集英社出版四賞「小説すばる新人賞」とは?受賞作品のすべて


 

小説すばる新人賞とは

公募 発表:10月

主  催:集英社
対  象:ジャンル不問、エンターテインメント小説で未発表作品

発  表:「小説すばる」で行う
一次選考通過作品    9月号
二次・三次通過作品   10月号
最終候補作および受賞作 11月号

※年により発表は前後する可能性があります。
※翌年2月頃に単行本刊行

出典:ウィキペディア集英社

 

集英社出版四賞のひとつ。
小説すばる新人賞柴田錬三郎賞すばる文学賞開高健ノンフィクション賞
柴田錬三郎賞・第1回(1988年)~現在までの受賞作品のすべて
柴田錬三郎賞とは 発表:10月 主催:集英社 後援:一ツ橋綜合財団 対象:刊行された小説 対象期間:前年7月1日~当年6月30日 1988年に柴田錬三郎の業績を称えて創設。 出典:ウィキペディア、集英社 柴田錬三郎(ウィキペディア) 生年月...
集英社出版四賞「すばる文学賞」とは?受賞作品のすべて
すばる文学賞とは 公募 発表:9月 主  催:集英社 対  象:純文学・短編 発  表:9月に決定 文芸誌『すばる』11月号に掲載 翌年2月頃 単行本刊行 出典:ウィキペディア、集英社 集英社出版四賞のひとつ。 小説すばる新人賞、柴田錬三郎...
開高健ノンフィクション賞・受賞作品のすべて
開高健ノンフィクション賞とは 公募 発表:7月 主  催:集英社 後  援:一ツ橋綜合財団 対  象:未発表もしくは未刊行の作品 プロ・アマ・年齢等 不問 作家の開高健を記念して創られた文学賞。 発表は月刊誌『小説すばる』、PR誌『青春と読...

 

以下、受賞時から改名した作者、改題した作品タイトルもありますが、すべて単行本発行時の著者名とタイトルになっています。

第21~36回(2008~2023)

著者/受賞作
第37回

2024年

須藤アンナ/グッナイ・ナタリー・クローバー

2025年2月 刊行予定

霧の町、チェリータウンのモットーは「壊れていないなら直すな」。軽犯罪に溢れ、誰も彼もが俯いて歩く日々。酒場を経営する支配的な父、父の暴力から庇ってくれない兄・エディ、出て行った母。人生に絶望し夜を恐れる十三歳のソフィアは、向かいに住む無口な老人、ミスター・ブラックの家にやってきた、ナタリー・クローバーという少女と出会う。彼女は事故の後遺症で一週間ごとに記憶喪失になってしまう、自称「毎週生まれ変わる」少女。親戚中をたらい回しにされ、夏休みが終われば孤児院に戻らなければいけないという。チェリータウンを訪れた記録を残すため、ナタリーは町を歩き回り地図を作り始める。町から出たことが無いソフィアは、週ごとに喋り方や態度が変わる破天荒なナタリーに困惑し時に反発するが、その自由さに憧れを抱いていく。

第36回

2023年

逢崎遊/正しき地図の裏側より

定時制高校に通いながら無職の父に代わり働く耕一郎は、ある冬、苦労して貯めた八万円が無くなっていたことに気づく。
このことを父に問い質すと、父は金を使ったことを悪びれもせずに認めた上、予想を超える衝撃の言葉を言い放った。
衝動的に父を殴り飛ばした耕一郎は、雪の中に倒れた父を放置して故郷を逃げるように去る。
しかし、僅かな所持金は瞬く間に減り、逃亡生活は厳しくなる一方。
遂に金が底をつき、すべてを諦めようとしたそのとき、
「……なに、訳あり?」
公園の隅、小さなホームレスの溜まり場から、ひとつの手が差し伸べられる。
出会いと別れを繰り返し、残酷な現実を乗り越えた先、故郷へと帰る決意を固めた耕一郎を待ち受けていたものは――。

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神尾水無子/我拶もん

寛保二年。大名や旗本の駕籠を担ぐことを生業とする陸尺の桐生は売れっ子として江戸で人気を誇っていた。ある日、芝居小屋の《市村座》で木戸番と陸尺の大乱闘が勃発。相方の龍太が巻き込まれたと知った桐生は仲間の翔次と共に駆けつける。だが龍太は捕えられ、騒ぎを収めようとしたはずの桐生も結託した仲間に裏切り者扱いされ仕事を干されてしまう。暇を持て余していた八月のある日、大雨により江戸で大洪水が発生。桐生は辛うじて生き延びるも商売道具の右腕に大怪我を負い、かつて恋仲であった娘・おみねも目の前で濁流に呑まれてしまう。何もかも失った桐生は《市村座》の騒動を機に知り合った玄蕃頭・有馬頼ユキ(※)に救われ屋敷で世話になることになり、懇ろだった深川芸者の粧香とも再会。一方、頼ユキの近習である坂西小弥太は、主君が桐生を気に入り、また幼い頃から恋心を抱いていた頼ユキの姉・梅渓院までもが執心であることにいら立ちを覚えていた。そして、使い物にならず腐っていた桐生を痛罵し、桐生は有馬家を去るのだが……。

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第35回

2022年

青波杏/楊花ヤンファの歌

※「亜熱帯はたそがれて ――廈門あもい、コロニアル幻夢譚 」を改題

1941年、日本占領下の福建省廈門。
大阪松島遊廓から逃走して、上海、広州、香港と渡り歩き、廈門に辿り着いたリリーは、抗日活動家の楊に従い、カフェーで女給として働きながら諜報活動をしていた。あるとき、楊から日本軍諜報員の暗殺を指示され、その実行者として、琥珀色の瞳と蛇の刺青が印象的なヤンファという女性を紹介される。
中秋節の晩をきっかけに強くヤンファに惹かれていくリリーにとって、彼女と過ごす時間だけが生への実感を持てるひとときになっていた。
しかし、楊から秘密裏に出されていた指令は、暗殺に失敗した場合はヤンファを殺せというものだった……。

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第34回

2021年

永原皓/コーリング・ユー

海洋研究所に勤めるイーサンと飼育員のノアのもとに、国際バイオ企業からある依頼が舞い込んだ。世界環境を救うかもしれない微生物を収めた貴重なキャニスターを、シャチを訓練して海底から回収して欲しいという。間もなく訓練用の仔シャチが到着。イーサンはセブンと名付けられたそのシャチが愛情深く、他動物と言語によるコミュニケーションが出来ることに気づく。しかしここに来る前にいた海の世界では、セブンはカイという名で、好奇心が災いし、従姉のエルと共に人間に捕獲されたのだった。ある日、外洋での訓練中、離れ離れになったエルが苦境にあることをクジラから聞いたセブンは、心配のあまり不調に陥る。その様子を見たイーサンは、苦心の末、セブンの不調の原因を突き止め、ミッション終了後にシャチたちを故郷の海に帰すことを決意する。果たしてセブンは無事ミッションを遂行することが出来るのか――。

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第33回

2020年

鈴村ふみ/櫓太鼓がきこえる

高校を中退した十七歳の篤は、親から無言の圧力がかかる中、行方の見えない毎日を過ごしていた。その現実から逃げ出すため、相撲ファンの叔父のすすめで相撲部屋に「呼出」の見習いとして入門することに。関取はおらず、弟子も少ない弱小部屋とも言える朝霧部屋で、力士たちと暮らし、稽古と本場所を繰り返す日々が始まった。
部屋違いの呼出である直之さんは、歳は同じながら角界入りは二年早い兄弟子である。声のよさと愛らしい顔立ちで人気があり、すでにファンもついていた。面倒見もよく、篤に助言をくれたり、相談に乗ってくれたりと、ありがたい存在だった。

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第32回

2019年

上畠菜緒/しゃもぬまの島

人を天国へと導く幻獣「しゃもぬま」が住む島。美しい少女たちの記憶と、呪われた家系の秘密。あの世へと誘われるのは、いったい誰なのか。幻想と現実を切り裂く、衝撃のデビュー作。

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佐藤雫/言の葉は、残りて

海沿いの地にある鎌倉幕府。
美しい景色とうらはらに、そこには陰謀、嫉妬、憎しみが渦巻いていた。そんな中、若き三代将軍・源実朝のもとに、摂関家の姫・信子が嫁いでくる。
突然の縁談と異国の地に不安を覚える信子だったが、実朝の優しさと生まれて初めての海の匂いに包まれ、次第に心をゆるしていく。
一方の実朝も、信子が教えてくれた和歌の魅力に触れ、武の力ではなく言の葉の力で世を治めたいと願うようになる。
しかし、殺戮さえいとわない醜い権力争いが、ふたりを否応なく悲しみの渦に巻き込んでいく――。
新世代の作家が描く、何度も心を揺さぶられる歴史恋愛小説。

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第31回

2018年

増島拓哉/闇夜の底で踊れ

35歳、無職、パチンコ依存症の伊達。
ある日、大勝ちした勢いで訪れたソープランドで出会った詩織に恋心を抱き、入れ込むようになる。やがて所持金が底をつき、闇金業者から借りた金を踏み倒して襲撃を受ける伊達だったが、その窮地を救ったのはかつての兄貴分、関川組の山本だった。
その後、山本との奇妙な共生生活を続けながら、詩織に一層のめり込んでいく伊達。
一方、関川組の組長引退をきっかけにした内紛が抗争へと発展し、関川組周辺にきな臭い空気が立ち込める。
伊達の秘められた過去、そして山本が伊達の前に現れた本当の理由が明かされるとき、事態は思いもよらぬ方向へと転がり進んでゆく――。

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第30回

2017年

安壇美緒/天龍院亜希子の日記

人材派遣会社に勤める田町譲・27歳。
ブラックな職場での長時間勤務に疲れ果て、プライベートでは彼女との仲がうまくいかない。なんとなく惰性で流れていく日常。
そんな平凡な男の日々を勇気づけるのは、幼い頃に憧れていた野球選手と、長らく会っていない元同級生の「日記」だった――。

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第29回

2016年

青羽悠/星に願いを、そして手を。

大人になったら僕たちは、“夢”と向き合う。中学三年生の夏休み。宿題が終わっていない祐人は、幼馴染の薫、理奈、春樹とともに、町の科学館のプラネタリウムに併設された図書室で、毎年恒例の勉強会をおこなっていた。小学校からずっと一緒の彼らを繋いでいたのは、宇宙への強い好奇心だった。四人でいれば最強だと信じて疑わなかった。時が経ち、大人になるまでは。それぞれ別の道を歩んでいた彼らが、大切な人の死をきっかけに再び集まることになる―。第29回小説すばる新人賞史上最年少受賞作。(2000年生まれ・受賞時:高校2年生

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第28回

2015年

渡辺優/ラメルノエリキサ

「お前絶対ぶっ殺すからな!」女子高生・小峰りなは、夜道で背中を切られながらも、逃げる人影に叫んだ。退院後、りなは犯人を探すが、糸口は「ラメルノエリキサ」という犯人が残した謎の言葉のみ。そんな中、新たな通り魔事件が起こる。二つの事件を結ぶのはりなの元カレで!?完璧な母親に苛立ち、犯人への復讐に異常なまでの執念を燃やす少女が疾走する青春小説。

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第27回

2014年

中村理聖/砂漠の青がとける夜

溝端さんと会わなくなってから、人肌の温度を深く味わう機会はほとんどなかった。準君の気配を感じようとすると、高校生の頃初めてできた彼氏の穏やかな声を思い出した。痣があるはずの腕の温もりを思うと、大学時代に随分長いこと付き合った、一つ年上の先輩の部屋の匂いを思い出した。付き合いそうで付き合わず、何となく疎遠になった男の人たちの肌の記憶が、私の中で蘇る。けれどこの部屋には誰もいない。卓上ライトの光が青白さを孕んでゆくように思い、私は無性に寂しくなった―。

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第26回

2013年

周防柳/八月の青い蝶

「わしはずっと八月を、くり返してきたんじゃ」。急性骨髄性白血病で自宅療養することになった亮輔は、中学のときに広島で被爆していた。ある日、妻と娘は亮輔が大事にしている仏壇で古びた標本箱を見つける。そこには前翅の一部が欠けた小さな蝶がピンでとめられていた。それは昭和二十年八月に突然断ち切られた、彼の切なくも美しい恋を記憶する品だった。

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第25回

2012年

行成薫/名も無き世界のエンドロール

ドッキリを仕掛けるのが生き甲斐のマコトと、それに引っかかってばかりの俺は、小学校時代からの腐れ縁だ。30歳になり、社長になった「ドッキリスト」のマコトは、「ビビリスト」の俺を巻き込んで、史上最大の「プロポーズ大作戦」を決行すると言い出した―。一日あれば、世界は変わる。男たちの命がけの情熱は、彼女に届くのか?大いなる「企み」を秘めた第25回小説すばる新人賞受賞作。

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櫛木理宇/赤と白

冬はどこまでも白い雪が降り積もり、重い灰白色の雲に覆われる町に暮らす高校生の小柚子と弥子。同級生たちの前では明るく振舞う陰で、二人はそれぞれが周囲には打ち明けられない家庭の事情を抱えていた。そんな折、小学生の頃に転校していった友人の京香が現れ、日常がより一層の閉塞感を帯びていく…。絶望的な日々を過ごす少女たちの心の闇を抉り出す第25回小説すばる新人賞受賞作。

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第24回

2011年

橋本長道/サラの柔らかな香車

プロ棋士になる夢に破れた瀬尾は、毎日公園に一人でいる金髪碧眼の少女サラに出会う。言葉のやりとりが不自由な彼女に対し、瀬尾は将棋を教え込む。すると、彼女は盤上に映る“景色”を見る能力を開花させ―。棋界に新たな風を送るサラ、将棋に人生を捧げてきたスター・塔子、数多の輝く才能を持つ七海の三人を巡り、厳しくも豊かな勝負の世界を描く青春長編。

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第23回

2010年

畑野智美/国道沿いのファミレス

佐藤善幸、外食チェーンの正社員。身に覚えのない女性問題が原因で左遷された先は、6年半一度も帰っていなかった故郷の町にある店舗だった。淡々と過ごそうとする善幸だが、癖のある同僚たち、女にだらしない父親、恋人の過去、親友の結婚問題など、面倒な人間関係とトラブルが次々に降りかかり…。ちょっとひねくれた25歳男子の日常と人生を書いた、第23回小説すばる新人賞受賞作。

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安田依央/たぶらかし

元舞台女優のマキ、39歳。あやしげな事務所に所属し、市井の人々の中で誰かの代役を務める「役者」を仕事にしている。多忙なセレブ母の代理として子供の学校に赴いたり、夫の親戚との付き合いを厭う新妻の身代わりや、更にはワケありな葬儀での死体役まで、様々な役柄をこなしている。そんな中、あやしい青年・モンゾウが、マキに無理やり弟子入りしてきて…。

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第22回

2009年

朝井リョウ/桐島、部活やめるってよ

田舎の県立高校。バレー部の頼れるキャプテン・桐島が、理由も告げずに突然部活をやめた。そこから、周囲の高校生たちの学校生活に小さな波紋が広がっていく。バレー部の補欠・風助、ブラスバンド部・亜矢、映画部・涼也、ソフト部・実果、野球部ユーレイ部員・宏樹。部活も校内での立場も全く違う5人それぞれに起こった変化とは…?瑞々しい筆致で描かれる、17歳のリアルな青春群像。

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河原千恵子/白い花と鳥たちの祈り

多感な少女の心の揺れと成長を描く
中学1年のあさぎは、母が再婚して新しい街に引っ越してきた。中学では本当の友達と言える存在はなく、新しい父にはなじめない。そんなあさぎの心の支えは、郵便局の中村さんで…。繊細に紡ぐ物語。

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第21回

2008年

千早茜/魚神

かつて一大遊郭が栄えた、閉ざされた島。独自の文化が息づく島で、美貌の姉弟・白亜とスケキヨは互いのみを拠りどころに生きてきた。しかし年頃になったふたりは離れ離れに売られてしまう。月日が流れ、島随一の遊女となった白亜は、スケキヨの気配を感じながらも再会を果たせずにいた。強く惹きあうがゆえに拒絶を恐れて近づけない姉弟。互いを求めるふたりの運命が島の雷魚伝説と交錯し…。第21回小説すばる新人賞、第37回泉鏡花文学賞受賞作。

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矢野隆/蛇衆

戦国の気運高まる室町末期、自らの力だけを頼りに各地を転戦する傭兵集団がいた。その名は「蛇衆」。頭目の朽縄をはじめ、6人は宗衛門老人の手引きで雇い主を替え、銭を稼いでいた。九州のとある地方の領主・鷲尾嶬嶄に雇われ、目覚ましい働きを見せた。だが、鷲尾家は血で血を洗う激しい跡目争いの渦中にあった!比類なき臨場感のノンストップ活劇時代小説。

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第1~20回(1998~2007)

第20回(2007年)/1216篇

天野純希/桃山ビート・トライブ

時は安土桃山。運命的に出会った四人の若者が一座を結成した。驚くべき速さで三味線を弾きこなす藤次郎。出雲のお国一座の笛役者・小平太。信長の従者だった黒人の太鼓叩き・弥介。べらぼうに喧嘩の強い天性の舞姫・ちほ。型破りな芸で熱狂的に民衆に迎えられた彼らは、やがて、庶民への支配を強める秀吉に立ち向かうことに―。エネルギッシュで爽快な、第20回小説すばる新人賞受賞作。

桃山ビート・トライブ

第19回(2006年)/968篇

水森サトリ/でかい月だな

ぼくを混乱と哀しみに突き落とし、あいつは町から消えてしまった──。
中学生の幸彦は、友人綾瀬に崖から蹴り落とされて、大好きなバスケができない身体になってしまう。無気力な日々を送るなか、やがて奇妙で不可解な現象が起こり始め……。繊細にして圧倒的スケールの青春小説!

でかい月だな

第18回(2005年)/1156篇

飛鳥井千砂/はるがいったら

寝たきりの愛犬と迷える姉弟の青春物語
両親が離婚し離れて暮らす姉弟。完璧主義の姉・園は不毛な恋愛にはまり、体が弱く冷めた性格の弟・行は進路に悩んでいる。寝たきりの愛犬・ハルを間に揺れる二人。

はるがいったら

第17回(2004年)/1176篇

三崎亜記/となり町戦争

現代的戦争の恐怖。
ある日、突然に始まった隣接する町同士の戦争。公共事業として戦争が遂行され、見えない死者は増え続ける。現代の戦争の狂気を描く傑作。文庫版のみのボーナストラック短編を収録。

となり町戦争

第16回(2003年)/1073篇

山本幸久/笑う招き猫

男と並んで愛誓うより、女と並んで笑いを取る、それが二人のしあわせなのだ!駆け出しの漫才コンビ、『アカコとヒトミ』。超貧乏で彼氏なし、初ライブは全く受けずに大失敗。おまけにセクハラ野郎の先輩芸人を殴り倒して大目玉。今はぜんぜんさえないけれど、いつかはきっと大舞台。体に浴びます大爆笑―。夢と笑いとパワーあふれる傑作青春小説。

笑う招き猫

第15回(2002年)/958篇

関口尚/プリズムの夏

「わたしはわたしをやめたい。もう消えてしまいたい。」ネットで見つけた、うつ病女性の日記。高3のぼくは、書いているのが片思いの相手・松下さんではないかと疑い始める。映画館で働く美しい彼女にそんな気配はないけど、証拠は積み重なる。死へ向かう、日記の女性が松下さんなら、ぼくは助けたい。どんなに苦しいことがあっても―。ひたむきな想いを描く青春小説。

プリズムの夏

第14回(2001年)/912篇

松樹剛史/ジョッキー

栄光に向かって疾走する、若き騎手の青春。
女子アナとの淡い恋、横暴な馬主との確執、馬への愛情――様々な思いを抱え、心優しき騎手は天皇賞の大舞台に挑む。魅力的な登場人馬を描く第14回小説すばる新人賞受賞作。

ジョッキー

第13回(2000年)/986篇

堂場瞬一/8年

オリンピックで華々しい活躍をし、当然プロ入りを期待されたが、ある理由から野球を捨ててしまった投手・藤原雄大。8年後、30歳を過ぎた彼は、突然、ニューヨークのメジャー球団に入団する。あの男ともう一度対戦したい!その悲願のためだけに…。一度は諦めた夢を実現するため、チャレンジする男の生き様を描くスポーツ小説の白眉。

8年

第12回(1999年)/1066篇

竹内真/粗忽拳銃

入門5年目、いまだ前座の噺家・流々亭天馬。ひょんなことから拳銃を拾い、ふざけ半分で引き金を引くと、なんと実弾が飛び出した!この出来事が天馬と仲間たちの未来を変えていく。自主映画監督、売れない劇団員、見習いライター。それぞれの夢に向かって走りつづける若者たちを描く、爽快な青春ストーリー。

粗忽拳銃

第11回(1998年)/1354篇

池永陽/走るジイサン

頭の上に猿がいる。話しかければクーと鳴き、からかえば一人前に怒りもする。お前はいったい何者だ―。近所の仲間と茶飲み話をするだけの平凡な老後をおくっていた作次。だが、突然あらわれた猿との奇妙な「共同生活」がはじまる。きっかけは、同居する嫁にほのかな恋情を抱いたことだった…。老いのやるせなさ、そして生の哀しみと可笑しさを描く、第11回小説すばる新人賞受賞作品。

走るジイサン

野中ともそ/パンの鳴る海、緋の舞う空

「スティールドラム(パン)が好きな男性募集」NYの新聞にそんな恋人募集の個人広告が載る。広告を出したのは作詞家マヤ。電話をかけたのは地下鉄車掌グレゴリー。埋めがたい心の穴を抱える二人は、電話だけの付き合いを続けるうちに心を許し合っていく。やがてパンの故郷トリニダッド・トバゴで会う約束を交すが―。傷を抱えた男女の切なく激しい恋の行方は?

パンの鳴る海、緋の舞う空

第10回(1997年)/1231篇

荻原浩/オロロ畑でつかまえて

人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる―。第十回小説すばる新人賞受賞、ユーモア小説の傑作。

オロロ畑でつかまえて

熊谷達也/ウエンカムイの爪

北海道で撮影旅行中の動物写真家・吉本はある日、巨大なヒグマに襲われ、九死に一生を得る。彼を救ったのは、クマを自在に操る不思議な能力を持つ謎の女だった。その女を捜し求める吉本が見たものとは?野性と人間の壮絶な闘いを通して、生命の尊厳と自立を描いた傑作。

ウエンカムイの爪

第9回(1996年)/1256篇

森村南/陋巷の狗

幕末の京洛を、血に染め上げたアウトローたち。小説すばる新人賞受賞作!阿刀田高、五木寛之、井上ひさし、田辺聖子、4人の選考委員が一致して評価した、弱冠20歳の、この熱気、このパワー。かたや、「人斬り以蔵」の異名で恐れられた土佐浪人・岡田以蔵。かたや、坂本竜馬の用人棒・朱楽万次。アウトローたちの凄絶な戦いを、ジャンプ世代の感覚で描ききった強烈弾。

陋巷の狗

第8回(1995年)/1306篇

早乙女朋子/バーバーの肖像

「あのころ、バーバーの手のぬくもりだけが救いだった」 別れを告げてきた少女期の夢のかけらたちのレクイエム。悲しい少女期、愛と癒しの物語。

バーバーの肖像

武谷牧子/英文科AトゥZ

大学英文科を舞台に、若く美しい志村麻美と、文芸評論家蓬田健のロマンスを、教授会の戯画的世界に描く。英単語に秘められた意外なストーリーとは…?

英文科AトゥZ

第7回(1994年)/1448篇

上野歩/恋人といっしょになるでしょう

浅草にある玩具月報社に勤める僕と儚げな彼女。揺れる心が愛に変わる時、僕たちは同じ月を見ていた…。あてどない平和のなかの、おかしくて少し哀しい青春。

恋人といっしょになるでしょう

冨士本由紀/包帯をまいたイブ

「僕」はレズビアン・バーに男役として勤める女。冴子という美女と同棲している。胸にさらしを巻いた店長の麻生にも、金持ちのパトロネーゼがいる。だが「僕」の心には麻生がいて、麻生もまた…。麻生の入院をきっかけに、愛を確認したふたりだが、いざベッドインすることになって男役同士、女になって愛されることができない。ばりばりスタンダードなレズビアンたちの切ない「純愛」の行方は。

包帯をまいたイブ

第6回(1993年)/1307篇

佐藤賢一/ジャガーになった男

伊達藩士・斉藤小兵太寅吉は恋人を捨て、冒険を求めて、支倉常長遣欧使節に加わった。着いたイスパニアはすでに全盛期の栄光を失っていたが、一人のイタルゴ(戦士)と意気投合し、共に戦場に赴くために、帰国する使節団と訣別する決心をする。壮大なスケール、波瀾万丈の歴史ロマン。第6回小説すばる新人賞受賞作に大幅加筆、600枚の長編となったロング・バージョン。

ジャガーになった男

村山由佳/天使の卵

そのひとの横顔はあまりにも清洌で、凛としたたたずまいに満ちていた。19歳の予備校生の“僕”は、8歳年上の精神科医にひと目惚れ。高校時代のガールフレンド夏姫に後ろめたい気持はあったが、“僕”の心はもう誰にも止められない―。第6回「小説すばる」新人賞受賞作品。みずみずしい感性で描かれた純愛小説として選考委員も絶賛した大型新人のデビュー作。

天使の卵

第5回(1992年)/1138篇

吉富有/砂時計

再々就職をしたいと考えている私のところに、村上という人から手紙が来た。よくよく思い出してみると、私が13の春に、母と逃げた男の名だ。母が病気だから見舞ってほしいとある。18の時から音信不通に等しい母に私は会いに行った…。

砂時計

第4回(1991年)/1083篇

たくきよしみつ/マリアの父親

マリアという女に惹かれた青年・哲義は不可思議な出会いの末、地球と人間の恐るべき真実を知る。常識=固定化された情報。情報化社会の虚実に挑むエントロピー小説。

マリアの父親

藤水名子/涼州賦

ところは西域・涼州。時は唐帝国の末期。若き新任都督・尚参。〓眼(せいがん)児・呂豹狄。酒場の女・小杏。小悪党・史亥が織りなす殺戮の修羅場。大型女流新人の中国活劇。

涼州賦

第3回(1990年)/1175篇

篠田節子/絹の変容

レーザーディスクのように輝く絹織物―。偶然、不思議な糸を吐く野蚕を発見した長谷康貴は、その魅力に憑かれ、バイオ・テクノロジー技術者・有田芳乃の協力で、蚕を繁殖させようとする。事業は成功したように見えたが、意外なパニックがまき起こる…。ミステリータッチの本格SF。

絹の変容

第2回(1989年)/1153篇

花村萬月/ゴッド・ブレイス物語

朝子は、活気あふれる19歳のロックシンガーだ。ライブで人気を集めるバンドを率いている。騙されて行った京都で、そんな彼らが遭遇する愛と冒険の日々…。切ない恋心に胸を焦がしたことのある人なら、自分の不誠実な生き方に後ろめたい想いを抱いて生きている人なら、読んで涙せずにはいられない、花村万月、鮮烈のデビュー作。

ゴッド・ブレイス物語

草薙渉/草小路鷹麿の東方見聞録

京都の名家・草小路家の若き当主鷹麿は、亡き父君の遺言に従い、生まれて初めて屋敷を出て東京へ―抱腹絶倒、荒唐無稽なさわやかユーモア・ノベル!

草小路鷹麿の東方見聞録

第1回(1988年)/1303篇

山本修一/川の声

母の病気で田舎へ帰った男。上司と心中未遂事件を起こした女。同級生だった二人の密やかな愛の日々の中で冗談みたいな銀行強盗計画が現実味を帯びていく…

都会生活に疲れて田舎に戻ってきた青年は、昔の同級生であるあきよという女性と出会う。軽妙な若者の銀行強盗計画。

川の声

長谷川潤二/こちらノーム

スーパーコンピュータ設計技師が、突然の人事異動で左遷。進退を思案している彼の自宅のパソコンに正体不明のヘッドハンターの文字が打ち出された。ネオスパイ小説。

こちらノーム

綾糸: 綾糸 主婦 1990年代、汎用機時代のエンジニア 趣味で長くやっていたweb制作は、未だにエディタでの手コーティング 現在は自宅でゆるりとweb制作やライターをしています