2012年、三浦春馬くんが主演したフジテレビで放送されたミステリー短編ドラマ「小さな故意の物語」の詳細です。
色々と噂された三吉彩花さんも、春馬くんの相手役(ヒロイン)ではないですが、重要な役で共演しています。
小さな故意の物語
概要
2012年7月~9月、フジテレビの木曜劇場で、東野圭吾氏原作の傑作短篇小説を11話、毎週、主演・ストーリーを変えて1話完結で放送。各1時間枠。
三浦春馬くんの「小さな故意の物語」は第8話で、2012年8月30日(木)放送された。(実質44分弱)
公式サイト(東野圭吾ミステリーズ 第8話「小さな故意の物語」)
(C)フジテレビ/(C)東野圭吾・光文社
原作:東野圭吾
小さな故意の物語「犯人のいない殺人の夜」(光文社文庫)
脚本:川崎いづみ
企画:小池秀樹
プロデュース:石井浩二
監督・演出:並木道子
制作:フジテレビ ドラマ制作センター
以下から動画配信サービスでも見られます。
キャスト
波瑠:佐伯洋子(幼馴染)
大野拓朗:行原達也(幼馴染)
近藤公園:井本五郎(担任教師)
三吉彩花:笠井美代子(下級生)
ネタバレ詳細
中岡良(三浦春馬)、佐伯洋子(波瑠)、行原達也(大野拓朗)は、小学校からずっと同じ学校に通う幼なじみで仲の良い3人組でいつも一緒にいる。
良と達也はサッカー部、達也はキャプテン、洋子はマネージャー。
高校3年生の夏のある日。サッカー部の試合があり、試合には負けてしまったが、これで高三の部活はもう終わりで、これからはこの2人とずっと一緒にいる必要がない事にホッとしている良。
帰り道、河原で寝そべる3人。
洋子と達也が交際していたが、良も密かに洋子に想いを寄せていて、表面的な関係は変わらないが、良は早く高校を卒業して想いを断ち切りたかったのだ。
良「(これでやっと自由になれる。でも・・・)」
良はそっと洋子の手に触れる・・・。洋子は眠っているのか?
ほんのひととき幸せそうに眼を閉じた良だが、達也がいきなり「今日は洋子を夕飯に連れて行く日だった」と大声を上げる。驚いた良は咄嗟に洋子の手を放し離れるが、達也は気づかず立ち上がり、洋子の手を引き行ってしまう。
自転車に乗り走り出した2人に、
「達也!楽しかったな!3年間ほんと楽しかったよ。ありがとうキャプテン!」と笑顔で声をかける。
部室でロッカーの整理をしている良。
良「(高校を卒業して、俺たちはやっとバラバラになれる)」
そんな事を考えていると、ドスン!と凄い音がする。
慌てて外へ飛び出すと、大騒ぎになっている。騒ぎの方へ近づこうとする良を「見ちゃダメ」と引き留める洋子。
洋子を振り切り見に行くと、そこには達也が・・。
良「(こんな形で俺たちの絆が断ち切られるとは想像もしていなかった)」
目撃した生徒によると、達也はひとりで屋上の縁に立っていて、急にフラフラっと落下したらしい。捜査にあたった刑事たちは自殺も視野に入れている。だが、良には事故とも自殺とも考えられない。刑事たちに事情を知らないかと聞かれた良は
良「達也は自殺じゃないです。あいつは自殺をするような、そういうケチな男じゃないんですよ」
生徒会長でサッカー部キャプテン、みんなの人気者だった達也。
なぜ、達也は死んだのか?その原因が知りたかった。
自分は達也の何を見てきたのか、達也の事、本当は何もわかっていなかったのかと苦しむ良。
葬儀の途中、倒れる女子生徒(三吉彩花)。
帰り道、雨の中洋子と歩く良。達也と付き合っていた洋子は、同じ幼馴染の自分以上に苦しいだろうと心配している。
良「ちゃんと寝れてる?」
洋子「大丈夫だから。私の事は心配しないで」
良「さすがだね、洋子は。どんな時冷静でさ、どんな時も大人で。俺は弱いよね」
洋子「じゃ、泣けばいいの?いっぱい泣けば私が悲しんでるって事、認めてくれる?そうしたくても出来ない人間もいるんだよ。じゃあね」
・・と1人で行ってしまう洋子。
夜中の学校では、何者かがサッカー部の部室で・・・
次の日、達也のロッカーが何者かに壊されていた。散乱した達也の私物を片付ける洋子のもとに良が駆けつける。昨日は冷静に対処していた洋子も、さすがに動揺は隠せない。そんな2人を部室の外から見ている葬儀で倒れた女子生徒に気づき呆然とする洋子。洋子を気遣いながら、部室を片付ける良。
2人は達也の私物を持って達也の家へ。
そこで達也の母が、洋子に「いつか達也のお嫁さんになってくれるって。東京の大学も一緒に行くって決まってたのにね。ごめんね」と言う。
洋子が東京へ行く事も、大学まで洋子と達也が同じにするつもりだった事を知らなかった良は驚く。
達也の母から2人にそれぞれ達也の物を託される。
事件以来、立ち入り禁止となり鍵がかけられている屋上。良は鍵をこっそり持ち出し、達也が立っていた場所へ行ってみる。
良「(達也はここで何をしていたんだろう。本当に1人だったのか?)」
ふと屋上の入り口を見ると、達也の葬儀で倒れた女子生徒が立っている。
良に気づかれると慌てて走り去り、追いかけるが、担任の井本五郎(近藤公園)に遮られてしまう。良は井本から逃げた女子生徒の名を聞く。笠井美代子(三吉彩花)。彼女の居たあたりには白い花が置かれていた。
笠井美代子は美術部の2年生。良たちの1年下。
学校の帰り、洋子に彼女の事を聞いてみると、よくサッカー部の練習を見に来ていたと言う。たぶん、達也を見てたと。
洋子は「達也の事を好きだったのかな?誰にでも人に言えない気持ちがある。自分と達也が一緒にいるのを見るのは嫌だっただろう。誰かがいつも辛い思いをしている。それに気づかないだけ」と言う。
自分もそうだった・・・との思いからか良の物憂げな横顔。
良は美術部部室へ行き、笠井美代子に「いつもここにいるなら、あの日、この窓から達也が落ちるのを見なかったか」と聞いてみる。「見てない」と言う美代子。良は更に「達也の事、なんでもいいから何か知ってるなら教えてくれ」
そこへ洋子がやって来て「笠井さん、答えたくないなら言わなくていい」と言い、美代子は何も言わずに部室を飛び出して行く。
洋子「良ちゃん、一体何をしてるの?いろいろ調べて」
良「洋子は知りたくないの?達也のロッカー、誰が荒らしたのか?あの屋上には本当に誰もいなかったのか。達也が一人であんなところで何してたのか。洋子はどうして何も知らずに平気でいられんの?」
洋子「平気じゃない。平気なんかじゃないよ」と言い走り去る。
後姿を呆然と見つめる良。
校舎の外を歩いていると、キラキラと太陽が反射するものが目に入り、よく見ると女子更衣室を盗み撮りしている人物。光っていたのはレンズの反射だった。
良に気づき逃げ出した相手を追いかけてみると、なんと担任の井本だった。
良「何してんすか!」
同じ頃、笠井美代子を見つけ走る洋子。彼女はバスに乗る。洋子は間に合わず。
担任の井本は良を焼肉に連れて行き、自分はキャバクラの女の子に入れ込み借金があり、盗み撮りした写真を売ればお金になるから撮っていたと悪びれる様子もなく言う。
良はカメラの記憶カードを抜き取り「捨てておく」と言うと、井本は実は達也にもバレたので、バレるのは2度目だと言う。
そこで良は、達也にも抜き取られたカードを探す為に、達也のロッカーを荒らしたのかと井本を問い詰めるとあっさり認める。
達也と屋上に居たのも、このとんでもない教師の井本かと思いつかみかかる良。
すると呆れた事に、その時間も盗み撮りをしていて日時が記録されているデータがアリバイだと言う井本。
「アリバイ」のデータを見ていると、その中に1枚の画像が・・。
あの日のあの時間・・・。窓辺に映っているのは笠原美代子。
まだ調べている良に「ロッカーの犯人もわかったんだからもうやめろ」と言う洋子。
翌日、また美術部に行ってみると、窓辺に置き鏡があった。手に持ち外へ向けてみると・・。
そこへ笠井美代子がやって来るが、良の姿を見て逃げ出す。追いかける良と洋子。追い詰められた美代子が告白する。
美代子「先輩を殺したのは私です」
「光をわざと先輩の顔に当てて、ちょっとでもいいから私の事を見てほしかった・・。」
「先輩、私の事覚えていてくれるかな。そんなの贅沢かな」
そう言って、校舎から飛び降りようとする美代子。
すぐに止める良と同時に洋子が叫ぶ。
「あなたのせいじゃない!!」
美代子は良の手を振りほどき走り出し、階段から転がり落ちてしまう。
良「(それは万に一つの可能性だった筈だ。あの光を達也が見る可能性など万に一つ)」
救急車で運ばれる美代子。
洋子が話し出す。
ある日(バレンタイン?)笠井美代子がサッカー部の練習前に達也にチョコレートを渡し、ありがとうと受け取るも、その後、部室で「俺、甘いもん食えないからさ」と、他の部員にあげているところを美代子は目撃してしまった事を・・。
良はこの事は洋子と2人だけの秘密にして、すべては過去の事にしようと約束する。
2週間後、退院した笠井美代子は転校。
卒業後。
達也の事を思い出しながらグラウンドを見つめる良。
そこへ洋子がやって来る。
東京で暮らし始めた洋子が夏休みに戻って来ていた。良は浪人している。
お互いの近況を話しながら歩く二人。
良(時間は過ぎても俺の中で”あの疑問”は消えなかった。消えるどころかどんどん膨らむ一方だった)
どうして達也は、あの屋上に1人でいたのか
そして、もうひとつ
あの日(達也が屋上から落下した際)、洋子は俺の後ろから来た。なのにあの時の洋子の顔は・・。既に知っていたのではないのか。
良「あの日、あの屋上には洋子も一緒に居たんだよね。それに、あの時どうして洋子があんな事言ったのか、ずっと気になってた」
あの時とは、笠井美代子が飛び降りようとした時、「あなたのせいじゃない!」と洋子が叫んだ事。
良「もし、あの時、洋子もあの光を見たんだったら・・・それなら・・。」
洋子「そうだよ、あの屋上にはあたしも一緒に居たよ」
あの時、達也に屋上に呼び出され、洋子が東京の大学に行くなら自分も一緒に行くと言われ、自分は実は、達也と離れる為に東京の大学に行こうと決めたのに、それじゃなんの意味もないと思ったと。
がっかりした表情の洋子に達也は「別れたいならそう言ってくれ、洋子は嘘つくの下手だから、他に好きなヤツでもできたんでしょ?」
”達也の隣” から自由になりたかった洋子は、東京に行く事でお互いに嫌な思いをせずに別れられると思っていた。
達也は洋子と別れるなら死んでもいいと言いながら、屋上の縁に立つ。
俺はずっと洋子を思い続ける、東京へ行ったら一緒に暮らそうなどと叫び続ける達也に、「一生、離れられないのか、一生この人から自由になれないのか」と怖くなったという洋子。
その時、”あの光” に気づいたという洋子に、泣きながら聞いていた良は、「もういいよ、洋子」
それでも話を続ける洋子。
良「もう やめてよ!!」
「たっちゃん、あれ、何かな」と指を指した洋子。
洋子の指差す方を振り向いた達也は、眩しい光を受け、バランスを崩して落下・・・。
洋子「良ちゃん、あたしがたっちゃんを殺したんだよ・・。良ちゃんの大切な友達、あたしが殺したんだよ」
サッカーの最後の試合の日、3人で寝そべった河原で、良の手が自分の手に当たった際、達也と離れたいのは、良の事が好きだからだと初めて気づいたと言う洋子。
洋子「ちゃんと良ちゃんに伝えておけばよかった。そうしてれば、傷つけあっても前に進めたかもしれないのにね」
「ごめんね、良ちゃん」と言い残し去って行く洋子。
泣き崩れる良。
あの日、良が洋子の手に少し触れてみた。
気づいた洋子は寝ているフリをしながら、そっと握り返していた・・。
良と洋子は笑顔を浮かべながら、幸せそうに眼をつぶっている。
良と洋子が繋いだ手に、実は達也が気づいていたシーンが流れてエンディング・・・。
THE END
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