 

レストランの廊下でルーメイの父親と話すティエルン。

「お義父さん、彼女はルーメイですか?」

父は「自分の娘だ、間違う筈ないだろ」と言うが、信じられないティエルンは店を出ていく。

父親は席に戻り、娘に「ルオラン」と呼びかけてみる・・。

娘「ルオランに助かってほしかったの?」

母は、こないだルオランの物を整理したらそれと同じ服(ティエルンに貰った服)が出てきたと言い、2人はいつも同じものを選ぶと話す。


どうしてもルーメイだと信じられないティエルン。なんとか間違いなく妻である事を認めてほしいルーメイは、いろいろな2人の思い出話をするが、「そんな話、ルーメイから聞いていればわかる」と取り合わないティエルン。

ティエルン「俺はルーメイを愛してた。お前は違う」

結局、離婚する事に。


ジムのプールへ行き、水に飛び込むルーメイ。溺れたところをリョウが助ける。

ルーメイ「よかった、泳げない」

リョウ「バカだな」

本当に自分がルオランなら泳げる筈と、プールに飛び込んでみたルーメイは、夫が出て行った事を話す。その日はリョウの部屋へ。

朝、起きて店へ向かい、初めてリョウの部屋へ来たルオランと同じように、掛け時計の音を聞くルーメイ。

ルオランなのか??

遅れて起きてきたリョウは、あの日のルオランと同じように、店主と朝食を作るルーメイを見る。

デジャブのような光景・・・ルオランなのか?

 

ルオランが話していた子供のころの話を、逆の立場の筈の彼女も同じ立場で話す。

ルーメイ「きっと、何度も入れ替わってる。私はいつからルーメイなのかしら」

リョウ「ブランコから落ちたのは どっち?」

ルーメイは自分だと言い、頭の傷跡をリョウに見せる。

キズがあるのはルオランではないのか?そもそも本当にブランコから落ちたのはどっちなのか?

混乱するリョウは、眠るルーメイを見つめる。

 

ルーメイが目を覚まし「リョウ、一人にしないで」と言う。

彼女にキスをし、抱きしめるリョウ。

「私はルーメイじゃないの?」と泣く彼女。


店主がいつも読んでいる詩集を手にするルーメイ

”誰も他人を愛する事はできない”

”他人のうちにいる いると思っている自分だけを愛する”

”愛されないことを悩まなくていい”

”人はお前を他人として感じたまでだ”

”お前はお前のままであろうと努めよ”

”そうすれば愛されようが愛されまいが”

”わずかな苦しみを被るだけだ”

”誰も他人を愛することはない”


なぜ彼女をルオランだと思うのかをティエルンに聞きに行ったリョウ。

自分にはわかると言うティエルン。

頭の傷跡の事も、ティエルンはルーメイから聞いていて、リョウはルオランから聞いている。どちらが本当なのかわからないが、そもそもティエルンに以前、傷跡を見せたのがルーメイだったという保証もないし、もうどっちでもいい、うんざりだ・・・。本人が自分の見分けがつかない訳がない。とティエルン。

 


店へ戻ると、彼女がいなくなっていた・・。バイクで探しに行くが見つからない。

 

彼女の旅先からの手紙を思い出すリョウ。

”モーリシャスは帰りたくなくなるほど、素敵です。久しぶりに2人だけで過ごす時間は、子供のころに返ったように錯覚してしまう。

誰も私たちを知らないのに服を交換してみた。私たち、双子に生まれてよかったわ。心からそう思える。

リョウ、今頃あなたはどうしているのかな。時計店の音がもう懐かしいです。これからはもっと自分の時間を大切にしたい。

リョウ、次にあなたに会う時は、私は今を生きてみたい。5分前でも5分後でもない、今を。

ルオランより”

どういう意味だったのか。

 


彼女は一人、再びモーリシャスへ。

2人で訪れた教会へ行き、

あの日、ルオランが、こっそり

置かれていたロザリオを持って行く代わりに置いてきたリョウからもらった時計。

今度はその腕時計を手に取り、ロザリオをもとに戻す。

 

リョウに対し、姉のルオランが【なぜ持っていたのかわからない】と説明していたロザリオ。

ルオランがリョウに貰った腕時計と交換した事を知っていた矛盾。
やはり、ルーメイではなくルオランのよう

 


何かの気配に気づいたリョウが店へ降りて行くと、リョウの机に置かれている腕時計を見つける。リョウがルオランに送った、あの腕時計。

慌てて店を飛び出すと、彼女が歩いていく後姿。

声をかけようとした時、店の時計が0時を告げる。返された腕時計も0時。

(プレゼントした時は5分遅れだったが、今は遅れていない)

”リョウ、次にあなたに会う時は、私は今を生きてみたい。5分前でも5分後でもない、今を。”と手紙に書いていたルオラン。時計を合わせて今を「リョウ」と生きなおすつもりなのか?それとも別れ?

 

何も言わず立ちすくむリョウ。振り向く彼女。

 

THE END

 

(C)東映

時間 : 2 時間 9 分
発売日 : 2015/7/8
出演 : 三浦春馬, 劉詩詩, 張孝全
言語 : 中国語 (Dolby Digital 5.1)
販売元 : アミューズソフト
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考察

ルオランとルーメイ。

幼い頃から何度も入れ替わって生きてきた2人の人生は2人分で1人だったのか。

どちらもお互いを嫉妬しながらも愛し、お互いがお互いになりたいと願ったり、相手がいなくなればと願ったりしながら、深い闇を抱えていた。

リョウが恋をしたのは、ルオラン。でもそもそも、いつもルオランだったかどうかも、もうわからない。時々ルーメイだったかもしれない。

生きて帰ってきたのも、どちらなのかわからない。

彼女が「自分はルーメイだ。ティエルンと生きる」と言うならそれを受け入れようとしたリョウ、実はルオランだったとしても・・。

 

優しいリョウの切ない物語。

綾糸: 綾糸 主婦 1990年代、汎用機時代のエンジニア 趣味で長くやっていたweb制作は、未だにエディタでの手コーティング 現在は自宅でゆるりとweb制作やライターをしています