三浦春馬くん、16歳の作品、2006年公開の映画「劇場版CHiLDREN チルドレン」の詳細です。
劇場版CHiLDREN チルドレン
概要
2006年11月4日公開
配給:WOWOW
監督・脚本:源孝志
原作:伊坂幸太郎
春馬くんがナレーションをする告知動画
DVD・Blue-Ray
チルドレン 時間 : 1 時間 48 分 発売日 : 2007/2/2 Amazonで探す |
キャスト
三浦春馬(役名:木原志朗)
坂口憲二(武藤俊介:家庭裁判所の調査員)
大森南朋(陣内達也:家庭裁判所の調査員)
小西真奈美(青木美春)
加瀬亮(永瀬政人)
小林隆(小山内光一)
渡辺典子(間島茂子)
長谷川初範(青木良平)
國村隼(木原周五郎:志朗の父?)
あらすじ
人気作家・伊坂幸太郎の小説「チルドレン」を、「東京タワー」の源孝志監督が映像化したヒューマンミステリー。
家庭裁判所で調査官として働く武藤(坂口憲二)は、先輩の陣内(大森南明)と共に銀行強盗に巻きこまれる。無事に解放されたものの、武藤は一緒に人質になった女性・美春(小西真奈美)に一目ぼれしてしまう。翌日、万引きで補導された少年・志朗(三浦春馬)を担当することになった武藤は、志朗の父親に対する様子に違和感を抱く。やがて武藤は、志朗の衝撃の秘密を知り……。
ネタバレ詳細
序章
ピエロのお面を被り、猟銃を持った2人組の犯人による銀行強盗現場。人質となった居合わせた客や行員(計12名)はすべてマスクを付けさせられ、手足を粘着テープで拘束されている。
武藤(坂口憲二)と、先輩の陣内(大森南明)も巻き込まれている。
現場が生中継される中、一部の人質4名が解放される。
武藤と陣内、盲目の男性、更に若い女性。女性は具合が悪く倒れてしまい、武藤が抱きかかえ仮面を外す。(武藤は一目ぼれ?)
その後、彼女は救急車で運ばれ、一緒に解放された他の3人は共に、警察の事情聴取に応じる。
犯人は人質は14名で、ロビーに12名、あとの2名は奥にいると言っていたが、その2人を見たかと尋ねられるが誰も見ていない。
盲目の男性がある推理を話す。
「人質は元々12名しかおらず、奥に人はいない。犯人は2人組。これから順番に人質を解放していき、犯人が言う「14名」の人質が全員解放された後には、銀行内には誰もいないという筋書きではないか」 と。
つまり犯人2人も人質のフリをして銀行から脱出してしまう結果になるのではないか。全員にマスクを付けさせたのは、行員か客か犯人か、顔がわからないようにするためで、支店ごとグルになって自分の銀行を襲っているという大胆な予測である。
起
武藤(坂口憲二)と陣内(大森南明)は、家庭裁判所の調査員。少年犯罪の対象者面接や調査を行う仕事をしている。
堅物で几帳面な武藤に対し、陣内は少し粗暴で大雑把な性格ではあるが、少年少女を高い確率で更生させている特異な存在の先輩。
ある日、武藤は万引き常習者である木原志朗(三浦春馬)という少年と面談する。志朗は父の周五郎(國村隼)と一緒に面談に現れ、父の顔色ばかりうかがっている志朗を見て、父親に部屋を出てもらう武藤。
志朗は一人になると、少しホッとした様子。
父を”あの人”、旅行中だという母親の事は”母”と呼ぶ志朗に違和感がある武藤。更に盗んだCDがバド・パウエル、マイルス・デイヴィスなど往年のジャズで、自分は「ハードバップ(モダンジャズの一種)」が好きだが、父親はジャズが嫌いなど、雑談には応じているが、核心に触れる事は話さない。
「正直に話さないとまた来てもらう事になる」と言うと、なぜか嬉しそうな志朗。
父親を再び中へ入れ、父親にもあれこれ尋ねてみるが、「知らん」「まあな」など曖昧な返事しか返って来ず、「一週間後に、今度は志朗一人で来るように」と伝えると、嬉しそうに「わかりました」と言う志朗。
そこで武藤は、陣内から勧められた芥川龍之介の小説を渡し「1週間後の面談までにこれを全部読んで、一番気に入った言葉を選んでくるように」と志朗に宿題を課す。本には何やらメモが挟んであった。
事務所に戻ると、陣内が「お前が一目ぼれした人質の女は、青木美春という名で『DON』という書店にいる、会いに行って来い」と言う。武藤は行かないと言いながらも書店へ行き、美春に声をかけるが、変質者と間違われ辞書で殴られる。
美春は、叔父が経営する書店で働き、書店の上階で一人で暮らしている。
実は近くのスーパーなどで万引きを繰り返す常習者。彼女の部屋には、万引きした商品があふれている・・。
何かしらの問題を抱えているのか?さみしそうな美春。
承
昼間、武藤がカフェにいると、志朗が現れる。
新聞には武藤が巻き込まれた銀行強盗は横領を隠す為に行員たちが行った狂言だったとの記事。
志朗は明るく元気そう。
武藤が渡した本のお陰で、”あの人(父親)”と話し合って分かり合えたらしい。、、と言っても、芥川龍之介の本の内容ではなく、陣内がこっそり挟んでおいた「トイレの落書き集」のようなメモの方が役に立ったらしい。
志朗と二人、散歩し、展望台へ。2人はいろいろな話をして打ち解ける。
夜になり、志朗を家に送って行く武藤。志朗の家は凄い豪邸で、中からジャズが聞こえている。「お父さん、ジャズ嫌いじゃなかったっけ」と聞くと、志朗は「じゃ、また今度」と言い、武藤の問いを避けて走って家に入ってしまう。
※志朗の父は洋食チェーンの社長
ジャズ嫌いの筈の父親が、一人で家でジャズを聴いている事に違和感を覚える武藤。
翌朝、武藤が志朗の父親の違和感を話すと「騙されている」と言う陣内。母親が旅行中というのも嘘で、志朗と父親が母親を殺したんじゃないかと言う。
「庭にでも埋めているんじゃないか。そうだとすれば挙動不審の説明もつく」と冗談とも本気ともつかない口調で続ける陣内。
武藤は、陣内に無理やり頼まれた本を買う為、美春のいる書店へ行くと、万引きをする男子高校生に出くわし捕まえる。
店主の良平(長谷川初範)は、武藤に礼を言い、美春を紹介しようとすると、良平は「一緒に人質になったので知っている」と答え、変質者だと思い込んでいた美春は笑いだす。
家で武藤に渡された本を読んでいる志朗。
「”人生の悲劇の第一幕は、親子となった事に始まっている”・・か。」
昔、陣内が担当した少年が更生し働いている居酒屋で飲んでいる陣内と武藤。
後ろの客が、未成年者が起こした悲惨な事件をネタにした15分程度の特番を見た辛辣な感想を話している。
「どうせ更生なんかしない、1度やったヤツはまたなんかやる。ゴミだな。」
店員となっている元少年は、ぐっとこらえているが、聞いていた陣内はたまらず絡んでいく。
「そもそも、大人がかっこよければ子供はぐれねぇんだよ!」と捨て台詞を吐いたところで、武藤に止められる。
店を出ると数人の少年が1人の少年に暴行している。しばらく様子を見ていた陣内は、割って入り、殴っている少年たちを蹴散らしたと思うと、殴られていた少年を一発殴り、、、、
「俺が優勝~!!!」 と叫ぶ。
殴られた被害者少年は「え?」と呆然。殴っていた少年たちは逃げ出してしまう。
なんで被害者を殴るのか不思議がる武藤に「ああすれば、もうあいつらもやらないだろう」と言う陣内。
ある日、焼き鳥屋を出た武藤は、志朗の父(周五郎)を見かけ後を追うが、すぐに周五郎にも気づかれ、二人でバーへ入る事に。
周五郎「”我々人間の特色は、神の犯さない過失を犯すと言う事である”」
武藤「え?」
周五郎「芥川だよ。 あと、あれもわかるな。”罰せられぬ事ほど苦しい罰はない”」
武藤「何か罪でも犯したんですか?」
周五郎「かもな」
周五郎は、志朗に迷惑をかけた、あいつはいいやつだと言う。武藤は母親の事を聞いてみるが、やはり旅行中だという答え。
何かを隠しているような様子はあるが、それ以上は話さない周五郎。
武藤「木原さん、志朗くんの力になってあげて下さい」
周五郎「俺には無理だよ・・・。」
帰り道、周五郎はヤクザらしい連中に追いかけられ暴行される。「1000万、耳を揃えて払え」と凄まれている。武藤が止めようとして、陣内が少年たちにやっていた「俺が優勝~!!!」方式を実践してみようと、間に入って周五郎を殴るが、、、、ヤクザたちには効果はなく、一緒に殴られてしまう。
転
一人、部屋で食事をしながら泣いている美春。
木原志朗の2度目の面談日。ヤクザたちに殴られ顔を腫らしている武藤に、
志朗「あの人を殴ったんだってね」
武藤「聞いたの・・」
志朗「感動的」
予想外の事をする武藤をおもしろがっている志朗。大人は予想通りの事しか言わないし、しないが、武藤は違うと。
武藤からの宿題「一番気に入った言葉を選べ」の志朗の回答は
”所持金を平均しろ、仕切り直してくれよ、人生を仕切りなおすんだ。”
(芥川の本からではなく、トイレの落書き集メモから)
不思議がる武藤に「なんかピンときた」と志朗。
「お金のあるヤツがないヤツに分け与えろって意味でしょ?」
万引きの事は、イラついててスッキリしたかった、ごめんなさいと素直に謝る志朗。スッとはしなかったが悪いと思っていると反省している様子。
周五郎が志朗の事をいいヤツだと言っていたと話すと、志朗は「あの人も、いい人なんだけどね」
けど?
何か含みがある言い方で言い淀む志朗。だが笑顔で
「俺もあの人も、武藤さんに会えてよかったと思ってます。」
スーパーで万引きをしようとしている美春。そこで偶然、武藤が現れる。お互い一人暮らしで自炊している事を話をしながら外に出る。
ヤクザに殴られて顔が腫れている武藤に「担当した子供にやられた」のかと聞く美春。
武藤は違う、自分は彼らの味方なんだと、仕事の話を始める。
「子供は一人ならチャイルド、複数になるとチルドレンと呼ばれ、集団となり別物になる」
子供たちの味方である事を話していると、美春は不機嫌になり「そんなに子供に接してもダメだよ。ダメな子はダメなの」と言い、帰って行く。
翌日、武藤が書店に入ると万引きをしている少年が。美春は見て見ぬふりをし、追いかけようとする武藤を「無駄だから いい」と止める。武藤は「無駄だと思う方が傲慢だ」と言い、隣町まで追いかけて捕まえる。
武藤は少年を連れ、書店の店主:良平(美春の叔父)に引き渡す。
良平は「君は子供時代にここによく買いに来ていたね、10年来のお客さんだ。もうしないよな!」と諭し、少年は素直に謝り、本の代金を支払う。
少年は武藤に「(書店の人は)俺の顔、覚えてるなんて」と喜び、もうしない事を誓う。
良平は、自分の店は「万引き見逃し放題」と噂されていると言う。美春がいつも、見て見ぬフリをしているかららしい。
美春は高校時代の万引きが原因で家族とうまくいかなくなり、家を出て、何をやってもダメなので、叔父の私が引きとっていると言う。
美春は親に「なんだか自分の娘のような気がしない」と言われた事に傷ついたのだが、叔父では助けられない、親でなければダメなんじゃないか、どうすれば味方になってやれるのかと悩んでいる良平。
武藤は、「他人の自分が必死に味方になろうとしてるんだから、悲しい事言うな」
(高校時代の美春役は 吉高由里子)
結
翌日、新聞にはなんと驚きの記事。
志朗が誘拐され、7日ぶりに解放・保護されたという。武藤は慌てて志朗に会いに行く事に。
自宅で迎えた母親は、家裁の事も万引きの事も知らない様子。
家に通され、志朗と2人になる武藤。
志朗「新聞、見たんだね」
武藤「びっくりしたよ」
志朗「怒った?」
武藤「訳を聞かせてくれ」
志朗「悪気はなかったんだ」
新聞に載っていた写真の志朗の両親。父親は、家裁の面談に来た”周五郎”と名乗った男ではない・・。あの男は誰なんだ?
実は、両親が旅行に出掛けた夜、あの男は強盗に入って来たという。
両親は不在で、高校生が1人で留守番している状況を知り、男は家に居座り、言う事を聞かなければ殺すと脅されている中、面談の日を迎え、仕方なく父親という事にして一緒に行った。
面談の時、1週間後の再面談を志朗が喜んでいたのは、まだ緊張感のある関係だった男に、次の面談日までは殺されないだろうと思ったからだと。
武藤が宿題として渡した本と、その中のメモのお陰で、2人は打ち解け、分かり合えたのだ。
フリーサイズのジャージしか着替えがなかった男に、服やマフラーを買い、プレゼントもしていた志朗。
男には1000万円の借金があって、それさえ返せれば再出発できる。
そこで志朗は、狂言誘拐を思いつき、父親から身代金として1,000万円を出させ、男に渡したいと考えたらしい。
お金はあるが、女子高生と援助交際をするような父親だから、そんな事に使うよりもよっぽど役に立つ。
具体的にはどうやったのかと尋ねる武藤に
志朗「トリックなんてどうでもいいじゃん!あの人は金を受け取って消えただけ」
田舎の郵便局で、1,000万円を引き出す志朗。
それをバッグに詰め向かったのはあの男が待つ駅。バッグを男に渡し、列車を待つ二人。
男は一旦は受け取ったが、「やっぱりこの金はもらえない」と言い、バッグを突き返してくる。
志朗「何言ってんの!強盗だったくせに!」と、またバッグを男の膝の上に。
何度かバッグのやり取りを繰り返し、
志朗「ほら! ”所持金、平均しろ” って芥川も言ってんだろ!」
男「それ芥川じゃねーよ、便所のだよ」
(トイレの落書き集のメモ)
<列車がくる、踏切の音>
志朗「どっちでもいいじゃん!これであんたが立ち直れるなら!芥川でも、便所でも。」
それを聞いてようやくバッグを受け取り列車に乗る男。
志朗「必ず復活してよね!」
男「あぁ、死んでも復活してやる」
志朗「死んだら復活できないでしょ(笑)」
発車のベルが鳴り、扉の閉まるまでの一瞬に男はホームに降りて志朗を抱きしめる。
列車に飛び乗り、深々と頭を下げる男。
列車が動き出してもホームを走り追う志朗。
強盗犯と家庭が裕福な高校生に生まれた小さな絆と、すぐに来た別れ・・。
すべてを武藤に話し終った志朗は「これ、警察に話す?」
武藤「どういう訳か、爽快な気分。牧師は口が堅くないとね」
そう聞いて笑顔になる志朗。
翌日、陣内に志朗の事を聞かれると
「騙されました。騙されるのと裏切られるのは違いますよね」と武藤。
エンドロールの中
美春は立ち直り、今まで万引きした商品を宅急便で返すシーン、
スーパーで万引きしようとしていた少女を止めるシーンが流れる。
THE END
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