2019年にWOWOWで製作・放送された、原作:東野圭吾のミステリードラマ「ダイイング・アイ」の詳細です。
初めてのバーテンダー役は、大会で日本一になったこともあるバーテンダーの方に指導を受けたりと、相変わらず役作りには手を抜かない春馬くん。
お気に入りのカクテルは「アレキサンダー」と「マッド・スライド」だそうです。
更に初の連ドラでのミステリー作品への意欲などを語ったインタビューは以下です。
【インタビュー】三浦春馬、初物尽くしのドラマ「ダイイング・アイ」 「チャレンジをいっぱいもらえることはうれしい」
ダイイング・アイ
放送日
2019年3月~4月
WOWOWプライムで放送される事があります。
WOWOWオンデマンドでも観られます。
DVD・ブルーレイも発売されています。
時間 : 5 時間 発売日 : 2019/8/21 出演 : 三浦春馬, 高橋メアリージュン, 松本まりか, 生瀬勝久 Amazonで探す 楽天で探す |
概要
原作:東野圭吾
演出: 国本雅広
脚本: 吉田紀子
主題歌:窪田ミナ/ダイイング・アイ
全6話(約5時間)のミステリードラマ
出演者・相関図
実家は北陸の日本海に近い町。まじめで堅実な家族。窮屈さから抜け出す為に上京。大学2年の時に六本木のバーでアルバイトを始めると、バーテンダーの仕事がおもしろくなり学校を辞める。
現在は西麻布のバー「茗荷(ミョウガ)」で働くバーテン歴10年のバーテンダー。ホステスをしている村上成美(松本まりか)とアパートで同棲をしている。
高橋メアリージュン(交通事故被害者の主婦・謎の女 の2役)
柿澤勇人(交通事故被害者の夫 マネキンデザイナー)
松本まりか(ホステス 慎介(春馬)の同棲相手)
生瀬勝久(バー「シリウス」のオーナー 慎介の恩人?)
木村祐一(西麻布所の刑事:小塚)
小野塚勇人(バー「シリウス」のバーテンダー)
淵上泰史(会社員 慎介と共に交通事故加害者)
堀内敬子(慎介の働くバー「茗荷」のママ)
あらすじ詳細
全6話(約5時間)もあるので、物凄く長くなっちゃいました・・。
序章
ピアノ講師で主婦の岸中美菜絵(高橋メアリージュン)は、お腹に初めての子供を宿している。ある雨の夜、個別レッスンで少女の自宅でピアノを教えた後、マネキンデザイナーの夫:岸中玲二(柿澤勇人)の元へと、自転車で帰りを急ぐ。
そこへ、車が激突・・・死亡してしまう。
1年半後
慎介は西麻布のバー「茗荷」でバーテンダーをしている。閉店間際、見知らぬ男性客が1人で訪れる。
客は4年前の新婚旅行でハワイへ行く際、飛行機の中で飲んだ酒が飲みたいと言い、クリーミーなものだったと言われた慎介が「アイリッシュクリーム」でカクテルを作る。なぜか慎介をじっと見つめる男。
男「いやな事はないの?そういう時はどうしてる?」
慎介「早く忘れるようにしています。楽しい事だけ考えます。」
男「忘れる?」「楽しいこと・・・。」
男はカクテルを飲み干すと帰って行く。
慎介は店を閉めて帰ろうとビルのエレベーターを待っていた所、先ほどの男が後ろから襲い掛かり、慎介は後頭部を消火器で殴られ意識を失う。
近所の店の従業員が発見し、慎介は病院へ緊急搬送され手術。事件となり警察が介入。
手術後、目を覚ました慎介。付き添っていた交際相手の成美(松本まりか)に自分は殺されかけたと聞かされる。
そこへ刑事が現れ、1人の男の写真を見せ「襲った相手はこの男か」と尋ねる。慎介は記憶を辿り、「そうだ。最後に来た客。」と答える。
刑事から男の名前や素性を聞かされるが、その名前にも覚えがない慎介。さらに、その男は既に自宅で自殺していたと聞かされる。
小塚刑事(木村祐一)は、その後も慎介の事件、交通事故の件でも疑問を持ち捜査を続ける。)
刑事は「この男にはアンタを襲う動機がある」というが、男の名前は「岸中玲二(柿澤勇人)」、さらにその妻の名前は「岸中美菜絵」だと聞かされるが、まったく覚えがない。
1年半前に慎介は、交通死亡事故を起こし執行猶予中であり、慎介を襲った男は、その事件の被害者の夫だ と言われるが、慎介にはその事故の記憶がない。
医者によると精神的なショックにより一部記憶が失われている可能性が高いが、脳に異常はないので普段通りの生活をして大丈夫だと言われ、退院する。
少しでも思い出したい慎介は、交通事故現場や、岸中玲二が自殺していたアパートへ行ってみるなどすると、アパートの隣に住む少女が「女の人の幽霊を見た」と話しかけてくるが、何のことだかわからない。
慎介の恋人:成美はバー「シリウス」のオーナー江島(生瀬勝久)に、慎介が事故の記憶を失くしている事を伝える。
店に復帰した夜、江島がやってくる。江島は、慎介が大学を辞め、銀座にあるバー「シリウス」に就職してからバーテンダーとしてのすべてを教え、人生を切り開いてくれた恩人。
事故の後、身の回りの危険を避けるという名目で、江島は慎介をバー「茗荷」に預けた経緯がある。
江島「事故の事は相変わらず思い出せないのか」
慎介「断片的には思い出すんですが繋がらない」
江島「もう忘れる事だ。嫌なことを思い出す必要はない」
慎介は1人の人間が死んでしまった事故の事を忘れていいのか?思い出したいと考えるも、恩人の江島も恋人の成美も「忘れろ」と言う・・・。
この時点で慎介が思い出している情報
あの日、江島の彼女であるユカを送っていくように江島に言われ、江島の車で彼女を自宅へ送り届ける。
その後、送った帰り道で事故を起こした。
そしてその夜。どこか人間離れした美しさと強い視線を持つ女性(高橋メアリージュン)が店に現われた。
その目に見つめられると金縛りにあったように動けなくなるような、怪しい女。
店を閉め、エレベーターへ向かうと、そこに瑠璃子が・・。あの目で見つめられ、動けなくなった慎介に突然キスをし、去っていく女・・。
同じころ、慎介の自宅アパートで何かを必死に探している恋人の成美。ソファの裏まで引き裂き探すが見つからない。
何を探しているのか・・・。慎介の大事なもの?
江島からの電話がかかる・・。
江島から「バーテンダーは自分の店を持ってはじめて一人前だ」と言われ続けた慎介。その夢を実現させたいと考えていたことを思い出すが、
自宅アパートで通帳を見るも残高は数十万円。
「どうやって店なんて持つつもりだったんだ・・?)」
成美は何かを隠している? 慎介が隠していた何かを見つけたのか?
慎介は気づかない。
次の日、また怪しい女が店にやってくる。外はまた雨・・。
この日は「この時間からでも飲める店はある?」と尋ね、電話番号を書いたメモを慎介に渡し、去っていく女。
閉店後、慎介は電話をかけてみるが誰も出ない。
小塚刑事たちが岸中玲二のアパートへ聞き込みに行くと、またあの少女が「幽霊」の話をする。
その女の人の幽霊は、間違いなく交通事故で死んだ岸中美菜絵だったと言う。
幽霊? 瑠璃子のこと? なぜ岸中のアパートに出入りしていたのか?
この時点で刑事たちは瑠璃子の存在は知らない。
慎介のアパートで成美が探し物をしていた日の夜から、成美は帰って来ない。
携帯も最初は留守電になっていたが、今は電源も入っていない様子。
慎介は警察へ「失踪届」を出す。
警察へ行ったついでに、自分自身の交通事故の詳細を教えてほしいと頼み、事故現場での事故詳細を聞く。
すると・・・なんと、自分の車だけでなく、もう1台の車が関与していた事を聞かされる。しかも自分の車は被害者をひっかけるように当て、ハンドルを切ったので、直接の死因ではなく、
もう1台の車が突っ込んだせいで、被害者は別の車との間に挟まれ死亡した事を知る。
きっかけを作ったのは自分なので、法律上の責任は100%だが、実際の死因となったのは、もう1台の車だった!!
この時点で慎介が思い出している情報
なんで、まわりの人間(恋人の成美や、江島、茗荷のママなど)は、そのことを自分に教えてくれなかったのか・・?
その後、江島に直接たずねるが、「わざわざ教える事はないと思った。もう考えるな」と言う。
慎介「もう1人の加害者を教えて下さい」
「そんなこと聞いてどうするんだ」と江島が拒否すると、慎介は興奮した様子で
「なんで俺だけが襲われたのか。もう1人の加害者は襲われてないのか。考えるなと言っても無理です。僕は知りたいんです!」
気迫に押され、「弁護士に聞いておく」と江島。
「事故を起こした車は自分(江島)の車だし、自分を含め、色々と周りに迷惑がかかっているんだから、もう聞きまわるのはやめろ」と釘をさす江島。
江島「なんでわざわざ警察まで行ったんだ」
慎介「成美が何日も家に帰ってなくて」
(江島の顔色が一瞬変わる?)
江島「逃げられたのかー」と笑い飛ばすが、
1人になった際、誰かに電話し「探してくれ」と頼んだのは成美の事?
慎介は「茗荷」に出勤。
茗荷のママ「成美ちゃん、あちこちにお金借りまくってて、私も貸していた」
茗荷のママ「もう戻ってこないんじゃないかな」
成美が借金地獄に?? アパートで探していたのは慎介のお金???
江島は何故、成美に連絡を入れていた??
ただ、慎介はまだ何も疑わず、成美が消えた事を心配している。
翌朝、小塚刑事が自宅へ。
岸中の事件で気になる事があると言う。自殺には間違いはないが、自宅に奥さんの幽霊の話や、岸中が自宅アパートの鍵以外に、高級マンションなどで使われる鍵を持っており、実際にあまり自宅には帰っていなかったことも疑問だと話す。
刑事「この事件はまだ終わってはいないんですよ」
ママは留守で慎介ひとりの「茗荷」。
慎介が一人でカクテルを作っていて、ふとソファ席を見ると、そこにはあの怪しい女が座っている。
怪しい女「あなたに会いたいと思ってた。ずっと。」
またあの目で見つめてくる・・。
慎介「名前を教えて下さい」
女「聞いてどうするの」
慎介「少なくとも心の中で「怪しい女」と呼ばなくてすみます」
女「瑠璃子。瑠璃色のるり」
その後、キスをされ、瑠璃子の方から体を求めてくる・・求められるままに応じる慎介。
慎介「(なぜだ、この女を知っている)」
慎介「(どこで会ったんだろう)」
成美が茗荷のママに電話してくる。
成美「借りたお金のこと、ごめんなさい」
ママ「お金の事なんかどうにでもなるから」と優しく答えるが、同じ部屋にはベッドに横たわる江島・・。
江島とママは、何かしらのたくらみを持ったグルなのか??
成美は慎介に言えない秘密があり、もう一緒には暮らせないと考えている。
江島から もう1人の加害者の名前と住所が知らされる。
名前は「木内春彦」。住んでいるのは高級マンション。
早速たずねてみる慎介。そこへ小塚刑事がやってくる。
小塚刑事が言うには、一介のサラリーマンであるはずの木内は、銀座の高級クラブに通い、派手に遊んでいるらしい。
事故以来、会社でも閑職にまわされている筈なのに、なぜなのか?
慎介は銀座のバーで遊んでいるという木内の事を、同じ銀座のバー「シリウス」のバーテンダー岡部に調べさせる。ちょうど、噂の高級バーに今来ているという。
慎介は店を抜け出し、銀座のバーへ行き、木内に会う。事故の夜に会っている筈だが、顔を見ても思い出せない慎介。
木内に事故の事を聞くが邪見にされる。
自分は被害者の夫に襲われ重傷を負った事、木内さんは何もされていないのか。どちらも加害者なのに、なぜ俺だけなのか。と詰め寄ると
木内「あんたほんとにそう思ってるのか、かわいそうに。まぁ、俺もアンタも同類だけどな」
かわいそう? 同類? どういう意味だ??
バーを出て帰ろうとしているところに、瑠璃子から電話が入り、今から来いという。
教えられた場所は高級タワーマンションの1室。
ベッドに誘われる
「(誰なんだ この女は。 誰かに似ている。)」
「(いや、似ているのではない。俺はこの女にどこかで・・・。)」
瑠璃子「あなたの子供が欲しい。あなたの子を産むの。」
瑠璃子「あなたはここで暮らすの。永遠に一緒よ。」
慎介「ちょっと待て・・・それ・・どういう意味だ・・。」
・・・意識を失う慎介。
気づくと、ベッドの中、足には鎖が!!
鎖は壁に繋がれていて、長いチェーンだが、一定程度しか動けない。
しかも自身の着ていたものも見つからず、、。
瑠璃子を探しまわる・・・。
しばらくすると、食事を運んで来る瑠璃子。いつもの厚化粧をしていない。
慎介「(どこかで見たことがある・・俺はこの女を知っている!)」
瑠璃子「まだ思い出せないの?忘れてしまったの?」
ウィッグを外すと・・・・
瑠璃子「あの雨の夜のこと・・・。」
慎介「(岸中・・美菜絵・・)」(交通事故で死亡した主婦)
慎介「そんな事あるはずがない。どういう事だ。答えろよ!」
瑠璃子「肉体は滅びても、この世に残る方法はあるのよ。この目にはそういう力があるの。あなたにはわかる時が来る。わからせてあげる。」
そう言い残し、部屋を出ていく瑠璃子。
慎介は鎖に繋がれたまま・・・・。
同じ頃、茗荷のママが運転する車に乗る成美。
どこかへ逃がしてくれるのかと思いきや、江島の元へ連れていかれる。
(やはり、江島と茗荷のママは繋がっていた。)
成美は車を降り、走って逃げる・・・。
慎介に電話をかけながら走る・・・。
成美「慎ちゃん、、、お願い!出て!!」
マンションに監禁されている慎介。
電話のコール音。(成美から)
棚の中から聞こえるが届かない・・。
成美・・スマホのライトで江島に見つかる。
逃げる、、追う、、、捕まり、、、蹴られる成美、、。
コールは切れてしまう。
洗面所のタオルハンガーをバターナイフをドライバー替わりに使い外す。
そこで、思い出す慎介!
自宅アパートの洗面台の鏡をドライバーで外し、何かを隠した!
「(あれは一体、なんだったんだ・・?)」
「(成美はあの中の物を持って、、、?)」
約束のものを早く渡せ。どこにあるんだ。 と成美を責める江島。
タオルハンガーを使って、電話の音が聞こえた棚になんとか届き、スマホと自身の服を見つける。
慎介は、未だ事件を調べている小塚刑事に電話をかけ、助けを頼む。
慎介「たぶん、あの鍵が使えます!あなたが持ってた岸中玲二の!」
慎介「俺を監禁したのは岸中美菜絵の幽霊です!」
事故のもう1人の加害者:木内が自宅に帰ると、、、瑠璃子がいる。
木内は驚く事もなく、いつもそこに居て当然といった様子。
瑠璃子は何者??
小塚刑事、岸中玲二のキーで慎介のいるタワーマンションへ。
慎介「早く!助けて下さい!」 と足かせを外してもらう。
小塚刑事「助ける代わりに全部話してもらうぞ!」
小塚刑事「しかしこのマンションはなんだ?岸中はここで何をしてたんだ・・」
2人であちこち部屋を探る。
最後に開かない扉のある部屋をこじ開け、中に入ると・・・・
中はマネキンだらけ!壁には岸中美菜絵のスケッチや写真・・。
資料やパソコンを調べる。
岸中玲二はマネキンデザイナー。どうやらここで、死んでしまった妻「美菜絵」にそっくりのマネキンを作っていたらしい。
岸中はドール美菜絵に話しかけ、試行錯誤しながら何度も「より似せた」マネキン作りに没頭。
岸中の日記には「ドール美菜絵にウエディングドレスを着せた」とある。
更にパソコンの中にある設計資料を見た慎介は・・・
「瑠璃子です・・・。」
そう言って、マンションを飛び出して行く。
残された小塚刑事は部下の榎木を呼び出す。
慎介は自宅アパートへ帰り、洗面台の鏡を外してみる。
隠したはずの物は無くなっている。
そこで、あれはお金だったと思い出す。
慎介「(あの包みは・・金だ・・・。三千万。)」
(なんで俺はそんな大金を持っていたんだ)
(誰にも言わず、成美にさえも言わずに隠していた)
(成美はあの金を持って・・?)
成美に電話をするが出ない。茗荷のママに電話し、成美の事を聞いてみるが連絡はないと言う。
ママの家の洗面所には江島が念入りに手を洗う姿。
(( ママは慎介に「成美から連絡はない」と嘘をついている。江島はもしや、成美が持ち出したお金を奪い、もう成美を殺したのか?? ))
電話の向こうの慎介はママを疑っていない。
この時点で慎介が思い出している情報
部屋で途方に暮れる慎介。
慎介が監禁されていたタワーマンション。
部下の刑事が到着し、マンションの捜索を任せて外へ。
部下が調べてきた情報によると、このマンションの名義は「帝進建設」の社長。木内の勤める会社で、更に社長の娘はかつての婚約者。
部下の刑事が一人になったところへ、瑠璃子が帰ってくる・・。
・・・その後、部下の榎木刑事とは連絡が取れなくなる。
小塚刑事は、連絡の取れなくなった部下の榎木を心配し、マンションの持ち主でもある帝進建設に社長を訪ねるが門前払い。木内もいないと言われる。
小塚刑事が得た情報で、木内が事故の直前に行っていたバーの名前を慎介も知り、早速たずねてみる。
木内と婚約者の上原みどり(社長の娘)は、テニスが縁で仲良くなり、このバーもテニス仲間なども集うアットホームな店。マスターが彼らの写真を見せてくれる。
更に、近くにある花屋がお気に入りで、よく花を持って来てくれたと聞かされる。
店を出て歩き出すと、花屋を見つける。店の名は「瑠璃」!
店の前には、瑠璃子の部屋にもあったあの青い瑠璃色の花
慎介は ハッとする!!
瑠璃子は、、、、上原みどり???
慎介は木内を訪ねると、木内はちょうどタクシーに乗り出かけるところ、あとを追う。
途中停車し、木内が会っていたのはなんと 江島!
なぜ木内と江島が会っているのか?
木内は江島とすぐに別れ再びタクシーに乗り、あのタワーマンションへ向かう。追って来た慎介もタクシーを降り、木内に詰め寄る。
慎介「どこへ行く?4015号室か?(慎介が瑠璃子と会った部屋)」
慎介「俺はあの部屋で監禁されていたんだ!」
木内「頭がおかしいのか?」
とぼける木内に更に詰め寄り、自分が会っていた瑠璃子という女は、木内の元婚約者である上原みどりだと認めさせようとする。
慎介「彼女は自分の顔や体を変え、岸中美菜絵になりきろうとした。なぜなんですか?答えて下さい。」
木内はなおも知らない、彼女とは1年前に婚約を解消し会っていないと嘘をつく。
そこへ小塚刑事も現れ、ようやく折れた木内が室内へ小塚と慎介を案内するが、なんと部屋は空っぽ!!! マネキンどころか家具もすべて何もない!
榎木刑事ももちろんいない・・。
小塚「どうなってるんだ!榎木はどこだ!?」
木内「ここには元々なにもない。僕は仕事で出入りしているだけですよ。」
警察へ移動し、取調室で木内を問い詰めるも何も知らないの一点張り。
慎介「(あの男はすべてを知っているのに隠している。なんのために?)」
慎介「(上原みどりは、なぜ顔や体を変えてまで岸中美菜絵になろうとしたんだ?)」
木内が江島と会っていた事も気になり、江島を訪ねる慎介。
木内と会っていたのを見たと言い、何を隠しているのかと問い詰めるが、
「岸中に殺されかけてからおかしくなっているんじゃないか」とあしらわれ、送っていくから帰れと車に乗せられる。
道中、江島は「事故なんてありふれた出来事。偶然の運・不運だ」
「そんな事より独立の事やこれからの事を考えろ」と諭す。
慎介「そんな金ありませんよ」
そこで、ある事を思い出す!
あの3,000万は、江島から貰ったものだ。
車の中で、成美が最後につけていたネイルが落ちているのを発見し、成美がこの車に乗せられた事にも気づく。
そして
すべてを・・・思い出した慎介!
記憶が完全に戻る
ー 真相 -
あの日、江島の彼女ユカが酷く酔い、送っていくことになったが、運転していたのは江島。慎介は隣に乗っていた。
ユカを送った帰り道であの事故。その時も運転していたのは江島。
そして、身代わりになってくれれば1,000万円払うと言われ、咄嗟に「無理だ」と断るが、
「直接この車で彼女を轢いていないし、実刑にはならない。弁護士もつける。」と説得されるうち、お店を持ちたい夢を思い、躊躇した後「無理ですよ・・たった1,000万なんて・・」と言った慎介に「3,000万ならどうだ!」と江島。そこで「わかりました。」と言ってしまったのだ。
「今すぐ使うと怪しまれるからほとぼりが冷めるまで2~3年隠しておけ」とも言われ、その通りに隠しておいたのも思い出す。
そして、慎介が記憶を失っている事を知った江島は、その金を取り返そうと成美を使い、家の中に隠しているであろう3,000万を探させていた。
しかし借金だらけだった成美は、そのお金を持って逃げたため、江島に殺されてしまった・・。
すべてを思い出した慎介に、成美の事も含めて闇に葬る取引をしようと江島。
慎介「じゃ、5,000でどうですか。事故で3,000、成美の事で2,000。」
お金を受け取ったらすぐに姿をくらまさなければ、成美の二の舞になると思いながら、自宅へ帰り準備を行う慎介。
成美との日々を思い出し、、、
成美の死と引き換えにお金を手に入れようとしている自分、
成美はなんでお金を持って逃げたりしたのか、
あの事故にさえ巻き込まれなければ、
あの時身代わりなんて引き受けなければ、、
俺と成美は変わらず過ごせていたのに、、
と考えるうち、木内が言っていた言葉を思い出す。
木内「俺もアンタも同類だからな」
同類? あいつも身代わりって事か?
そこへ、、、瑠璃子が入ってくる
瑠璃子「言ったでしょ。永遠に一緒よ。」
瑠璃子「あなたの子供がほしい。嫌なら私を殺して。殺しなさい。」
と、慎介の手を自分の首へ。
なんとか振りほどき、家を飛び出す慎介。
外で木内に会う。
木内「彼女はどこだ。あんたの家に行ったのか?」
慎介「彼女おかしいよ!!子供が欲しい。できなければ殺してほしいと。」
木内はそれを聞き、慎介の部屋へ走るが彼女はもういない。
慎介に「あんたも身代わりだったんだろ」と言われ、慎介が事故の事を思い出した事に気づき、遂に、木内が本当の事を慎介に打ち明ける為、自宅へと誘う。
そこには「上原みどり」が「岸中美菜絵」になる為の部屋が。
そして、事故の際はアルコールを飲んでいた彼女が運転をしたいと言ったのを止めきれず、そのまま事故を起こし、アルコールを飲んでいない自分が身代わりになった事を話す木内。
事故の際、みどりが味わった恐怖がすさまじく、岸中美菜絵の最後の「眼」が脳裏に焼き付き、段々おかしくなっていったと。
木内「みどりは「岸中美菜絵」に憑りつかれている」
木内「彼女の最後の眼光がみどりのすべてを奪った」
エンディング
段々に壊れていく上原みどり。
彼女を元通りにするために精神科医をはじめ、手を尽くしたがどうしようもなく、社長(みどりの父)から彼女の付添人を命じられ、それ以降、会社から大金をもらっている。
みどりは一度でいいから、あの人(被害者)に会わせてくれと言うので、岸中の家へ連れて行き、お線香をあげさせてもらう。
その時、岸中が美菜絵にそっくりなマネキンを見つめているのを目にしたみどりは、その後も岸中の部屋へ通う。マネキンの美菜絵に話しかけながら絶望している岸中を見ているうちに、みどりは手助けしたいと思うように。
そして、美菜絵の夫:岸中玲二に自分のマンション(帝進建設社長名義)の一室を貸し、美菜絵にもっと似せたマネキンを作る事を手伝う。そうするうち、岸中が求めているのは結局、生きたいと願う美菜絵であると気づき、自らが「岸中美菜絵」になりきろうとしていく。
化粧、髪型にとどまらず、整形で顔を変えるみどり。
なりきった彼女を最初は受け入れる岸中だが、やはりそれは違う、「美菜絵の生命」、「お腹の子供の生存」を取り戻す事は出来ないと絶望し、美菜絵の後を追う事を決意、その前に加害者の顔を見ておこうと、慎介のバーに現れた。そこで交わした会話で「嫌な事は忘れる」と言った慎介の言葉に腹を立て、慎介を襲った後で自殺する。
自殺した岸中を見てしまったみどり。彼を失ったみどりは、更にエスカレートしながら次は慎介を狙い、「子供を宿し、生命を産み出したい」と願うようになる。
(・・と言ってもみどりは完全に正気を失っているので、よくわからない)
江島から「金が用意できた」と連絡が入り、受け取りに行く慎介。
自宅へ戻ったところ、すぐに江島が現れ襲ってくる。
そこへ瑠璃子(上原みどり)も現れる。
瑠璃子の目におびえる江島。
勢いあまって、江島が瑠璃子をベランダから突き落として殺してしまう。
そこへ小塚刑事が現れ、江島は逮捕される。
アパートを出て瑠璃子に駆け寄る慎介。
「瑠璃子・・・君は・・・どうして・・・。」
榎木刑事はマンションのマネキンの部屋に居たところに帰ってきた瑠璃子に「聖域に入ったのが許せない」と殺されたという。
遺体の処理や、部屋の家具などの片づけは木内が行った。
木内の自供から、倉庫(?)で榎木刑事の遺体が発見される。
江島は、最後に見た瑠璃子の目に怯え、拘置所で自分で両目を潰して失明したと言う。
成美を殺したことも自供したが、まだ遺体は発見されていない。
小塚刑事「遺体は必ず見つける。アンタ(慎介)が弔ってやらなきゃな。」
成美の遺品としてスマホが慎介に渡される。
スマホには未送信の慎介宛のメールが1通、残されていた。
「黙って家を出てごめんなさい。慎ちゃんのこと大好きだったよ。一緒にいて楽しく幸せだったのにバカだね、私。慎ちゃんの大事なお金を持ち逃げしたからもう会えない。」といった内容。
小塚刑事に「アンタも罪を償わなきゃな。」と手錠をかけられ留置所へ。
慎介「あの時思ったんですよ。あの交通事故の判決が下りた時、俺の受けた刑は禁固2年・執行猶予3年。軽いものだなって。」
慎介「身代わりを引き受けたと言っても、人ひとりの命を奪った罪に問われてるのにって。軽くて内心ほっとしたけど、この期間さえやり過ごせばいいんだって思ったけど。人を殺した罪はそんな事じゃ・・。」
その後、バーの務めを辞め、田舎に帰る事にした慎介。
茗荷のママは「慎ちゃん、もともと水商売に向いてなかったもの。この仕事やるには正直すぎるもの。ここであった事は全部忘れて、いちからやりなおせば。」
慎介「いいえ、忘れません。今度は。亡くなった人たちの事も、自分のしでかした事も。それが自分にできる彼らへの唯一の償いだと。」
< THE END >
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