2015年、三浦春馬 25歳。
ストレートプレイの演劇としては、初めての出演。
セリフや芝居のみの演劇のことで、「歌」を利用しない。
ただ、劇中歌などで、ただ単純に「歌」として流すものは含まれない。
ミュージカルは音楽、歌、セリフ、踊りを結合した演劇。
地獄のオルフェウス
概要
公演日程
Bunkamuraシアターコクーン
2015/5/7(木)~5/31(日)
森ノ宮ピロティホール(大阪)
2015/6/6(土)~14(日)
「地獄のオルフェウス」公式Twitter
ポスター
スタッフ
作者:テネシー・ウィリアムズ
演出家:フィリップ・ブリーン
翻訳:広田敦郎
舞台監督:幸光順平
技術監督:小林清隆
演出助手:坂本聖子、小川浩平
照明:勝柴次朗
音楽:鈴木光介
音響:長野朋美
衣裳:黒須はな子
ヘアメイク:佐藤裕子
キャスト
大竹しのぶ:レイディ・トーランス
三浦春馬:ヴァル・ゼイヴィア
山本龍ニ:ジェイブ・トーランス(レイディの夫)
吉田久美:エヴァ・テンプル(ジェイブの従兄弟)
深谷美歩:シスター・テンプル(ジェイブの従兄弟)
三田和代:ヴィー・タルボット(保安官の妻)
真那胡敬二:タルボット(保安官)
久ケ沢徹:デイヴィッド・クートレール(レイディの元恋人)
水川あさみ:キャロル・クートレール(デイヴィッドの妹)
チャック・ジェイソン:妖術師の男
西尾まり:ポーター(看護婦)
峯村リエ:ビューラ・ビニングス(噂話好きの中年女性)
中村彰男:ピーウィー・ビニングス(ビューラの夫)
猫背椿:ドリー・ハンマ(噂話好きの中年女性)
粟野史浩:ドッグ・ハンマ(ドリーの夫)
あらすじ
アメリカ南部。ありふれた町の洋品雑貨店。ガンに冒され、医師にも見放された店主ジェイブ(山本龍ニ)が二階に伏している。しかし、妻のレイディ(大竹しのぶ)の関心は夫にではなく店の改装計画にあるらしい。
彼女はイタリア移民の娘で、父がかつて開いていたワイン・ガーデンで過ごした少女時代の思い出を心に抱いている。そんなある日、蛇革のジャケットを着てギターを持った奇妙な青年が現れた。名はヴァル(三浦春馬)。彼のどこか野性味や純粋さを感じさせる人柄に魅かれ、レイディは彼を雇い入れる。
数週間後。彼女はいつの間にかほかの女性に嫉妬を抱くほどヴァルのことを思い始めていた。父の死後、金で買われるようにジェイブの妻となり、この異郷の地で苦汁をなめてきたレイディにとって、ヴァルは希望の光であった。しかし町には保守的で排他的な空気が澱み、タブーを犯した者には厳しい制裁が待ち受けている。
レイディは夫に内緒でヴァルを店の小部屋に住まわせようとする。彼女の思惑とその危険性を嗅ぎつけ、こっそり店を出ていくヴァル。だが二人の絆は強い。再び舞い戻ったヴァルとレイディは渾身の力で愛を確かめ合うのだった。
ところが、もう二度と床を離れることはないと思われていたジェイブが死神のごとく階段を降りてくる。驚きあわてるレイディとヴァル。さらに、町の女たちの注目を魅き、保安官の妻ヴィー(三田和代)との中をも疑われるヴァル。瀕死の夫に構わず今晩の新装開店に奔走するレイディ。二人にこの町の因襲と暴力がのしかかってくる。
保安官に町からの退去を命じられたヴァルは、レイディに別れ話を持ちかける。彼の裏切りに逆上するレイディ。だが自分がヴァルの子を宿したと知ると意気高らかに宣言する―――「たたかいに勝ったのよ、実を結んだのよ!」そしてその直後、喜色に満ちたレイディの顔面が急に青ざめていく…。
動画
予告
制作発表
公開稽古
プレスコール
春馬くんシーン
純粋な人柄で、自由に生きてきた青年。遠くの町からやってきた流しのギター弾き。
主人公レイディ(大竹しのぶ)の他、キャロル(水川あさみ)、ヴィー(三田和代)にも思いを寄せられる。
画像引用元:Astageの記事より
ネタバレ
第1幕
職を求めて遠くから辿り着いたのは、閉鎖的な田舎町。自由に生きてきたヴァルだが、そういう生き方を変え、真面目に働きたいと考えている。
突然現れた危険な色気を漂わせる長身の若者に色めき立つ田舎町の噂好きな中年女性たち。
雑貨店を営むレイディ(大竹しのぶ)は、最初は見知らぬよそ者に警戒するものの、すぐに彼の魅力に惹かれ、雇う事に。ヴァルが働き始めると、彼を目当てに女性客が訪れるようになり、天性の魅力と、知ってか知らずか思わせぶりな態度の接客により、女性たちとのトラブルが絶えないヴァル。
レイディは嫉妬し、地味な服を着せたり説教をしたりするが、何がいけないのかわからないヴァル。
ある日、初老(?)のヴィー(三田和代)も、ヴァルに会いたい為、口実の絵を手に雑貨店を訪れる。ヴァルがヴィーの手にキスをしたところへ、夫で保安官のタルボット(真那胡敬二)が「何をしてる!」と銃を持ち、大声で飛び込んで来て、「命が惜しければ、この町を出て行け!」とヴァルに告げる。
レイディの結婚前の元恋人デイヴィッド(久ケ沢徹)の妹、キャロル(水川あさみ)もヴァルに惹かれている。店に現れ「ここにいると危険、あなたに定住は似合わない。一緒に逃げよう」とヴァルを誘う。
補足
キャロルは若干クレージーなキャラで、レイディとヴァルの仲を裂こうと何度も現れる。
デイヴィッドは、昔、レイディと付き合っていたが、彼女の父親のワイン(ブドウ)農園が火事になり、その際に親も亡くなり何もかも失ったレイディを捨て、資産家の娘と結婚。
レイディはデイヴィッドの子を宿していたが中絶し、二束三文で買われるように、今の夫と結婚。暴力的な夫は今は末期ガンに侵され、ほぼ寝たきりだが、そんな夫を心配するでもなく、愛のない生活を送っている。
レイディは雑貨店を改装中で、新装オープンを目指しており、夫の事などよりも、その事に夢中。
そんな頃、レイディは、近くのモーテルに泊り、店へ通ってきているヴァルに、宿泊費も馬鹿にならないから、店の倉庫の奥にあるベッドで寝泊まりをすればどうかと提案。ヴァルは断るが、何度も言われて住み込みで働く事を了承する。
嬉しそうなレイディがシーツを取りに行った隙に、ヴァルは店のレジからお金を取り出すと店を出て行く。
お金を盗んで逃げたと思ったレイディは、やっぱりよそ者を信用するんじゃなかったと腹を立て、涙を流す。
そこへ、ヴァルがギャンブルで元手を増やして戻り、レジにお金を返すが、騙されたと思っているレイディに罵詈雑言を浴び、言い合いに。更に「なぜ戻った」と聞かれ「自分を思い出す時に、”お金を盗んだヤツ”となるのが嫌だった」とヴァル。
ヴァルに惹かれながらも、わざと気のないそぶりをしてきたレイディは涙を流しながら打ち明ける。
「死神と結婚して人生が終わったと思っていたが、あなたが現れた時に自分を地獄から救い出してくれる天使がやって来たと思った」と。
そして二人は、倉庫の奥のベッドへ・・・。
第2幕
数か月後のある朝。
突然、2階で寝たきりだったレイディの夫。デイヴィッドが看護師(西尾まり)に付き添われ1階へ降りてくる・・・。
気配に気づいたレイディは、慌ててヴァルを叩き起こして服を着させ、奥へとおいやる。
降りてきた夫は、妻の不貞に気づいているのかいないのか・・、レイディは平静を装い、雑貨店を改装して人手がいるのでヴァルを雇ったと報告。端正な顔立ちの青年を皮肉るデイヴィッドに、お陰で店は女性客が増えたと取り繕うが、いら立つ夫は「お前の父親を焼き殺したのは俺だ」と言い放ち、2階へ戻って行った。
すべてを失い、地獄のような日々を生きてきたレイディは、その原因をつくった犯人が夫だったと知り、怒りに震える。
この日以来、レイディは夫への復讐心を募らせる。
ヴァルは、魅力的な風貌と振る舞いから、彼の虜になる女性たちと次々とトラブルを起こしていたせいで、町の男たちからは恨まれており、店には保安官や男たちが現れては、刃物をかざしたり、指名手配犯の写真と見比べ、「自分に歯向かえば刑務所に入れるぞ」的な脅しをかけてくるように。
ある時、大事なギターに触られそうになり遂に怒りをあらわにするヴァル。「命の次に大事なギター、これに触ったら何をするかわからない」と反撃し、保安官たちは怯んで立ち去る。
そんな中、夫のデイヴィッドが大量吐血するが、顔色一つ変えずに店の新装オープンの準備をしているレイディを、噂好きな中年女性たちが非難している。
そして、いよいよ新装オープン。レイディにとっては待ちに待った大切な日に、ヴァルは店を辞め、町を出ると言い出す。
レイディはまた裏切るのかと詰りながら、仕事をヴァルに命じ、開店準備を止めない。
そこへ、「デイヴィッドにモルヒネを打ち、今は落ち着いているから一旦帰る」と看護師が下りてくる。「モルヒネをたくさん打って心臓が弱ってしまわないのか、逆に、患者を楽にする為に、そうする事はないのか」と言うレイディに、「あなたほど冷酷な家族は見た事がない」と激しく非難する看護師。
更に、夫があの状態なのに、あなたは妊娠していると告げる。
それを聞いたレイディは驚き、出て行く看護師の背中に「ありがとう、教えてくれて」
聞いていたヴァルも驚き、動揺するが、レイディが掛けた椅子の傍にひざまづき、いたわるようにお腹に手を添える。
一方、レイディは「もうあなたがやるべき事は終わった、車をあげるからすぐに町を出て、遠くへ逃げなさい」とヴァルに言うと、階段を駆け上がり、「あたしはとうとう死神に勝った!あたしは妊娠した!あたしの勝利よ!」と2階にいる夫に叫ぶ。
直後、夫がピストルを手に降りて来て・・・レイディを撃ってしまう!
ヴァルは泣きながら駆け寄り、レイディを抱きかかえる。瀕死のレイディはよろめきながらも改装した店内を覆っていた布を引き下ろし、「ショーはおしまい」と呟いた後、絶命。
号泣するヴァルだが、身の危険を感じて店を飛び出し、走り去る。
すぐに店主の従妹たちがガスバーナーを手にヴァルを追いかけ・・
ヴァルの悲鳴・・・・炎が燃え上がる。
THE END
悪人の夫が生き延びて、彼のせいで不幸だった主人公とその恋人が殺される という結末ながら、主人公は、不幸な地獄の中で、恋をし、結ばれ、子供を授かった事で「死神に勝った」と幸せな気持ちの中で、最期を迎えた。
制作発表でのコメント
この作品でストレートプレイを初めて経験させていただきます。諸先輩方の中で自分とも作品とも向き合える機会をいただきました。こんな機会は一生の中であるかないかだと思うので、一瞬一瞬を大切にして行けたらと思います。フィリップさんとお話しさせていただいたのですが、とてもユーモアがあり、この作品に対する哲学を持っているなと感じました。お話し好きのようなので、ずっとお話をされていますが、センスがあり聞き入ってしまいます。役やテーマの話から、人としてどうあるべきかなども話せたらと思います。遠慮せずに先輩方の胸を借りてがんばりたいです。
インタビュー記事
【ダ・ヴィンチ2015年5月号】Cover Modelは、三浦春馬さん!
視聴方法
DVD化されておらず、今のところ、動画配信サービスなどにもないので、見る手段がない。
DVD化署名運動は こちら
「罪と罰」も同じくBunkamura シアターコクーンで上演された舞台ですが、こちらは WOWOWで度々、放送されている。
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