>> サイト内には広告が含まれます。プライバシーポリシーはこちら →
PR

小松左京賞・全10回の受賞作品と刊行された最終候補作のすべて

文学賞
この記事は約8分で読めます。
     


 

小松左京賞とは

公募

主催:角川春樹事務所
対象:SF小説

角川春樹事務所が主催していた公募新人文学賞である。SF小説を対象とし、受賞者には正賞として名入り金時計、副賞として100万円が与えられた。選考委員は小松左京が務めていた。

2000年~2009年の10回で休止。第10回は最終候補まで絞られるが受賞者なしとなりました。

出典:ウィキペディア角川春樹事務所

 

小松左京(ウィキペディア)
生年月日:1931年1月28日
活動期間:1961年~2011年(80歳没)

第10回-2009年:受賞作なし

応募総数:131作品

最終候補作品

キリストゲーム/一田 和樹
201X年『キリストゲーム』とよばれるゲームが若者の間で流行する。『導き手』のためになる“何か”をした後、『救い主』が自殺する、というのがそのルール。『導き手』と『救い主』が出会うためのネットサービス『法王庁』の参加者は百万人を超え、毎日数十人の『救い主』が自ら命を絶つ! 社会危機を打破するため、内閣官房配下の諜報組織CITはゲームの全容解明と根絶を目的とする「オペレーション・ユダ」を発動した。

 

クルミとミルクの物語/尾野 樹史
彼女の致死量/松本 晶

未刊

 

第9回-2008年:森深紅/ラヴィン・ザ・キューブ

認知症を患った父親の為に、工業デザイナーへの道を断たれた水沢依奈はロボットメーカーに就職し、介護をこなしながら功績をあげていたが、突然の異動で特装機体開発室の秘書を命じられる。人事に不満を持つ依奈を悩ませたのは、室長である佐原シンという分裂病質の悪名高いロボット工学者。アリーという認知行動研究用アンドロイドを秘書として置いている佐原は人間の補佐を拒み依奈を追い出そうとするが、依奈は自分の異動の理由が会社が受注したアンドロイド10体の製造管理だと役員に告げられる。依奈は、納期遵守のエキスパートとして、佐原の作る「ロボット」の秘書となった。実はそれは兵器であったのだ…。だが、佐原だけはルックスのみに不満を募らせていた。生産工学の観点から相容れない要素である造形芸術(アート)と理論の追求(エンジニアリング)。理論の追求よりも造形を優先する佐原は、結果的に機械の物理的な限界まで技術と才能で飛び越えてしまう。それこそが佐原が天才と呼ばれる所似だった。製品の引き渡しの際、機体の起動をする権限者に佐原は依奈を選び、その解除コードを与える。解除コードは不思議な3つの記号『$◇a(エスバレー・ポワンソン・プティタ)』で構成されていた。佐原がコードに込めた、意味とは果たして何なのか?

 

最終候補作品

松本晶/あるいは脳の内に棲む僕の彼女
僕が引き継いだ汎用移動人型人工知能・AI。最先端の技術と機能と謎を搭載した彼女は、完璧すぎる容姿と身体を持つ。第九回小松左京賞最終候補作。待望のデビュー作。

 

第8回-2007年:上杉那郎/セカンドムーン

西暦2012年、衛星打ち上げ事業の存続を賭けて種子島から飛び立ったロケットGIII8号機は、大気圏突破を目前にしてコントロール不能に陥り自爆。打ち上げの責任者であるスペースノヴァ社(旧宇宙開発事業団)の小百合は、前任者で元恋人の内村から、失敗の原因は宇宙兵器の攻撃だと教えられ耳を疑う。世界の裏勢力が未知の技術入手に暗躍する中、小百合達はその正体を追うが、小百合の兄・修司が搭乗する国際宇宙ステーション・フリーダムがその攻撃を受け日本列島へ落下し始める……。
人類の科学力を凌駕するテクノロジーで造られた兵器の目的は何か。そしてフリーダムに搭乗する日本人クルーと、落下地点となる日本に明日はあるのか!

 

第7回-2006年:受賞作なし

最終候補作品

伊藤計劃/虐殺器官
9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?現代の罪と罰を描破する、ゼロ年代最高のフィクション。

 

円城塔/Self‐Reference ENGINE
彼女のこめかみには弾丸が埋まっていて、我が家に伝わる箱は、どこかの方向に毎年一度だけ倒される。
老教授の最終講義は鯰文書の謎を解き明かし、床下からは大量のフロイトが出現する。
そして小さく白い可憐な靴下は異形の巨大石像へと挑みかかり、僕らは反乱を起こした時間のなか、あてのない冒険へと歩みを進める――
軽々とジャンルを越境し続ける著者による驚異のデビュー作。

 

第6回-2005年:伊藤致雄/神の血脈

時は幕末。開国を求めて黒船で日本にやってきたペリーは、不思議な能力をもった男・乾風之助に迎えられるのだが…歴史を動かしてきた乾一族。五千年前に異星人から与えられた能力とは何なのか。壮大なスケールで描く、伝奇SF小説。

 

第5回-2004年:有村とおる/暗黒の城(ダーク・キャッスル)

バーチャルリアリティを使ったホラーゲーム「ダークキャッスル3」制作中に、主要スタッフが相次いで変死する。一人は激突死、もう一人はロシアンルーレットでという、あたかも死を望んでいたかのような死に方で…。さらに、スタッフの一員である早川優作は、同僚で恋人でもある佐藤美咲までが死を恐れない自傷行為をとるのを見て愕然とする。「ダークキャッスル3」と一連の事態との間になんらかのつながりを感じた優作は、大学時代の女友達で今は雑誌記者の鷹石茜とともに事件の真相を追いはじめた。だが、二人の前に現れたのは、ある狂信的な医学研究と、恐るべき過去のカルト宗教団体事件の全貌であった…。

 

第4回-2003年:上田早夕里/火星ダーク・バラード

火星治安管理局の水島は、バディの神月瑠奈とともに、凶悪犯ジョエル・タニを列車で護送中、奇妙な現象に巻き込まれ、意識を失った。その間にジョエルは逃亡、璃奈は射殺されていた。捜査当局にバディ殺害の疑いをかけられた水島は、個人捜査を開始するが、その矢先、アデリーンという名の少女と出会う。未来に生きる人間の愛と苦悩と切なさを描き切った、サスペンスフルな傑作長篇。

 

最終候補作品

響堂新/眠る大地
シベリアの凍土から、男女の死体が発見された。それは三万年前に絶滅したとされるネアンデルタール人のようであった。さらに奇妙なことには、その死体の臀部から、小さな手がはえていたのだ。一方、イルクーツク大学水棲生物研究所に留学中の松沢邦彦は、“進化の博物館”といわれるバイカル湖で、後頭部から小さな手がはえている男と遭遇するのだが…。「進化」をテーマに壮大なるスケールで描かれた、SFミステリーの金字塔。

 

第3回-2002年:機本伸司/神様のパズル

留年寸前の僕が担当教授から命じられたのは、不登校の女子学生・穂瑞沙羅華をゼミに参加させるようにとの無理難題だった。天才さゆえに大学側も持て余し気味という穂瑞。だが、究極の疑問「宇宙を作ることはできるのか?」をぶつけてみたところ、なんと彼女は、ゼミに現れたのだ。僕は穂瑞と同じチームで、宇宙が作れることを立証しなければならないことになるのだが…。

 

第2回-2001年:町井登志夫/今池電波聖ゴミマリア

都市のゴミ集積場が機能しなくなってもう長い年月がたつ。家から一歩外に出ればもう街はあちこちが不法投棄のゴミだらけ。老人は放り出して死なせる。若いやつらは奪い合って人殺しまで横行。生まれてくるべき子供はどんどん中絶し解体し売られる。こんな街に住みたくない。こんなのが人間なら、人間でいたくない…。西暦2025年。日本中部の200万都市の一角・今池。暴力と無秩序が支配する世界で、17歳の森本聖畝は、絶望していた。
彼はある日“仕事”のため、JCDと呼ばれるサイバー・ディーラーの家に忍び込んだ。JCDは日本において唯一、国から手厚く保護されているエリートたちだ。そして、暗号化された一枚のディスクを手に入れたが…。

 

第1回-2000年:平谷美樹/エリ・エリ

二十一世紀に入って、人類はかつてない精神的・科学的進歩の時代を迎えていた。人々は非論理的なものを排除したが、それは既存の“神”の否定でもあった。“神”に代わる超越者を求めて人類は、〈ホメロス計画〉による地球外知的生命体との接触を試みていたが、この計画は存続の危機を迎えていた教会にとっても「神の科学的証明」による信仰の回復の可能性を秘めたものであったのだ。しかし一方で、計画の反対勢力による陰謀が極秘裏に、だが着実に進行していた。こうした情勢下、地球外知的生命体からのものと思われる大量のニュートリノが観測され、事態は急展開を見せはじめるのだった……。人類と神、神と宇宙との関係に鋭く迫る、一大宇宙SFの幕が今、上がる!

 

佳作:浦浜圭一郎/DOMESDAY(ドームズデイ)

その日から世界(ここ)は『人の死ねない地獄』と化した! ここでは、もはや人は死なない。何度死んでもゾンビとして蘇るのだ。突如出現した肉色のドームによって外界から隔離された東京の複合施設オリオンガーデンを舞台に、生き残りの生者と不死のゾンビとの終わりなきバトルを描いた第一回小松左京賞佳受賞作が【改訂版】としてKindleで復活!! 著者による「domesday時間表」や「宗教用語解説」付。

 

努力賞:高橋桐矢/ストレンジ・ランド

未刊

最終候補作品

北野勇作/かめくん
かめくんは自分がほんもののカメではないことを知っている。クラゲ荘に住みはじめたかめくんは模造亀。新しい仕事は特殊な倉庫作業。リンゴが好き。図書館が好き。昔のことは憶えていない。とくに木星での戦争に関することは…。日常生活の背後に壮大な物語が浮上する叙情的名作。日本SF大賞受賞。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました