横溝正史賞とは
KADOKAWAの新人文学賞として、ともに四半世紀以上の歴史を持つ「横溝正史ミステリ大賞(第38回まで)」と「日本ホラー小説大賞(第25回まで)」。
この2つを統合し、ミステリとホラーの2大ジャンルを対象とした、新たな新人文学賞を創設しました。(角川文庫より)
名称が変わったり統合されたりと、ちょっとややこしいのですが、1980年(昭和55年)、探偵小説作家の横溝正史にちなんでミステリ作家を発掘するために設けられ、第20回までは横溝正史賞(1981~2017年)、第21回から第38回までは横溝正史ミステリ大賞(2001~2018年)、第39回からは、日本ホラー小説大賞(1994~2018)との統合により、横溝正史ミステリ&ホラー大賞(2019年~)という名称になっています。
出典:横溝正史ミステリ&ホラー大賞、角川文庫
日本ホラー小説大賞(1994~2018年)は以下をご覧ください。
第21回~現在の横溝正史ミステリ&ホラー大賞(2001年~)は以下をご覧ください。
第20回(2000年)
異常なまでに発展した文明とテクノロジーの中で、人間は500万年前と変わらないひ弱な心のままで生きている。しかし、もう、無理だ。人類が選ぶ最後の手段がここにある。ヴェトナム難民船より救出された妊婦から生まれた二卵性双生児(DZ)の兄妹が背負う宿命を、ハリウッド映画のような壮大なストーリーで描き上げたヒューマン・ミステリ。 |
不幸のどん底で喘ぐ中年主婦・明日美としのぶ。気が弱い半端なヤクザ・史郎。そして、リアルに生きられない孤独な女・渚。運命に見放されたこの4人の物語が、かつてない戦慄と驚愕の世界にあなたを巻き込む!超一級品のクライム・アクション!!横溝正史賞正賞受賞作。 |
夏休みに入って間もない月曜日の朝、学校のグラウンドで生徒の死体が発見された。校舎の窓から転落したと思しき状況。自殺か他殺か?それとも学校に伝わる呪いの発動か!?科学部と園芸部の2人の部長、美少女タレント、生徒会長…17歳を生きる“探偵”たちの仮説が交錯する、まばゆいばかりの1週間。若者たちがあぶりだす現実と解とは―!?圧倒的な才能が描き出す、青春ミステリの冒険にして決定版。 |
第19回(1999年)
騙す、騙される、また欺く。広大な大陸と海原を貫き、歴史の時を刻もうとした、疾走する情熱、凄絶な正体。革命という熱病にうなされる怪男児―。第19回横溝正史賞正賞受賞作。 |
純白の雪に覆われた谷川トンネルの坑内で、謎のテロリスト集団が核燃料輸送隊を襲った。前線を埋め尽くす機動隊・自衛隊員、そして映像を追うテレビ・クルー。誰が、いったい何のために? 第19回横溝正史賞佳作を加筆。 |
「ヴィクティム」は未刊?
本名:岡田尊司・精神科医
この後、「小笠原 慧」名義の「DZ ディーズィー」で2000年に大賞受賞など、数冊刊行する。2005年「岡田尊司」名義で文藝春秋より「脳内汚染」を刊行。
第18回(1998年)
やり手弁護士・小早川に、交通事故で夫を亡くした女性から、保険金示談の依頼が来る。事故現場を見た小早川は、加害者の言い分と違う証拠を発見した。第18回横溝正史賞大賞受賞作。 |
推理作家志望の鹿野の元に届けられた一束の推理小説。それは、実在の人物が登場し、親友の自殺から始まる。この小説がなぜ僕に…。鹿野は異様な恐怖に駆られるが…。 |
奨励賞、「稜線にキスゲは咲いたか」は未刊?
第17回(1997年)
普通のサラリーマンとして人生を過ごしてきた男が最後の賭けに出た。コンピュータを利用した犯罪者“クラッカー”となり、会社からの横領を企てたのだ。失った誇りを取り戻すために。そして自分を閑職に追い込んだ上司への復讐と金のためだったが、なぜか計画以上の金が横領されていた。そこには過去から続く犯罪ともうひとつの復讐劇があった―。横溝正史賞佳作受賞、注目のデビュー作。 |
第16回(1996年)
そのアリバイは完璧なはずだった。健康産業界の裏側でくりひろげられる利権・派閥争いの実態をフィットネスクラブを舞台に、斬新なアイデアと奇抜なトリックで描く。 |
プロゴルファー箕島の恋人・洋子が変死した。プロを引退した箕島は洋子の一周忌を機に事件の解明を決意。教え子が出場する全日本高校ジュニア選手権に同行した箕島は、そこでもうひとつの殺人事件に出会う…。 |
第15回(1995年)
男性優位な警察組織の中で、女であることを主張し放埒に生きる刑事村上緑子。彼女のチームが押収した裏ビデオには、男が男に犯され殺されていく残虐なレイプが録画されていた。第15回横溝正史賞受賞作。 |
殺人容疑で逮捕された息子のため、宏壮な屋敷に再現された殺害現場。しかしそれは新たな惨劇の幕開きだった…。女性司法修習生が姿なき冷血鬼に迫る! 現役弁護士が抜群の着想で描く注目の本格推理。 |
第14回(1994年)
敗戦間近い軽井沢で、ソ連人スパイが殺害された。ノルマンディ上陸作戦の陰で、世界史を決した殺人事件! 事件の鍵を握る日独の男女は五十年後に再会の約束を…。半世紀の悲恋を描いた国際ミステリー・ロマン。 |
東京・下町の枕倉北商店街はタヌキで大騒ぎ!? 通りの入り口に突如タヌキのでかい置物が置かれたり、頼みもしないタヌキそば10杯が出前されたり、喫茶店の前には分福茶釜が置かれたりと、犯人の意図も動機も分からない事件が続発。だがそれは、やがて殺人事件に発展する。容疑者は、第一発見者で失業中の唐岸誠矢、30歳。身の証を立てるため、誠矢は事件の謎に挑むが、直後に第2の殺人が……。頭から尻尾までタヌキ尽くしの異色ミステリー、第14回横溝正史賞佳作受賞! |
第13回(1993年)
北朝鮮の地下に潜り、日本に高度な情報を提供している謎の人物〈灰姫〉をめぐり展開する果てなき謀略の数々。大型新人渾身のポリティカル・サスペンス。第十三回横溝正史賞優秀作。 |
訪日中の米大統領が襲われた。5万人に1人の特殊な血液型「キメラ」が恐るべき二重の罠の鍵を握る。敏腕外科医が迫真のタッチで描く医学サスペンス。第13回横溝正史賞優秀作。 |
第12回(1992年)
神奈川県西部に世界史上繁栄を極めた三つの都市を再現した大型テーマパークが完成しつつあった。オープンを控えたある日、女性スタッフの惨殺死体が発見され、建設会社の社員、小田切は事件の背後を調べ始めるが…。巨大な事業の陰に渦巻く人間関係に鋭く迫る本格ミステリー。第12回横溝正史賞受賞作。 |
純文学作家・上野の死体が自宅で発見された。薬物による自殺と思われた事件であったが、上野の妻が殺人を自白。だが、二回目の公判で彼女は突如、自白内容を否定するのだった。第12回横溝正史賞受賞作。 |
死神の異名をもつ八神香介。一三歳の天才棋士に敗れ、一度は挫折した男が、それから一六年後、将棋の表舞台に現われた。第五期竜将ランキング一回戦……それはアマチュア最高位から、プロ棋士に挑む、命をかけた戦いとなるはずだった。しかし対局当日、相手プロは姿を見せず、自宅で何者かに殺されていた! 卓越したストーリーと熱気で読者を魅了し、横溝正史賞史上初の特別賞を冠せられた、伝説の傑作。 |
第11回(1991年)
園山由佳は、義兄から父親危篤の報せを受け、大阪へと向かった。義兄の石丸伸太は通天閣のちかくで、父の看病をしながら司法書士兼お好み焼き屋を細々と営んでいる。そんな彼のもとに、購入した土地の登記依頼が舞い込む。ところが、その物件は購入者とは別の名義人の申請がなされ、しかも不正を働いた売り主は不審死を遂げる。由佳と伸太はこの不可解な事件の調査を開始するが……。日本の土地制度の矛盾を鋭く抉った横溝正史賞受賞作。 |
第10回(1990年)
ベーカー街221Bにやってきた日本の女のコとホームズが難事件に挑戦。本格パスティッシュ・ストーリー。第10回横溝正史賞優秀作。 |
「観ると一週間後に死ぬ呪いのビデオ」--次々と出る犠牲者に、噂の真相を追求する報道記者・浅川玲子。自らも”呪いのビデオ”を観てしまった玲子は、はたして”呪い”から逃れられるのか……!! |
らせん | ループ | バースデイ |
ドロップ | エス | タイド |
第9回(1989年)
悲劇は海に始まった。海の安全を守るために奔走する海上保安庁の巡視船。その任務は、厳しく、忙しい。前夜は貨物船の衝突事故の救助と捜索に夜を徹し、今日は海難防止週間の安全指導の任務につく。事件はその夜起こった。こともあろうに、当の巡視船の船長が、自分の船室で殺されたのだ。洋上に停泊する船は完全な密室となる。犯人は乗組員の中にいるにちがいない。被害者以外、20数名の男たちはすべて容疑者となり得る。捜査は難航した。そしてふたたび、悲劇が起こった…。現役海上保安官が、海に生きる男たちへの熱い共感をこめて書き下ろす大型ミステリー。 |
大阪で、警備員が刺殺され、金庫が破られる凄惨な事件が!逮捕されたのは、前科があり、被害者と顔見知りだった塩川邦夫という男だった。関与を否定していた塩川だが、執拗な取調べに、ついに自白する…。有罪確定か?だが、法廷は揺れた。朝日岳之助弁護人が検察に敢然と挑んだからだ!冤罪をテーマとした社会派ミステリーの力作。 |
第8回(1988年)
第7回(1987年)
東京、冬。出版記念会の席上に届けられた一本の真紅の薔薇から、惨劇の幕が開く。舞台は、ロンドン、ブリュージュ、パリを経て、再び東京の冬へ。相次いで奇怪な事件が続発し、事態は混迷の度を深めていく。精緻な文体と巧妙なトリックを駆使して、人生の虚飾と愛憎を描く、本格長編推理。 |
戦後40年、100万ドルの遺産を日本人にのこして死んだポーランド系ユダヤ人女性、コルク・ヘルナとは一体、何ものか?国際記者がヨーロッパ中近東に謎を追う、感動のミステリー。 |
第6回(1986年)
第5回(1985年)
暗号に、トリックに切手趣味をちりばめ、卓抜な着想と斬新な趣向で絶賛を博した、第5回横溝正史賞受賞作。 |
芸大教授・七裂鉄人が研究室で殺害され、江戸の絵師、画狂人・北斎に関する未発表の新資料が盗まれた。芸大生二人組、周一と哲平は、教授から託された資料のコピーから、北斎の「富岳」中に重大な秘密が隠されていることを知った。徳川幕府が血眼で捜し求めた結城の埋蔵金、その隠し場所は「富岳」に示されているのか。二人が北斎の謎に迫り始めた頃、七裂の娘・奈都子が失踪した。そして第二の殺人が…。 |
「四十年目の復讐」は未刊
第4回(1984年)
第3回(1983年)
「逃げてやる、あの人のために・・・」ガチャリと音を立てて、シリンダー錠が閉じられた。 ただ一人、冷たい独居房に残された女死刑囚玉江。父を知らず、母も幼くして失くした。 そして、木地師の義父と夫婦同然に暮らした異常な日々。だがある日、玉江は義父の 胸を錐状の鉋で一突きに殺してしまった。 それ以来、玉江は男の生命を吸い取ってしか生きられない、奔放な女になっていった。 |
第2回(1982年)
アメリカを放浪するジャズ・ピアニスト阿波地明は、西部の田舎町の留置場にいた。その時突然、近郊のドライブ・インでショット・ガン乱射事件が発生。多数の死傷者の中に、13歳の日本人少女がいた。1年後、帰国し歌手としてデビューした少女ユリエの周辺に、そして、TV視聴者の間に、奇怪な事件が続出する。破滅への序曲か。理由なき大量虐殺と集団自殺が日本列島を蹂躙する。現代の狂気を、鮮烈なイメージと筆力で照射する、戦慄のニュー・オカルト・サスペンス! |
「メービウスの帯」は未刊
第1回(1981年)
昭和25年頃、東京都大森の古い木造アパートで真弓と娘の麻矢が2人きりで住んでいた。真弓は麻矢に「お父さんは私達を捨てた悪い人。恨みなさい、憎みなさい。大きくなったら必ず仕返しをしなさい。絶対に許しては駄目。」と毎日毎晩教え込み、虐待していた。 |
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