はじめに
WordPressを利用して簡単に会員制サイトを構築できる、シンプルで使いやすい会員制プラグイン「Simple Membership」の活用方法をご紹介します。
このプラグインを使えば、手軽に会員登録やログイン機能、コンテンツの閲覧制限などを実装できます。
Simple Membershipの特徴
Simple Membershipは、WordPressで会員制サイトを作成するための優れたプラグインです。無料で導入でき、有料会員の管理や決済機能、メール通知機能なども備わっています。
無料から始められる
Simple Membershipは基本的な機能を無料で提供してくれるため、無料で始められます。会員登録フォームやログインフォーム、記事の閲覧制限など、会員制サイトに必須の機能が揃っています。
有料のアドオンを追加購入することで機能を拡張することもできます。
アドオンには無料のものもあり、お勧めのアドオンも「アドオンを利用する」の項でご紹介しています。
無料で使える主な機能は以下の通りです。
- 会員登録フォームの設置
- ログインフォームの設置
- 記事や固定ページの会員限定公開
- 会員レベルの設定
- 会員情報の管理
- 決済システムの導入
会員レベルの設定
Simple Membershipでは、会員を無料会員や有料会員など、複数のレベルに分けて管理できます。会員レベルごとに閲覧できるコンテンツを設定することで、きめ細かい権限管理が可能になります。
例えば以下のような会員レベルを設定できます。
- 無料会員: 一部の記事やページのみ閲覧可能
- 有料会員: すべての記事やページを閲覧可能
- ゴールド会員: 限定コンテンツやオンラインセミナーも視聴可能
決済システムとの連携
有料会員を設ける場合は、サイト上で決済を行える課金システムとの連携が必要になります。Simple Membershipでは、PayPal、Stripeと簡単に連携できるよう設計されています。一度設定を行えば、会員がその決済システムで支払いを完了すると自動で会員登録が行われます。
いずれの仕組みもサブスクリプション課金も可能です。PayPalの場合は、利用者側にもアカウント作成が求められるため、Stripeの方がユーザーには便利かもしれません。
Simple Membership設定の流れ
続いて、Simple Membershipのセットアップ方法について解説します。設定は管理画面から行えるので、手順通りに進めば、比較的簡単に会員制サイトの構築が可能です。
- Step1会員レベル設定「WP Membership」→「会員レベル」から必要なレベルを追加
- Step2一般設定「WP Membership」→「設定」→「一般設定タブ」
無料会員レベルの有効化
Moreタグ以下のコンテンツを限定公開
コメントは会員のみに許可する
・・などの設定 - Step3詳細設定「WP Membership」→「設定」→「詳細設定タブ」
管理バーを表示するか
ダッシュボードへのアクセスを無効に
利用規約、プライバシーポリシーの有効化
・・などの設定 - Step4会員登録「WP Membership」→「メンバー」→「メンバー追加タブ」
- Step5限定公開の設定固定ページや投稿ページの編集画面でページ単位の保護設定を行う
- Step6支払いの設定必要な場合は決済システムの設定を行う
「WP Membership」→「支払い」
プラグインのインストールと有効化
まずはSimple Membershipプラグインをインストールし、有効化します。プラグインを有効化すると、自動で会員登録ページやログインページなどの固定ページが作成されます。
会員レベルの設定
次に、会員レベルの設定を行います。管理画面のWP Membership > 会員レベルから、新しい会員レベルを作成できます。
レベル名、ユーザー権限、有効期限などを指定しましょう。
無料会員レベルの設定例:
- 会員レベル名: 無料会員
- ユーザー権限: 購読者
- 有効期限: 無期限
有料会員レベルの設定例:
- 会員レベル名: プレミアム会員
- ユーザー権限: 編集者
- 有効期限: 1年
一般設定・詳細設定
次に、一般設定を行います。管理画面のWP Membership > 設定から設定できます。
- 無料会員を有効/無効にする(一般)
- 「More」タグ以降のコンテンツを会員限定にする(一般)
- 管理バーの表示/非表示を設定する(詳細)
- ダッシュボードへのアクセスを制限する(詳細) など
無料会員を有効にする場合は、無料会員のレベルIDを入力する必要があります。
メールの設定
Simple Membershipでは、会員登録の際に通知メールを送信できます。このメール設定を適切に行うことで、会員への情報伝達を円滑に行えます。
メール設定の概要
メール設定は、管理画面のWP Membership >設定>メール設定から行えます。主に以下の種類のメールについて設定できます。
- 会員登録完了メール
- パスワードリセットメール
- 会員レベルアップグレードメール
メール本文は自由に編集でき、ユーザー名やログインURLなどのテンプレートタグを使うことができます。メールの件名や送信元アドレスの設定も可能です。
コンテンツの会員限定公開
ここまでの設定を終えれば、会員登録やログインの仕組みは整ったことになります。次は、投稿した記事やページを会員限定で公開する方法を見ていきましょう。
投稿・固定ページの閲覧制限
Simple Membershipでは、個別の投稿や固定ページについて、閲覧できる会員レベルを設定できます。つまり、無料会員にはあるページしか見せない、有料会員には全て公開する、などの設定が可能になります。
投稿画面または固定ページ画面の下部にある「アクセス制限」セクションから、該当する会員レベルにチェックを入れれば閲覧制限をかけられます。
また、「Simple Membership Partial Protection」という無料のアドオンを使えばページ内の一部など部分的な保護をかけることも可能えdす。
【例】非会員が閲覧可能なページの一部に保護をかけ、そこは会員のみが閲覧可能とする
カテゴリーごとの閲覧制限
投稿やページだけでなく、カテゴリーごとに閲覧制限をかけられます。カテゴリー編集画面からアクセス制限を設定すれば、そのカテゴリー配下のコンテンツが一括で制限されます。
この機能を使えば、例えば「ビジネス」「経済」のカテゴリーは無料会員でも見られるが、「投資」カテゴリーは有料会員のみ閲覧可能、といった運用ができます。
ショートコードの活用
Simple Membershipでは、フォーム用のショートコードが用意されています。
▼会員登録フォーム
※会員レベルを指定する場合はlevel=に続けて会員レベルIDを記入 無料会員
[swpm_registration_form level=3]
▼ログインフォーム
▼パスワードリセット
▼プロフィール編集
▼支払いボタン
決済設定
Simple Membershipでは、PayPalやStripeなどの決済サービスと連携して有料会員の課金を行うことができます。ここではPayPalの設定方法について解説します。
PayPalの設定
まずはPayPalのビジネスアカウントを作成します。個人アカウントでは支払いしかできず、受取を行うためにビジネスアカウントが必要です。
「設定」>「支払い設定」からPayPalの設定を行います。
ボタンの設定
購入用のPayPalボタンを作成し、そのショートコードを投稿や固定ページ内に設置すれば、PayPalで会員登録の課金が可能になります。
コンテンツの保護について
会員制サイトの場合、コンテンツの保護が必要になりますが、PDFファイルはそのまま表示すると自由にダウンロードが出来てしまいます。
また、PDFファイルが新しいタブで開くと、そのURLが検索エンジンに登録されてしまい、誰でも見る事ができる状態となる恐れもあります。
そういった場合の対処方法は以下をご覧ください。
高度な設定と拡張
Simple Membershipには、上記以外にも様々な高度な設定や機能があります。ここからはそういった機能について見ていきましょう。
アドオンを利用する
アドオンを追加する事で、様々な機能拡張が可能です。アドオンには無料で使えるものと有料のものがあります。
無料か有料かは、アドオンページを開いてみなければわかりません。
無料の場合は下図のようにダウンロードリンクがあります。
お勧めの無料アドオン
Simple Membership Partial Protection ページ単位ではなく、ページ内の一部など部分的な保護が可能となります。 | |
Custom Messages 基本が英語なので、変な日本語で表示されるメッセージのカスタマイズが可能になります。 | |
Miscellaneous Shortcodes & Features Addon 期限切れのアカウントを自動的にダウングレードできます。 | |
After Login Redirection ログイン後のリダイレクト先を変更できます。 |
有料アドオンについて
メンバーの一覧データをエクスポートするアドオンもありますが、こちらは有料です。
有料アドオンの場合は、下図のようにライセンス購入案内が表示されます。
条件分岐タグの活用
Simple Membershipには、条件分岐のためのタグが用意されています。これらを使うと、ログイン済みかどうか、特定の会員レベルかどうかに応じてコンテンツを変更できます。
例えば以下のようなコードを使えば、有料会員のみにコンテンツを表示できます。
<?php if ( swpm_is_level(5) ) { ?> // 有料会員向けのコンテンツ <?php } ?>
まとめ
以上、Simple Membershipの主要な機能と設定方法について解説してきました。このプラグインを使えば、手軽に会員制サイトを構築できることがおわかりいただけたと思います。
Simple Membershipは無料から始められる点が大きなメリットで、サイトの成長に合わせて機能を追加できます。会員レベルによる閲覧制限や、PayPalとの連携による課金システムなど、様々な機能が揃っているのも魅力です。
一方で、日本語の対応が十分でない部分もあり、メールのテンプレートなどは自分で翻訳する必要があります。また、プラグインの設定にはある程度の知識が必要になることもデメリットと言えるでしょう。
しかしながら、会員制サイトを運営したい方には、Simple Membershipを一度試してみる価値は十分にあります。低コストで会員サイトを作れるだけでなく、確実に収益にもつながるでしょう。
本記事を参考に、ぜひ会員制サイトの構築にSimple Membershipを活用してみてください。