読売文学賞とは
発表:翌年2月
主 催:読売新聞社
対 象:小説賞=小説
その他、戯曲・シナリオ、随筆・紀行(第19回より創設)、評論・伝記、詩歌俳句、研究・翻訳の6部門に分類
対象期間:過去1年間に発表された作品。前年11月~同年11月(変動あり)
出典:ウィキペディア、読売文学賞
受賞作品のすべて
第75回(2023年) |
|
川上未映子/黄色い家
十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。人はなぜ罪を犯すのか。世界が注目する作家が初めて挑む、圧巻のクライム・サスペンス。
Amazonで探す |
第74回(2022年) |
|
佐藤亜紀/喜べ、幸いなる魂よ
18世紀ベルギー、フランドル地方の小都市シント・ヨリス。ヤネケとヤンは亜麻を扱う商家で一緒に育てられた。ヤネケはヤンの子を産み落とすと、生涯単身を選んだ半聖半俗の女たちが住まう「ベギン会」に移り住む。彼女は数学、経済学、生物学など独自の研究に取り組み、ヤンの名で著作を発表し始める。ヤンはヤネケと家庭を築くことを願い続けるが、自立して暮らす彼女には手が届かない。やがてこの小都市にもフランス革命の余波が及ぼうとしていた――。女性であることの不自由をものともせず生きるヤネケと、変わりゆく時代を懸命に泳ぎ渡ろうとするヤン、ふたりの大きな愛の物語。
Amazonで探す |
第73回(2021年) |
|
川本直/ジュリアン・バトラーの真実の生涯
作風は優雅にして猥雑、生涯は華麗にしてスキャンダラス。トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称された、アメリカ文学史上に燦然と輝く伝説の小説家ジュリアン・バトラー。その生涯は長きにわたって謎に包まれていた。
しかし、2017年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。
第73回読売文学賞(小説賞)、第9回鮭児文学賞、第2回みんなのつぶやき文学賞国内篇第1位受賞。
もうひとつの20世紀アメリカ文学史を大胆不敵に描くあまりにも壮大なデビュー長編小説。
Amazonで探す |
第72回(2020年) |
|
該当なし |
第71回(2019年) |
|
島田雅彦/君が異端だった頃
3月生まれの幼年期から、めくるめく修業時代を経て、鮮烈なデビューへ―。戦後の文学を彩った、文豪たちとの愛憎劇と、妻がある身の最低男の、華麗なる遍歴と、不埒な煩悶と。最後の文士・島田雅彦による自伝的青春私小説!
Amazonで探す |
第70回(2018年) |
|
平野啓一郎/ある男
人はなぜ人を愛するのか。幼少期に深い傷を背負っても、人は愛にたどりつけるのか。
「大祐」の人生を探るうちに、過去を変えて生きる男たちの姿が浮かびあがる。
人間存在の根源と、この世界の真実に触れる文学作品。
Amazonで探す |
第69回(2017年) |
|
東山彰良/僕が殺した人と僕を殺した人
選考会で絶賛された直木賞受賞作『流』を経て生まれた、圧倒的青春小説! 1984年、台湾。13歳だった。 夏休みが終わるほんの2日前、ぼくたちの人生はここから大きく狂いはじめたんだ。 2015年冬、アメリカで連続殺人鬼「サックマン」が逮捕された。デトロイトの荒んだ街並みを見つめながら、「わたし」は、台湾で過ごした少年時代を想い出していく。三十年前、わたしはサックマンを知っていた――。 1984年夏、台北で、兄をなくしたばかりのユン、牛肉麺屋のアガンと弟のダーダー、喧嘩っ早くて正義感の強いジェイは友情を育んでいた。四人の少年たちは、ある計画を実行することに決めた……。 サックマンとは誰なのか? その謎をめぐる青春ミステリー。
Amazonで探す |
第68回(2016年) |
|
リービ英雄/模範郷
1950年代、6歳から10歳まで台湾にいた「ぼく」。日・米・中・台の会話が交錯する旧日本人街「模範郷」。そこは間違いなく「ぼく」の故郷であり、根源であった。何語にも拠らない記憶の中の風景が変わり果てたことを直視したくない「ぼく」は、帰郷を拒んでいた。だが知人の手紙を機に半世紀ぶりにかつての家を探しに行くことを決意する。越境文学の醍醐味が凝縮された一冊。
Amazonで探す |
第67回(2015年) |
|
古川日出男/女たち三百人の裏切りの書
あなたたち後世の人々よ。改竄された物語に、私が耐えられると思うか? 野間文芸新人賞・読売文学賞ダブル受賞作。 死して百有余年、怨霊として甦り「本もの」の宇治十帖を語り始めた紫式部。一方、海賊たちは瀬戸内に跋扈し、蝦夷の末裔は孤島で殺人術を研き、奥州の武士たちは太刀と黄金を全国に運んでいた。いくつもの物語は次第に交錯し、やがてひとつの像を結ぶ。圧倒的なスケールと幻視力で紡がれる《古川日出男版》源氏物語。
Amazonで探す |
第66回(2014年) |
|
川上弘美/水声
1996年、わたしと弟の陵はこの家に二人で戻ってきた。ママが死んだ部屋と、手をふれてはならないと決めて南京錠をかけた部屋のある古い家に。夢に現われたママに、わたしは呼びかける。「ママはどうしてパパと暮らしていたの」―愛と人生の最も謎めいた部分に迫る静謐な長編。
Amazonで探す |
|
星野智幸/夜は終わらない
「婚約者が自殺した」との報せを受けた玲緒奈。しかし彼女には、次に殺す予定の別の婚約者がいた。男を惑わし、財産を奪い、殺す。玲緒奈には不思議な掟があった。夜が始まると彼女は言う。「私が夢中になれるようなお話をしてよ」死の直前、男の語る話の内容で命の長さは決まる。命を懸けた究極の物語が始まる。
Amazonで探す |
第65回(2013年) |
|
村田喜代子/ゆうじょこう
貧しさゆえ熊本の廓に売られた海女の娘イチ。廓の学校“女紅場”で読み書きを学び、娼妓として鍛錬を積むうち、女たちの悲哀を目の当たりにする。妊娠する者、逃亡する者、刃傷沙汰で命を落とす者や親のさらなる借金のため転売される者もいた。しかし、明治の改革の風を受け、ついに彼女たちはストライキを決意する―過酷な運命を逞しく生きぬく遊女を描く。
Amazonで探す |
第64回(2012年) |
|
多和田葉子/雲をつかむ話
とつぜん届いた犯人の手紙から、「雲蔓式」に明かされる、わたしの奇妙な過去―読売文学賞と芸術選奨文科大臣賞を受賞した「雲をつかむ話」。レネの義兄の家を借りるためボルドーへ向かう優奈の、ひと夏の断章―ドイツ語で書かれドイツで発表されたのち、自身で日本語小説に転じた「ボルドーの義兄」。各国語に翻訳され、欧米、アジアのみならず、世界中で新作が待望される日本人作家、魅惑の二長篇。
Amazonで探す |
|
松家仁之/火山のふもとで
「夏の家」では、先生がいちばんの早起きだった。―物語は、1982年、およそ10年ぶりに噴火した浅間山のふもとの山荘で始まる。「ぼく」が入所した村井設計事務所は、夏になると、軽井沢の別荘地に事務所機能を移転するのが慣わしだった。所長は、大戦前のアメリカでフランク・ロイド・ライトに師事し、時代に左右されない質実でうつくしい建物を生みだしてきた寡黙な老建築家。秋に控えた「国立現代図書館」設計コンペに向けて、所員たちの仕事は佳境を迎え、その一方、先生の姪と「ぼく」とのひそやかな恋が、ただいちどの夏に刻まれてゆく―。小説を読むよろこびがひとつひとつのディテールに満ちあふれた、類まれなデビュー長篇。
Amazonで探す |
第63回(2011年) |
|
該当なし |
第62回(2010年) |
|
桐野夏生/ナニカアル
昭和十七年、林芙美子は偽装病院船で南方へ向かった。陸軍の嘱託として文章で戦意高揚に努めよ、という命を受けて、ようやく辿り着いたボルネオ島で、新聞記者・斎藤謙太郎と再会する。年下の愛人との逢瀬に心を熱くする芙美子。だが、ここは楽園などではなかった―。戦争に翻弄される女流作家の生を狂おしく描く。
Amazonで探す |
第61回(2009年) |
|
高村薫/太陽を曳く馬
福澤彰之の息子・秋道は画家になり、赤い色面一つに行き着いて人を殺した。一方、一人の僧侶が謎の死を遂げ、合田雄一郎は21世紀の理由なき生死の淵に立つ。―人はなぜ描き、なぜ殺すのか。9.11の夜、合田雄一郎の彷徨が始まる。
Amazonで探す |
第1~第60回(1949~2018年) |
|
著者 |
作品 |
60回
2008年 |
黒川創 |
かもめの日 |
59回
2007年 |
松浦理英子 |
犬身 |
58回
2006年 |
該当なし |
|
57回
2005年 |
堀江敏幸 |
河岸忘日抄 |
宮内勝典 |
焼身 |
56回
2004年 |
松浦寿輝 |
半島 |
55回
2003年 |
小川洋子 |
博士の愛した数式 |
54回
2002年 |
水村美苗 |
本格小説 |
53回
2001年 |
荻野アンナ |
ホラ吹きアンリの冒険 |
52回
2000年 |
伊井直行 |
濁った激流にかかる橋 |
山田詠美 |
A2Z |
51回
1999年 |
筒井康隆 |
わたしのグランパ |
三木卓 |
裸足と貝殻 |
50回
1998年 |
小川国夫 |
ハシッシ・ギャング |
辻原登 |
翔べ麒麟 |
49回
1997年 |
村上龍 |
イン・ザ・ミソスープ |
小島信夫 |
うるわしき日々 |
48回
1996年 |
該当なし |
|
47回
1995年 |
日野啓三 |
光 |
村上春樹 |
ねじまき鳥クロニクル |
46回
1994年 |
石井桃子 |
幻の朱い実 |
黒井千次 |
カーテンコール |
45回
1993年 |
該当なし |
|
44回
1992年 |
中薗英助 |
北京飯店旧館にて |
43回
1991年 |
坂上弘 |
優しい碇泊地 |
青野聰 |
母よ |
42回
1990年 |
森内俊雄 |
氷河が来るまでに |
41回
1989年 |
高井有一 |
夜の蟻 |
古井由吉 |
仮往生伝試文 |
40回
1988年 |
色川武大 |
狂人日記 |
39回
1987年 |
澁澤龍彦 |
高丘親王航海記 |
38回
1986年 |
津島佑子 |
夜の光に追われて |
37回
1985年 |
高橋たか子 |
怒りの子 |
田久保英夫 |
海図 |
36回
1984年 |
吉村昭 |
破獄 |
35回
1983年 |
該当なし |
|
34回
1982年 |
大江健三郎 |
「雨の木」を聴く女たち |
33回
1981年 |
井上ひさし |
吉里吉里人 |
司馬遼太郎 |
ひとびとの跫音 |
32回
1980年 |
該当なし |
|
31回
1979年 |
島村利正 |
妙高の秋 |
30回
1978年 |
野口冨士男 |
かくてありけり |
29回
1977年 |
島尾敏雄 |
死の棘 |
28回
1976年 |
八木義徳 |
風祭 |
27回
1975年 |
吉行淳之介 |
鞄の中身 |
檀一雄 |
火宅の人 |
26回
1974年 |
和田芳恵 |
接木の台 |
25回
1973年 |
中里恒子 |
歌枕 |
安岡章太郎 |
走れトマホーク |
24回
1972年 |
永井龍男 |
コチャバンバ行き |
23回
1971年 |
該当なし |
|
22回
1970年 |
吉田健一 |
瓦礫の中 |
21回
1969年 |
耕治人 |
一條の光 |
小沼丹 |
懐中時計 |
20回
1968年 |
河野多惠子 |
不意の声 |
瀧井孝作 |
野趣 |
19回
1967年 |
網野菊 |
一期一会 |
18回
1966年 |
丹羽文雄 |
一路 |
17回
1965年 |
庄野潤三 |
夕べの雲 |
16回
1964年 |
上林暁 |
白い屋形船 |
15回
1963年 |
井上靖 |
風濤 |
14回
1962年 |
安部公房 |
砂の女 |
13回
1961年 |
該当なし |
|
12回
1960年 |
外村繁 |
澪標 |
11回
1959年 |
正宗白鳥 |
今年の秋 |
中野重治 |
梨の花 |
10回
1958年 |
該当なし |
|
9回
1957年 |
室生犀星 |
杏っ子 |
野上弥生子 |
迷路 |
8回
1956年 |
三島由紀夫 |
金閣寺 |
久保田万太郎 |
三の酉 |
7回
1955年 |
里見弴 |
恋ごころ |
幸田文 |
黒い裾 |
6回
1954年 |
佐藤春夫 |
晶子曼陀羅 |
5回
1953年 |
該当なし |
|
4回
1952年 |
阿川弘之 |
春の城 |
3回
1951年 |
大岡昇平 |
野火 |
2回
1950年 |
宇野浩二 |
思ひ川 |
1回
1949年 |
井伏鱒二 |
本日休診 |
コメント