2010年秋に公開された映画「君に届け」の詳細です。
三浦春馬、20歳。
天外者で夫婦役を演じた堀越高校の同級生、蓮佛美沙子さんや、三浦翔平くんの奥様、桐谷美玲さんとも共演。
原作は、集英社『別冊マーガレット』で2006年1月号から2017年12月号まで連載された椎名軽穂さんの漫画作品。単行本は累計1,000万部突破し、2008年第32回講談社漫画賞少女部門受賞。
君に届け
概要
2010年9月25日公開
以下などから動画配信サービスでも見られます。
原作:椎名軽穂(集英社『別冊マーガレット』連載)
監督:熊澤尚人
脚本:根津理香、熊澤尚人
主題歌:flumpool「A-Sketch」
予告動画
DVD・Blue-Ray
監督 : 熊澤尚人 時間 : 2 時間 8 分 発売日 : 2011/3/11 DVD Amazonで探す Blue-Ray Amazonで探す |
キャスト
三浦春馬:風早翔太(かぜはや しょうた)
<同級生>
多部未華子:黒沼 爽子(くろぬま さわこ)
夏菜:矢野 あやね(やの あやね)
蓮佛美沙子:吉田 千鶴(よしだ ちづる)
青山ハル:真田 龍(さなだ りゅう)
桐谷美玲:胡桃沢 梅(くるみざわ うめ)
<教師>
井浦 新:荒井 一市(あらい かずいち)
<家族>
勝村政信:黒沼喜多男(くろぬま きたお)
富田靖子:黒沼陽子(くろぬま ようこ)
ネタバレ詳細
キャッチコピーは
「簡単になんて伝えられない。本当に、本当に大切な気持ちだから。」
「本当に大切な想いは、ゆっくりと伝えればいい。」
起:出会い~想い
15年前の大晦日、両親の愛に見守られて誕生した黒沼爽子(多部未華子)。爽やかな子と書いて「さわこ」。
幼稚園では「座敷童(ざしきわらし)」に似ていると言われたのが嬉しく、みんなの役に立ちたいと ”一日一善” をモットーに幼少期を過ごすが、映画「リング」がヒットした小学生の頃、たまたま「さだこ」と呼ばれた事をキッカケに何故か周りに怖がられるようになってしまう。
高校生になり、入学式の朝。学校へ向かう道で、同じ制服を来た男子生徒が迷っているのを見つけ「西高校ならあっちですよ」と声をかけ教えた爽子。
「ありがとう!」と、爽やかな男子生徒。桜の花びらが爽子の頭に落ちてきたのを見て、取ってくれる。
「変な形・・・ほら」と渡された花びらはハート型。
笑顔の男子生徒と怪訝な表情の爽子・・。
そこへ坂の上から男子生徒の友達が声をかける「かぜはや おはよ~ 行こうぜ!」
男子生徒の名前は「風早翔太(三浦春馬)」。
明るく爽やかなキャラクターは学校の人気者。いつも大勢のクラスメートに囲まれている。
一方、地味な爽子は風早と同じクラスだが、目立たない存在。
相変わらず ”一日一善” をモットーに、黒板拭きやごみの分別などをコツコツとこなしながら、あちこちから声のかかる人気者の「風早くん」を気にしている。
風早も、目立たないところで掃除をしたりしている爽子を時々見つけて気にしている様子。
他のクラスの女子生徒(桐谷美玲:胡桃沢)が、風早のところへやって来て、男子生徒は「かわいい」と騒ぎ、女子生徒は「あの2人、お似合い」と言い合っている。
爽子はクラスメートから「貞子」と呼ばれ、
【3秒以上、目を合わすと呪われるらしい】などと根も葉もない噂を立てられ、爽子が横を通るだけで、サッとよけられる。いつも怒っているような表情で近寄りがたいと思われており、友達はいない。
そんな爽子にも笑顔で「おはよう!黒沼」と声をかける風早。
男子たちが風早に「貞子と【3秒以上、目を合わすと呪われるらしい】」と言うと「なんだよ、それ」と笑って取り合わない風早。近くで掃除していた爽子もその話が聞こえ、自分は人と目を合わせちゃいけないと思うように。
ある日、爽子が教室の前に立ち、みんなのノートを集める事になると、クラスメイト達は、教壇にいる爽子に近寄らず、そっと爽子の机にノートを置いている。風早だけは笑顔で爽子に手渡すが、爽子は目を合わさないようにし、教室を出て行ってしまう。
自転車置き場で倒れた自転車を起こしている爽子を見つけ、手伝う風早に、爽子は「ありがとう」と言うが、目を合わさず走り去ってしまう。
担任教師の荒井(井浦新)が風早と職員室にて。
荒井「【3秒以上、目を合わすと呪われる】って本当か?」
風早「そんな訳ないだろ!黒沼は誤解されやすいけど、いい子だよ」
荒井「ん?おまえ、あいつの事」
風早「気になるんだったら自分で確かめろ、担任なんだから」
夏休み前のある日。風早が「肝試し大会をやるので、なるべく全員参加で」と呼びかける。
女子生徒たちが「貞子が来たら本物が出る」などと盛り上がっているのを見て「期待に答えられない」と行くのを迷う爽子。
あくまで”人の役に立つ事”を考えている爽子は「霊感があれば役に立てるのに」などと思っている。
(ちなみに・・みんなは貞子をいじめている訳でもなく、悪気がある様子もない。爽子もいじめられているような自覚はなく、ただ「風変り」で孤立しているだけの素直な子)
荒井は風早に言われた通り、自分で確かめようと爽子を捕まえ、目を合わしてみる。
そして、「風早の事どう思う?」と聞いてみると、爽子は「爽やかな人」。
爽子「”爽やか” から出来てるんじゃないかと・・。」
そこへ風早が通りかかり、どういう意味か、自分はそんなに爽やかじゃないと言うと、
爽子「爽やかです。苗字まで(風早)」
風早「それ言うなら黒沼もじゃん!爽やかな子って書いてさわこでしょ!」
・・・と、風早は”肝試し大会”の参加希望者として爽子の名前を書く。
すぐ逃げるから嫌われてるかと思っていた風早に誤解だと爽子。
「そうやって、思ってる事をみんなにも話せばいい」と風早。
クラスメートの矢野あやね(夏菜)と吉田千鶴(蓮佛美沙子)が、「貞子がお化け役やったら絶対怖くておもしろい」と話しているところに、爽子が現れ、「お化け役をやりたい」と申し出る。
爽子「霊も呼べないし、みんなの役に立てないのでお化け役をやらせてください」
肝試し大会の日。貞子に扮する爽子。
差し入れのドリンクを渡し、「がんばれ」と労うあやね(夏菜)と千鶴(蓮佛美沙子)。
風早も爽子を見つけ、少し休憩しようと声をかける。
こんな所に一人で怖くないかと聞かれ、お化け役が出来て、みんなに喜んでもらえて嬉しいと言う爽子。
柵の上に立ち上がり夜景を見つめる二人。
爽子「いつもより綺麗に見える」
翌日、肝試し大会の幹事だが、ゴールしてない風早は罰ゲームに決定。
「貞子と1週間つき合える券」を渡す男子生徒たち。
「なによ、それ」と憤慨する あやねと千鶴。
”券”を突き返し、「こんなのが罰ゲームなんて、黒沼に失礼すぎる」と怒る風早。
ジョークだと言い訳されるが、「黒沼は女の子なんだから」と言う風早に、貞子の事、好きなのか、風早らしくない、否定しないのかと騒めく教室。
爽子が立ち上がり「誤解です。風早くんは、みんなと同じように私にも親切にしてくれただけ」
その後、泣きながら帰る爽子。後ろから走って追いかけてくる風早が、初めて爽子と出会った桜の木の下で追いつく。
「あいつらもふざけすぎたって反省してる」と言うと「迷惑かけてごめんなさい」と爽子。
風早「迷惑なんかじゃない。入学式の日の事、覚えてる?あの時から俺、黒沼の事・・・。」
爽子「覚えてます。あの時から風早くんは私の憧れだから」
「明るくて爽やかで自分も風早くんみたいになりたいと尊敬してます。ありがとうございました」というと去って行く爽子。
自分の持つ感情とは違う思いの様子の爽子に、思いが届かない風早。
少し切なそうに桜の木を見上げる。
(いつか君に届くだろうか・・あの時、感じたこの気持ちが・・)
(大きくなったこの気持ちが・・)
ある日、席替えが行われ、担任の荒井は爽子に最初にクジを引けと言い、「あとは任せた」と教室を出る。
クジを引いて一番に座った爽子。「貞子の前後左右は避けたいなー」などと言う生徒たちを横目に、風早はすぐに爽子の隣へ座り、「俺はクジ パスな」
あやね、千鶴、真田 龍(青山ハル)もパスだと言い、爽子の周りに座る。
千鶴に「なんて顔してんだよ」と言われた爽子。
「嬉しくて、こうしてないと涙が・・」と顔をこわばらせる。
爽子「私、この席で 心から嬉しい」
微笑ましく見つめる風早。笑うあかねと千鶴。
帰りに4人でラーメンを食べに行く。寄り道するのが初めてだと言う爽子。そこは真田龍の実家で、龍も遅れて入って来る。
龍と千鶴は幼馴染で、風早も入れた3人は小・中から一緒の友達。冗談を言い合う彼らに爽子も笑顔に。
爽子が笑うのを初めて見たみんな。「いつもそうしてればいいのに」
帰り道、風早はコンビニに寄るからと言い、自宅とは反対方向の爽子の歩く方へ一緒に歩き出し、送って行く事に。
運動神経の鈍い爽子。体育祭でサッカーを行うが、足を引っ張る事にならないようにと、あやねと千鶴がつき合ってくれ練習をしたり、一緒に帰ったりするように。
明日テストなのに勉強してなかったと言った千鶴の為に、翌日、要点をまとめたノートを徹夜で作りプレゼントする爽子。感激する千鶴、あやね、龍、風早たち。
役に立てる事があれば嬉しいと言う爽子。
爽子たちと一緒にいる風早を見て何か怪しい胡桃沢。爽子に声をかける。
胡桃沢「話してみたかったんだ。よろしくね」
体育祭実行委員の会議で、風早と胡桃沢。
話しかけても返事だけしてすぐに外を見ている風早に不満そうな胡桃沢。外にはサッカーの練習をする爽子。
承:友達
校内に矢野あやね(夏菜)と吉田千鶴(蓮佛美沙子)の悪い噂が広まっている。なぜか貞子が言いふらしている事になっている。
「矢野も吉田も、風早も貞子なんか放っとけばいいのに。貞子といると株落とす」などと話しているのを聞いてしまう爽子。
あやねと千鶴に一緒に帰ろうと言われるが、爽子は断り教室を出ていく。
廊下で担任の荒井に「矢野と吉田知らないか?友達だろ?」と聞かれるが、爽子は「知りません。友達じゃありません」と言ってしまう。
それを聞いてしまった あやねと千鶴は落ち込む。あやねと千鶴は爽子に直接聞いてみる事に。
「あたしたちは貞子の事好きだよ、貞子は?あたしたちの事 好き?」
爽子「・・一緒にいたら よくないかと・・。」
爽子は校内の噂話を信じ、自分と一緒にいない方がいいと思ってしまっているだけだが、千鶴たちは傷つく。
せっかくあやねや千鶴たちといて楽しかったのに、また一人になってしまった爽子。校庭で石を蹴り、座り込み泣いていると、サッカーボールが転がってくる。
「そんな石じゃ練習にならないでしょ」と風早が来る。逃げようとする爽子を捕まえて「なんでだ」と問いただすと
「私と一緒にいると、みんなの株を下げてしまうから」
爽子は本当は千鶴たちと一緒にいたいが、噂の事で迷惑かけたくないと言う。
風早「迷惑かどうかは黒沼が決める事じゃない。逆に、何も言わずに吉田たちに避けられたらどうする?」
爽子「嫌です」
風早「うん、吉田たちもそう思ってるかもね!」
風早がサッカーの練習に付き合ってくれる。
風早「パスって、本気で届けって思わないと、ちゃんと受けてもらえないんだよ」
あやねと千鶴。爽子の事ばかり考えている。人の考えてる事なんて、ちゃんと言わなきゃわからない、爽子にちゃんと伝えようと話し合う。
翌日、学校のトイレの鏡に向かって千鶴たちにちゃんと思いを伝えようと練習する爽子。
そこへまた、あやねと千鶴の悪い噂を話しながら入って来る女子生徒。思わず隠れる爽子だが、千鶴たちの悪口を聞いていられなくなり、誤解だと彼女たちに伝えるが、相手にされず小突かれる。
トイレで爽子が揉め事になっている事を聞いた風早は、自分で止めにはいかず「「あいつらが解決しないと意味がない」と千鶴たちを呼びに行く。
爽子「矢野さんと吉田さんの事、悪く言わないで」
女子生徒たち「矢野たちの黒い噂、言いふらしてるのアンタじゃん!」
彼女たちは、爽子が風早に近づきたくて、あやねや千鶴を利用し、千鶴たちもおもしろがってるだけだろうと言うが、爽子は「違う!何もわかってない!」と必死に訴える。
「矢野さんと吉田さんがどれだけ優しくしてくれたか、矢野さんと吉田さんの事、好きよりもっと大好きか!」
そこへやって来た千鶴とあやねが割って入るが、最後は爽子が「さっきの(千鶴たちの悪口)言葉取り消してください」と迫り、認めさせる。
爽子「わかってくれた・・・わかってくれました!」
あやね・千鶴「貞子・・いいんだよ、それは」
<屋上にて>
自分がいると2人を傷つけると思っていた爽子。これまではいつも、避けられたら諦めて来たが、あかねと千鶴の事は諦められなかった。これからは何度でも誤解は解く、2人と友達になりたい と訴える爽子。
爽子を抱きしめるあやね。「友達って気づいたらもうなってんの、あたしらもう友達だったんだよ!」と言う千鶴。
それを見上げて安心する風早。
転:ライバル
<体育祭>
ソフトボールで活躍する風早。
爽子と楽しそうにハイタッチする風早を面白くなさそうに見つめる胡桃沢。
爽子を呼び出し、自分は風早が好きだから協力しろと言う。
協力は出来ないと言った爽子になんでだと詰め寄る胡桃沢。
爽子「風早くんは私にとって特別な人、、、みたいで」
胡桃沢「特別って何?恋愛感情じゃないでしょ?付き合った事もないし、免疫ないからわかってないんじゃないの?」などと言い、真田とかとも話してみろ、そしたら真田も特別って思うんじゃないか、真田が体育館で待ってるから行け と爽子を促す。
体育館で真田と話してみると、真田は「ずっと千鶴一筋!今の内緒な!」
真田龍は幼馴染の千鶴の事が、ずっと好きだったらしく、それを聞いた爽子は「すごく素敵だと思う!」と嬉しそう。
一方、胡桃沢は、風早に「爽子ちゃん、今日ずっと真田くんを見てた」などと嘘をつく。それを聞いた風早、体育館に2人がいるのを見つけ、思わず駆け出し、爽子の手を引き外へ。
風早「ごめん、我慢できなかった。龍の事好きなの?」
爽子「好きです。でも特別じゃなくてクラスメートとして。すごくいい人だと思う。」
それを聞いて勘違いだった事に気づき、ホッとするが早合点の行動に照れる風早。
真田龍の靴箱に、メモが入っていた為、体育館に行ったと千鶴たちに話す龍。が、そのメモに書かれている文字は、爽子の字じゃない・・。
龍いわく、爽子は来たが、そのあと、風早と胡桃沢が来て、風早が爽子を引っ張って出て行ったと聞いた千鶴とあやねは、胡桃沢が爽子と風早を引き離す為に仕組んだ事だと気づく。
更に悪い噂を流し、それを爽子が言いふらしたなどと言っているのも胡桃沢。
それを詰め寄っていると、爽子もやって来て、爽子は胡桃沢をかばうが、胡桃沢は「爽子が風早のまわりうろちょろして邪魔だった、あんたなんかずっと1人でいればいい」と言い放つ。
あやね「全部、風早にバラすからな」
胡桃沢「いいよ!バラせば!!」
爽子は、胡桃沢のいないところで、2人に風早には言わないように頼む。バラしてもいいなんて本心じゃない筈だからと。
爽子は胡桃沢のところへ戻り、風早を特別だって思う気持ちはやっぱり「特別」で、胡桃沢と同じだと思うと伝えるが、自分はずっとずっと前から風早が好きで、振り向いてもらえるように努力してきたんだから、一緒にするな、あんたなんて大嫌い!と走り去る胡桃沢。
風早が変わりなく接してくるのを見て、自分が何をしたか、彼女たちは言いつけてない事を知り、告白する胡桃沢。
風早「ごめん、俺、好きな子いるんだ」
帰り道、桜の木を見上げる風早。
自分のこの想いは届くのか・・。
結:君に届け・・・
入学式の日、風早がくれた桜の花びらを、家に大事にしまっていた爽子は、自分の気持ちに気づいて、絶えず持っていようと学生証に挟む。
正月になると毎年帰ってくる初恋の人に会えるのを楽しみに待っている千鶴。大学生の彼氏からの電話にニヤけるあやめ。
爽子は、風早から帰りに校門で待っているというメモをもらい、笑顔を返す。放課後、嬉しそうに校門へ向かった風早だが、そこには爽子と千鶴。
千鶴の買い物に付き合う約束があったので、良かったら風早くんも一緒に行こうと誘われ、仕方なく着いていく。
楽しそうに洋服を選ぶ二人、待たされるだけの風早はため息をつき、爽子と二人きりで会えない事が残念。先に帰る事に。
千鶴の好きな人は、東京に住んでいる真田龍の兄だと聞き、龍が千鶴の事を好きな事を知っている爽子は、切ない表情。
大晦日は爽子の誕生日。いつも通り、家族で過ごそうと話す両親。
寒くなって来たから学校にはバスで通うようにと父に言われ、学校でバス通学申請の為、生徒手帳を担任に預けるが、担任が手帳を失くしてしまう。
新しい生徒手帳を申請してやるからと言われるが、手帳には大事な花びらが・・。
あやね、千鶴、風早が一緒にラーメン食べて帰ろうと爽子を誘うが、今日は早く帰らなければならないと断る爽子。「じゃ、送って行く」という風早だが、今日からバス通学になった為、もうみんなと一緒に帰る事は出来ない。
バスを見送る風早。
まだちゃんと伝えていない。いつも2人で話せない。もどかしい状況が続く。
別の日、次の日曜にクリスマスイブのパーティの下見に行くから一緒に行こうと誘う風早。
そこへ千鶴とあやねが入って来て、千鶴が「行く!行く!いい店知ってる」と超乗り気。あやねは空気を読んで千鶴を制すが、千鶴はまったく気づかず盛り上がっている。
また、2人では会えなそう・・・と憂鬱になる風早。
待ち合わせの日、爽子も早めに来ていれば2人になれると風早も早く行き、爽子をクリスマスイブのパーティに来るように誘う。
「自分も行っていいのか。嬉しい。けど、イブは家族で過ごすことになっているので、聞いてみる」と爽子。
風早が「それでさ、パーティの後なんだけど・・・」と言いかけたところで、クラスメートの男子生徒たちが現れ邪魔される。更に千鶴もやって来て、「あやねがピンチ」だと言い、爽子を連れて行ってしまう。
あやねは大学生の彼とうまくいかず、別れようと思っているらしい。真田龍の店に向かう3人。
ふと見ると店から龍の兄トオルが出てきて、嬉しそうに走り寄る千鶴。正月でもないのになんで帰って来たのかと不思議がっていると、婚約者を連れてきていた。
トオル「ちぃ、俺、この人と結婚するから」
街を歩く風早。
「俺の気持ち、届いてんのかな・・・。」
イブのパーティには、あやねは彼氏と決着を付ける為に行けないらしい。千鶴も、龍の店を手伝う事になっていて行けない。
爽子は風早に誘われているが、まだ父に話せていない。今日こそは言わなきゃと思いながら帰りのバスを待っていると、風早が。
風早「俺とつきあってくれないか」
爽子「でも今日は大事な用事があって・・」
風早「そうじゃなくて、俺の彼女になってほしい」
パーティの後、2人で行こうとチケットを渡そうとするが、爽子は「つき合うとか、その、、まだ、、、考えられなくて、、、ごめんなさい」と、来たバスに乗り行ってしまう。
その後、結局パーティにはいかなかった爽子。
一人、チケットを握りつぶす・・。
イブのパーティに行かなかった爽子、パーティでは風早の様子がおかしかったらしいと聞いた千鶴とあやねが、爽子を心配して家にやってきた。
告白された、すごく嬉しかったけど断った という爽子。
ちゃんと好きだって言った風早に、ちゃんと自分の気持ちも伝えないとダメだと諭される。
風早は大晦日の神社のカウントダウンに行くらしいから、その日がチャンスだと言われるが、爽子には大晦日、家族での予定がある。父はオーケストラの一員として出場、それを家族で見る習慣があり、それに行かない訳にはいかない。
大晦日
神社でのカウントダウンに来てはいるが、荒れている風早。同級生に声をかけられるが無視、胡桃沢にも声をかけられるが気づかない。
そこへ、龍が来て、風早を神社裏へ連れて行く。
爽子は母と父の出るコンサート会場で時間を気にしながら座っている。
<神社裏の公園>
キャッチボールをしながら、爽子に告白した事を千鶴から聞いたと言う龍。
千鶴は自分の事より人の事で落ち込むタイプで元気がないから心配だと言う。黒沼ってどんな奴だと聞くと風早は・・。
いつもひたむきで、一生懸命で・・
純粋で、感動屋でまっすぐ正直
いっつも人の気持ちばっか思いやってて・・
俺、黒沼の気持ち、ちゃんと思いやってたかな・・・。
そこへ担任の荒井が現れ、「お前から返しとけ」と、爽子の生徒手帳を渡される風早。そこには風早が渡したメモと、、、花びらが挟まっていた。
爽子は父から大晦日の日に爽子が生まれると知らせが来たのは、開演前だったが、シンバルを放り出して駆けつけた。とても嬉しかったんだという話を聞かされながら、どうしても会いたい人がいる、今日じゃなきゃダメなんだと打ち明ける。
父「だったら行かなきゃ。本当に会いたい時には全部放り投げて行くもんだから」
走り出す爽子。
神社内で風早を探すが見つからない。千鶴とあやねが「奥で甘酒を配ってる」と教えてくれ、行ってみるが「もう帰った」と言われる。
それでもあちこち、必死で探す爽子。胡桃沢と会うと、
「バカ、こんなとこで何してんの!風早なら真田と裏の公園に行ったよ」
ありがとうと言ってまた走り出す爽子。
だが、風早はどこにもいない・・・。
カウントダウンの花火が始まり、0時を回る。
諦めてトボトボと歩き出す。
一人、あの木を見上げている風早
爽子の生徒手帳を見つめる
そこへ、爽子が歩いて来て風早に気づく。
爽子「ありがとう、、、、じゃなくて、んっと、私、風早くんの事が、、事が、、、あ、、、」
風早「いいよ、ゆっくりで」
爽子「(溜息・・)私、、、私、、風早くんの事が、、好きです」
風早「俺もずっとずっと 黒沼が好きだよ」
風早「夢みたいだ・・・やっと届いた」
0時をまわり、爽子の誕生日は過ぎた事を「誕生日におめでとうって言ってあげられなくてごめん。新年の始めに黒沼と居られてよかった。これからもよろしく」と生徒手帳を返す。
やっと想いが届き、2人で木を見上げる。
エンドロールの中、登場人物の様々なシーン。
最後に並んで歩く2人。
爽子の手には、あの日 行けなかったプラネタリウムのチケット。
THE END
監督 : 熊澤尚人 時間 : 2 時間 8 分 発売日 : 2011/3/11 DVD Amazonで探す Blue-Ray Amazonで探す |
画像のすべて (C)2010映画「君に届け」製作委員会
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