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新田次郎文学賞・第1回(1982年)~現在までの受賞作品のすべて

文学賞
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第30回(2011年度)
竹田真砂子/あとより恋の責めくれば 御家人南畝先生

江戸狂歌の天才・大田南畝の一途な恋の顛末
滑稽の天才・寝惚先生として江戸文壇の寵児となった大田南畝。見初めた恋の相手は遊女・三保崎だったが…。狂歌仲間をはじめ多彩な人物を配し、江戸の息吹のなかに描く南畝の純情と素顔と恋。

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第29回(2010年度)
帚木蓬生/水神

目の前を悠然と流れる筑後川。だが台地に住む百姓にその恵みは届かず、人力で愚直に汲み続けるしかない。助左衛門は歳月をかけて地形を足で確かめながら、この大河を堰止め、稲田の渇水に苦しむ村に水を分配する大工事を構想した。その案に、類似した事情を抱える四ヵ村の庄屋たちも同心する。彼ら五庄屋の悲願は、久留米藩と周囲の村々に容れられるのか。

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松本侑子/恋の蛍 山崎富栄と太宰治

昭和二十三年六月、入水した太宰治と山崎富栄。天才作家と日本初の美容学校創立者の令嬢は、どのように出会い、恋に落ちていったのか…。いまだ謎に包まれる情死の真実とは!?二人の生涯、太平洋戦争、恋と創作の日々、残された家族の思いを、徹底した取材で描き、スキャンダル「玉川上水心中」の真相にせまった、愛の評伝小説。

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第28回(2009年度)
植松三十里/群青 日本海軍の礎を築いた男

幕府海軍の設立から、その終焉まで立ち会った男、矢田堀景蔵。幕府学問所で秀才の名をほしいままにした景蔵は、阿片戦争の波及を恐れた幕府の命により、長崎の海軍伝習所に赴任した。そこでは勝海舟、榎本武揚等、その後の幕府の浮沈を共にする仲間と出会う。幕府海軍総裁まで昇りつめた男の生涯。

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第27回(2008年度)
見延典子/頼山陽

言葉の力で幕末の歴史を変えた男、頼山陽。自由闊達な売れっ子クリエイター、反骨の文筆家として文化・文政年間を鮮やかに生き、歴史書『日本外史』で国を憂える幕末の若者たちの心を尊皇へと傾けたひとりの男の人生を描ききった本作は、第27回新田次郎賞を受賞。高い評価を得たほか、天才を支えた家族の温かな描写で、多くの年配の読者から熱い支持を得た。この上巻では儒家として名高い父に反発して放蕩を繰り返す、若き青年・山陽の姿を描く。

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第26回(2007年度)
諸田玲子/奸婦にあらず

忍びの者として育ったたかは、内情を探るため接近した井伊直弼と激しい恋に落ちる。しかしその後2人を過酷な運命が待ち受ける……

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第25回(2006年度)
真保裕一/灰色の北壁

世界のクライマーから「ホワイト・タワー」と呼ばれ、恐れられた山がある。死と背中合わせの北陸を、たった一人で制覇した天才クライマー。その偉業に疑問を投じる、一編のノンフィクションに封印された真実とは…。表題作の他に「黒部の羆」「雪の慰霊碑」を収録。新田次郎文学賞を受賞した山岳ミステリー集。

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第24回(2005年度)
中村彰彦/落花は枝に還らずとも 会津藩士・秋月悌次郎

幕末の会津藩に、「日本一の学生」と呼ばれたサムライがいた。公用方として京で活躍する秋月悌次郎は、薩摩と結び長州排除に成功するも、直後、謎の左遷に遭う…。激動の時代を誠実に生きた文官を描く歴史長篇。

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第23回(2004年度)
東郷隆/狙うて候 銃豪村田経芳の生涯

薩英戦争、鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争、西南戦争…激動の幕末・明治を駆け抜けた男、村田経芳。近代「もの作り」の開祖にして、村田銃の開発者。欧米にも知られた名射撃家の波乱の生涯を描く長編時代小説。

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第22回(2003年度)
津野海太郎/滑稽な巨人 坪内逍遙の夢

近代文学・演劇・教育の先駆者として大きな足跡を残す一方、近代日本に理解されず「滑稽な巨人」として77年の生涯を閉じた坪内逍遥。その生涯を鮮やかに描き、その夢のありかと可能性を現代に甦らせる評伝。

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第21回(2002年度)
佐々木譲/武揚伝

黒船来航で浮き足立つ幕末。海軍伝習所を経てオランダ留学を果たした榎本釜次郎は、観戦武官としてデンマークとプロシアの近代戦争に臨場し、欧米列強を動かす国際法という存在に驚愕する。

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2001年度 第20回:杉山正樹/寺山修司・遊戯の人

華々しく十八歳で歌壇に登場し、詩・小説・演劇・映画・エッセイと、あらゆる分野で活躍、劇団「天井棧敷」が海外で高く評価された寺山修司。かれはまた盗作疑惑やのぞき事件など、たえずスキャンダルを起こすトリックスターだった。デビュー時から身近に接した著者が、その虚と実を精緻に跡づけた傑作評伝。

 

2000年度 第19回:熊谷達也/漂泊の牙

雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。現場付近では、絶滅したはずのオオカミを目撃したという噂が流れる。果たして「犯人」は生きのびたニホンオオカミなのか?やがて、次次と血に飢えた謎の獣による犠牲者が…。愛妻を殺された動物学者・城島の必死の追跡が始まる。

 

2000年度 第19回:酒見賢一/周公旦

太公望と並ぶ周王朝建国の功労者にして、孔子が夢にまで見たという至高の聖人に、著者独特の大胆な解釈で迫る。殷を滅ぼし、周を全盛に導いた周公旦の「礼」の力とは何か?果たして彼は政治家なのか、それともシャーマン?そして亡命先の蛮夷の国・楚での冒険行の謎とは。無類の面白さの中国古代小説。

 

1999年度 第18回:大村彦次郎/文壇栄華物語

「文藝春秋」「オール讀物」が永井龍男により復刊される敗戦直後から和田芳恵「一葉の日記」の完成を見た昭和三十一年までの十有余年。栄枯盛衰ただならぬ文壇と中間小説誌の発展期に重なる華やかな時代を舞台に生きた人々―筆一本に賭けた作家たちと編集者が織りなす哀歓の明け暮れを豊富な資料をもとに描いた、もう一つの戦後文壇史。

 

1998年度 第17回:山崎光夫/藪の中の家 芥川自死の謎を解く

昭和二年七月二十四日未明、芥川龍之介は睡眠薬により、自らの死を選んだ……。しかし、致死量に至る睡眠薬の入手は、芥川の治療のために出された処方によれば困難である──主治医の日記、龍之介の書簡などから、自死の真相に迫る、渾身のノンフィクション。

 

1997年度 第16回:吉川潮/江戸前の男――春風亭柳朝一代記

最初の入門にしくじって、出戻りから、春風亭柳朝の落語家人生ははじまった。気っ風うが良くて喧嘩っ早い、そのうえ野暮が大嫌い。おまけに酒と博奕には目がなくて、女も好きの道楽三昧。しかし、落語のセンスは抜群で、やがて、立川談志・三遊亭円楽・古今亭志ん朝に並ぶ四天王の一角を担うようになったのだった…。粋を貫きとおした、これぞ江戸っ子芸人の破天荒な生涯を描く。

 

1996年度 第15回:谷甲州/白き嶺の男 他

山岳会の新人山行として冬の八ヶ岳縦走に参加した加藤武郎。山岳会の常識にとらわれない彼の行動に、リーダーは戸惑い、怒りを覚えるが、その夜、猛吹雪がふたりを襲う–(白き嶺の男)。
『新編 単独行』から『単独行者(ルビ・アラインゲンガー)』に連なる不世出の登山家・加藤文太郎(1905年~1936年)の魂を継いで、南アルプスの渓谷や冬の北アルプス・滝谷、そしてヒマラヤの高峰を舞台に谷甲州が描く「もう一人の加藤の物語」。

 

1995年度 第14回:西木正明/夢幻の山旅

山登りを愛し、絵筆を執り、文章をものし、音楽を楽しんだ“稀有の自由人”辻まこと。ダダイスト・辻潤と女性解放運動家・伊藤野枝との間に生まれ、波乱に満ちた人生を送った辻の足跡を追う魂の紀行。

 

1994年度 第13回:岩橋邦枝/評伝長谷川時雨

“女流文壇の大御所”といわれた美しき作家・長谷川時雨。明治末期、歌舞伎界初の女性作家として華々しくデビュー。至福と修羅に揺れた、流行作家・三上於菟吉との生活。

 

1993年度 第12回:もりたなるお/山を貫く

西洋画の先駆者としての、高橋由一の一念が克つか、鬼県令・三島通庸の権勢に屈するか。―明治黎明期の二人の巨人の対決を描く雄渾の書下し長編。

 

1993年度 第12回:池宮彰一郎/四十七人の刺客

赤穂浪士の討入から三百年、忠臣蔵の歴史に聳立する画期的な傑作が誕生した。公儀が赤穂藩に下した理不尽な処断に抗して、大石内蔵助は吉良上野介暗殺という非情のテロを決意する。塩相場の操作で資金を集め、謀略を駆使して吉良の喉元に迫る大石。藩主の実父を護るため、財力を傾け知嚢を絞ってこれを阻もうとする上杉家。武門の意気地にかけて死力を尽くす両者の暗闘は、ついに幕府権力をも脅かす。

 

1993年度 第12回:半藤一利/漱石先生ぞな、もし

動乱の昭和の原点は、明治の中でも日露戦争以後十年の時代に求められる。その歴史の転換点を小説家として生きたのが夏目漱石であった。漱石の義理の孫にあたる歴史研究家の著者が、知られざるエピソードを発掘しながら、文豪の生きた時代と、文明批評家としての彼の側面を、ユーモラスな語り口で綴った新田次郎文学賞受賞作。

 

1992年度 第11回:大島昌宏/九頭竜川

空襲・大地震・大洪水・旱魃とあらゆる災害に見舞われた昭和20年代の福井を舞台に、復興に立ち上がる市民たちの姿を背景として、九頭竜川に鮎漁師として生きる愛子の青春を描く文芸大作。

 

1992年度 第11回:高橋揆一郎/友子

北に生きる坑夫達にみる人間の原質―。共済組織「友子」に寄せる愛惜をあふれる郷愁とともに描く会心のライフワーク。

 

1991年度 第10回:宮城谷昌光/天空の舟 小説・伊尹伝

夏王桀に妹嬉をささげることで有〓@61F4氏の危機を救った伊尹は、桀のライバルとして台頭してきた商の湯王から三顧の礼を受け、湯王の臣となる。伊尹の狙いは夏と商の和親だったが、時代の流れはこれを許さず、ついに夏と商は激突し夏王朝は滅亡する。湯王は商王朝を開くが、伊尹の仕事はまだ終りではなかった。

 

1990年度 第9回:鎌田慧/反骨 鈴木東民の生涯

 

1990年度 第9回:佐江衆一/北の海明け

文化元年、幕府は対露政策の一環として蝦夷地に官寺建立を決定。命を受けた文翁、智弁らは、アイヌ教化のためにアッケシに赴任した。文翁の布教は困難を窮め、若い智弁はアイヌを虐待する和人に慣りを募らせていく、やがて、文翁は幕命を果せぬまま横死、智弁は苛烈な運命に呑まれてゆく。

 

1990年度 第9回:早坂暁/華日記 昭和生け花戦国史

勅使河原蒼風、小原豊雲、安達潮花、そして孤高の天才・中川幸夫…。戦後の復興のなかで、家元を頂点として巨大な権力構造を形成し熾烈な争いを繰り広げた華道界。美しき花の背後にうごめく人間の欲望と野心を描ききった長編小説。

 

1989年度 第8回:入江曜子/我が名はエリザベス 満洲国皇帝の妻の生涯

ラストエンペラー、満州国皇帝溥儀の妻の凄絶な生涯。フランス租界に育ち西洋文化を身につけた少女が、清朝最後の廃帝に嫁いだことで経験する数奇な運命。宮廷での退廃と無益な日々。満州国成立によって皇后になるが、日本敗戦、そして満州国崩壊。戦争と革命の時代、男たちの権力に抗いながら悲劇的な結末をむかえた女性の一生を綿密な調査と独自の視点で描くノンフィクションノベルの傑作!

 

1988年度 第7回:中野孝次/ハラスのいた日々

一匹の柴犬を"もうひとりの家族"として惜しみなく愛をそそいだ感動の愛犬記。後日談と可愛い写真もさらにふえ、"ハラス"は甦える

 

1988年度 第7回:海老沢泰久/F1 地上の夢

ホンダにはレースの夢に憑かれた男たちが集まっていた―。モータースポーツの頂点、F1グランプリ。日本のホンダがF1に参戦して二十余年、遂にワールド・チャンピオンとなって世界を極めた。A・セナやA・プロスト、ウィリアムズやマクラーレン・チームと共に闘ってきた男達の光芒の軌跡。

 

1987年度 第6回:長部日出雄/見知らぬ戦場

敵中突破のため、必死の斬込みをかける日本兵。故郷の田野を守るべくゲリラとなった山岳民族。実兄を北ルソンの戦いに喪った著者が、悲惨な比島戦を彼我両面から描き出す!

 

1986年度 第5回:岡松和夫/異郷の歌

 

1985年度 第4回:佐藤雅美/大君の通貨 幕末「円ドル」戦争

徳川幕府の崩壊は、薩長の武力のみにあらず、もう一つの大きな要因は通貨の流出にあった。ペリーの来航以来日本は、初めて世界経済の荒波に見舞われた。幕府の経済的な無知につけ込んで、一儲けを企む米外交官ハリス、駐日英国代表オールコックたちの姿を赤裸々に描く

 

1985年度 第4回:角田房子/責任 ラバウルの将軍今村均

陸軍大将今村均はラバウルで敗戦を迎えた。やがて始まる軍事法廷で次々と裁かれる将兵たち。不充分な審議のまま戦犯として処刑されてゆく部下たちの姿を目のあたりにした今村は自らの意志で苛酷な状況の戦犯収容所に入り、やがて自身も戦犯として服役生活を送る。一人の軍人の姿を描くことで戦争と人間の真実を問うた名作。

 

1984年度 第3回:辺見じゅん/男たちの大和

「戦艦大和」には、3000人を超える乗組員が搭乗していた。多くが10代、20代の若者であった。愛する人を家族を祖国を守るために、彼らは、海に散った…。今、日本人が語り伝えなければならない、愛と涙の物語。

 

1983年度 第2回:若城希伊子/小さな島の明治維新 ドミンゴ松次郎の旅

 

1982年度 第1回:沢木耕太郎/一瞬の夏

強打をうたわれた元東洋ミドル級王者カシアス内藤。当時駆けだしのルポライターだった“私”は、彼の選手生命の無残な終りを見た。その彼が、四年ぶりに再起する。再び栄光を夢みる元チャンピオン、手を貸す老トレーナー、見守る若きカメラマン、そしてプロモーターとして関わる“私”。一度は挫折した悲運のボクサーのカムバックに、男たちは夢を託し、人生を賭けた。

 

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